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特集・コラム 2022-05-29

柔道整復師の需要は高い? 今後はどうなる? 気になる将来性を解説!

柔道整復師を目指そうと思っているけど、今後の需要や将来性について気になっているという人は多いのではないでしょうか?

実際柔道整復師は、接骨院・整骨院以外にも介護福祉領域や病院、スポーツトレーナーとしての仕事など、幅広い業界で需要がある職業です。

本記事では、柔道整復師の現状と将来について詳しく解説します。

柔道整復師の需要は高いの? 現状を紹介

柔道整復師は、医療系の国家資格の一つです。実際に需要がどのくらいあるか気になっている人も多いでしょう。そこでここでは、柔道整復師の現状について詳しく解説します。

柔道整復師の現状を紹介!

ここでは、柔道整復師の現状について、柔道整復師の資格取得者人数・施術所の数・平均年収と就職先という観点から解説します。

柔道整復師は何人くらいいるの?|柔道整復研修試験財団

日本にいる柔道整復師の数は、この10年で約2倍になりました。それは、日本社会で柔道整復師の活躍の場が大きく広がり柔道整復師を目指す人が増えてきたからです。令和4年3月31日時点での登録者数は、120,728名。

柔道整復師の人数が増えると同時に柔道整復師を必要としている施設も増えています。日本人口の高齢化で介護施設の需要が爆発的に増え、新規の高齢者向け施設が設立されたり、一般のスポーツ施設も増えたからです。

施術所はどれくらいある?|全国柔整鍼灸協同組合

柔道整復師が活躍している施術所は、全国柔整鍼灸協働組合が令和2年に実施した調査によれば、50,364カ所であることが報告されています。

平成30年のデータと比較すると施術所は287カ所増えて0.6%の増加率だったことも明らかにされています。つまり、施術所も増加傾向にあり需要が高くなっていることがわかります。

柔道整復師の平均年収はどれくらい?

柔道整復師の労働賃金(年収)の平均は423.4万円(令和3年賃金構造基本統計調査より)だったことが報告されています。ハローワークの求人統計データでは、求人賃金として月額25.7万円が平均。

役職や勤務地によっても異なりますが、リジョブの東京都の柔道整復師(正社員)の月給は18万円~100万円とかなりの差があります。

柔道整復師の需要は高い? なぜ求められているの?

需要が高まっている柔道整復師ですが、なぜ需要が高くなっているのか疑問に思っている人も多いでしょう。ここでは、柔道整復師の需要が高まっている理由について詳しく解説します。

柔道整復師の需要は高い|整骨院・スポーツ分野・病院など

柔道整復師は整骨院以外にもスポーツ分野や病院勤務など、自分のスキルを活かせる職場が増えてきています。

スポーツ分野でいえば、スポーツトレーナーには、ケガの予防や処置・リハビリなどを実施する役割もあり、柔道整復師のスキルを活かしやすいです。

病院などでも体力的な問題で手術することが難しい高齢者などにとって、手術をせずに施術できる柔道整復師は貴重な存在でもあります。

高齢化社会により求人数も増加|機能訓練指導員・リハビリテーションなど

柔道整復師は高齢化社会による求人増加も、需要が増えている理由の一つです。その中に、機能訓練指導員の配置義務やリハビリテーションの需要増加などが背景にあります。

機能訓練指導員とは、リハビリの指導・メニュー考案をする専門家のことで、体の仕組みや構造に精通していなければなりません。

その中でも柔道整復師は、捻挫・打撲・骨折といった症状に精通した知識・技能を有しているため、骨折後のリハビリテーションには、適した人材だといえます。

また、機能訓練指導員は、特別養護老人ホームやデイサービスを提供している事業所では、規定人数以上を配置する義務もあり、日本人口の高齢化に伴って需要が増えています。

機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容については下記の記事を参考にしてください。

機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容とは|柔道整復師の機能訓練指導員は需要がある?

