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綿本彰 interview #2:ヨガは、ポーズを通して物事との向き合い方を学ぶということ

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――実際に日本でやろうとなったときに、周囲の反応はどうでしたか?

「私自身、実際に現地で学び、体験し、効果を実感していましたので、私の周囲からも反応は良かったです。ですから、これをぜひ多くの方に知ってもらいたいと考え、メディアの方々にたくさん声をかけました。しかし、最初の1年くらいは見向きもされなかったですね。ところが、ハリウッドスターたちがやっているという情報がだんだん入るようになると、一気に火がつきました」

――ヨガは、ポーズを通して物事との向き合い方を学ぶということですが、レッスンを受ける方々は、ダイエットを目的に始める人が多いのではないですか?

綿本 彰さん

「そのとおりです。パワーヨガはインナーマッスルをすごく使うので、その効果によって、体の内側から引き締まるんですね。また、排泄器官の働きを高めるので美容の面にもいい。

肌は、便、尿、呼吸とともに4大排泄器官のひとつと言われています。便、尿、呼吸の3つでしっかり排泄できていれば、肌から余分なものを出そうする働きが弱まり、結果的に肌がきれいに保たれやすいということなんです。とはいっても、ヨガの一番の目的は物事との向き合い方ですから、それについてはレッスンをしながら、徐々に理解してもらおうという感じです」

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――生徒さんを教えるにあたって、気をつけていることはありますか?

「自分のクラスに来てくれている人に対して、今、何ができるのだろうということを常に考えています。いいレッスンをしようとか、自分がどう思われているのかなど、評価を気にしていると、全然いいレッスンができません。そうではなく、自分の知識や経験を伝えることで、クラスが生き物のようになってくれればベストだなと思っています」

――後輩やスタッフの方たちに対しては、先輩であり指導者という立場だと思います。その中において、心がけている点はありますか?

「できるだけ自然体でいようと思っています。メディアからお声をかけていただき、本を出させてもらうようになると、自分自身のイメージが外側から作られてしまうんですね。そうしたら一時、自分はこういう人間でなくてはならないみたいなことを考え出して、いつの間にか窮屈になっていました。私も人間なので、甘いものも食べるし、肩も凝ります。今は、それでいいじゃないかと。『まあ、いいっか』という心境です」

――常に自然体でいたら、まわりもリラックスできそうですね。

綿本 彰さん

「『まあ、いいっか』とは無念、無想の境地なんですね。それはつまり、許しや歓迎の気持ちでもあるんです。『ありのままでいいんだよ』という思いがないと、人間関係ではストレスは溜まるばかりです。仕事を進めていくうえで厳しさは不可欠ですが、それだけでは限界があり、本当に必要なのは優しさだったりするわけです。そういう心で日常を送ることが、まさにヨガに通ずることなんですね」

――こうやって普段の生活にヨガを取り入れているんですね。

綿本 彰さん

「はい。というか、そう努めています(笑)。今はストレス社会ですから、多くの人は心に問題を抱えると心の関係の病院に行くと思います。それもいいんですが、心の問題だからこそ体に目を向けてもらいたいと思っています。心の問題を精神論ではなくて、身体論から解決しようとするのが、ヨガの最大の魅力ですから。

私たちの心がストレスを抱えているとき、つまり、さまざまな事柄に対して『まあ、いいか』と思えないとき、必ず呼吸が緊張するんです。『嫌だ』と思った瞬間って、息が詰まりますよね。息が詰まる経験を何千回、何万回と繰り返していくうちに、その緊張が蓄積していき、さまざまなストレス症状が現れるようになります。

ストレスというのは、実は呼吸、もっといえば身体の問題なのです。子供の頃に柔らかかった体が、大人になると硬くなってしまうのと同じように、子供の頃は呼吸が伸び伸びしていたのに、大人になると緊張が蓄積して気持ちいい呼吸ができなくなる場合があります。この呼吸の緊張を解消したり、呼吸が深まりやすい姿勢を作ることで、伸び伸びとした心の状態を取り戻すことができる。そのためにヨガのポーズを行いましょうということです。

たとえば、ストレスを溜め込んでモヤモヤするとき、思いっ切り伸びをすると少し気持ちが晴れますよね。それは固まった胸まわりの緊張がほぐれて、深く呼吸ができたからです。

片足で立ってバランスが取れていないと息が詰まりますよね。でも、バランスが取れていると息が詰まりません。

このように、ヨガのポーズは呼吸まわりの緊張をほぐしたり、深呼吸しやすい姿勢を作ったりすることができる。だからストレスが減るというからくりなのです。

私自身もまだまだ未熟なので、締め切りギリギリなのにいいアイディアが浮かばなくて焦るときがあります。そういうときに自分の精神だけで折り合いをつけようと思うと、逆に心が参ってしまいます。追い詰められているときこそ体を使って深く呼吸をしたり、体をゆったりほぐすと、気持ちが安定していいアイディアが浮かんだりするんですよね」

――このマガジンは、美容関係の人たちに向けたものなのですが、最後にその方々にメッセージをお願いします。

綿本 彰さん

「美容関係の方々は美意識が高い人たちが多いと思います。ファッションをどうしようか、メイクをどうしようか。そういう外側の美しさももちろんすばらしいことです。ではあるのですが、その根幹を支えているのが心のあり方だということも知ってほしいと思います。心は姿勢や表情に影響します。体をほぐしたり呼吸を整えたりして、内側からの美しさに、さらに意識を向けていただけたらと思います」

Profile

綿本 彰さん

綿本 彰(わたもと あきら)さん

日本ヨーガ瞑想協会 会長。綿本ヨーガスタジオ主宰。
全米YOGAアライアンス 500時間YOGA指導者トレーナー(E-RYT500)。

出身地:大阪府
血液型:O型
座右の銘:ワンピース(人間はひとつのピースであり、補って助け合うものあるという意味)
幼い頃より、父であり、同協会の名誉会長である故綿本昇師からヨガを学ぶ。神戸大学システム工学科卒業後、インドに渡りヨガ、アーユルヴェーダを研修。帰国後、同師に師事しながら、1994年にヨガの指導をスタート。2000年以降は、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンなど世界各地で、ハタヨガ、ラージャヨガ、パワーヨガなど、さまざまなスタイルのヨーガを研修。2003年には、日本初となるパワーヨガ専門スタジオ「綿本パワーヨガスタジオ」をオープン。現在は、総合ヨガスタジオとし、同スタジオにてヨガの指導、指導者の育成にあたる。その他、いろいろな切り口で出版物をリリースし、積極的にヨーガの普及に勤めている。

Company

綿本ヨーガスタジオ

『心に効かせるヨガスタジオ』をコンセプトに、すべてのクラスを『瞑想』ベースで構成しています。瞑想とは、心がオープンで軽く、かつ落ち着きがあり、とても深い集中を行っている理想的な精神状態のこと。しかし、精神力だけでこの状態に行き着くには至難の業……。そこで綿本ヨーガスタジオでは、心と身体の関わりを熟知した上で、瞑想状態に近づくための身体の使い方をていねいに誘導しながら、一つひとつのポーズを深めることに重きを置いています。身体に働きかけて 『心に効かせる』 ヨガのクラス。ぜひ一度その心地よさを体験してみてください。

綿本ヨーガスタジオ公式HP
http://www.yoga.jp/

Information

綿本さん書籍

『綿本 彰のヨーガメソッド』

発行/NHKエンタープライス 発売元/ポニーキャニオン
3500円+税
119分

初心者、中級者、上級者など、レベルに合わせてオリジナルのプログラムを収録した、綿本さん渾身の作品。これ1枚で未経験者からインストラクターまで、楽しみながらヨガを深めることができます。各レベルごとに習得すべきポイントを綿本さんが解説してくれるので、実際に習っているような感覚です!

綿本彰interview #1:日本に初めてパワーヨガを持ち込んだ改革者 >>

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