リジョブケア

今後はどうなる? 柔道整復師の気になる将来性を解説

柔道整復師の将来性は気になっている人も多いのではないでしょうか。ここでは、柔道整復師の需要増加に伴う将来性について詳しく解説します。

1. 介護や福祉分野でますます需要増加|高齢化率は28.8%

柔道整復師は介護・福祉分野で活躍できる職業の一つですが、今後の高齢化にともなってさらに需要が高まることが予想されます。

内閣府が出している令和2年版高齢社会白書によれば、高齢化率(総人口に占める高齢者の割合)は28.4%とされています。(2019年10月1日時点)

令和47年(2065年)の日本を推計したデータによれば、65歳以上の人口は今後増加傾向が続き、令和24年(2042年)に65歳以上の人口は3,935万人とピークを迎えます。

そして、令和47年(2065年)には高齢化率が38.4%にも達し国民の2.6人に1人が65歳以上の人になる社会が到来すると予測されています。

そのため、今後介護・福祉領域において柔道整復師は活躍の場が多くなるでしょう。

2. 健康関連分野は世代を問わず一定の関心がある

高齢化だけではなく、健康関連分野は世代を問わず一定の興味・関心がある領域です。トレーニングやリハビリテーションなどの需要は著しく低くなることは今後あまりないでしょう。

3. スキルを活かせる分野がさらに拡大していく|スポーツトレーナーなど

スポーツトレーナーは、柔道整復師が骨折・打撲・脱臼などの処置をする人という場所から、華々しい場面へと仕事が広がる職種です。

スポーツというと、以前は「根性」だの「努力」だのと精神的な面が重要とされていましたが、最近のスポーツ業界では、精神論ではなく合理的で科学的なトレーニング方法が積極的にが取り入れられるようになっています。

そんな近代スポーツで選手を支える重要な役割を持つことで注目を集めているのが、スポーツトレーナーです。

優秀なスポーツトレーナーになると、選手以上に注目される場合もあります。柔道整復師はリハビリやトレーニングなどの専門家ですから、スポーツトレーナーにはぴったりです。

4. 資格を活かしてキャリアを積める|技術と経験を活かして独立開業も

柔道整復師としてのキャリアを極めれば、独立開業というこれまで身に付けた技術と経験を活かせるようにもなります。

施術の幅を広げる上で、鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師なども併せ持てると、施術の幅も広がり幅広いお客様を集客することにもつながります。

ただし、独立開業をする場合には、柔道整復師としての知識・技能だけではなく経営者としての能力も必要です。

下記に柔道整復師が開業するために必要なことについて解説してあるのでご覧ください。

柔道整復師が開業するために必要なこととは? 開業までの流れを解説!

求められる柔道整復師となるために必要なこととは?

引くて数多な柔道整復師になるために必要なこととは何でしょうか。ここでは、柔道整復師としてキャリアアップを目指す上で必要なことについて詳しく解説します。

スキルを磨く|技術+コミュニケーション

柔道整復師としてキャリアアップを目指す上で大切なことは、スキルを磨くことです。施術の技術ももちろん必要ですが、患者さんの声に耳を傾けたり適切なアドバイスができるようなコミュニケーションスキルは欠かせません。

独立開業を目指すなら|経営についても学ぶ

柔道整復師として独立開業を目指すのであれば、技術・コミュニケーションスキルに加えて経営について学ぶことはとても大切です。

周囲の柔道整復師がいる施術所と競合になりながらも、お客様を獲得し経営することが求められるからです。

集客や施術技術以外にも、店舗管理の知識や人・物・金のマネジメントなどの知識も必要になってくるので、独立開業を目指すのであれば柔道整復師としての知識以外にも幅広い知識・スキルが必要になります。

仕事の幅を増やすには|役立つ資格取得もおすすめ

柔道整復師としてキャリアアップをするためには、他の資格を取得することもおすすめです。ここでは、おすすめの資格の1つとして鍼灸師があるので、詳しく紹介します。

国家資格|鍼灸師

鍼灸師は、経穴(いわゆるツボ)を針などを使って刺激を与えることで身体の持つ力を活性化させる施術を行う専門家をさします。

鍼灸師の仕事では、鍼・灸を使ったり、線赤外線・赤外線レーザーや低周波通電などを使って身体の調子を整えます。

鍼灸師は国家資格として位置付けられていて、はり師ときゅう師の二つにわけられています。柔道整復師と併せて資格を持つことで施術の幅が広がるので、自分自身のキャリアアップにつながりやすくなります。

鍼灸師についての詳しい内容は下記の記事をご覧ください。

鍼灸師とは? 仕事内容と資格について解説|鍼灸師を目指せる学校を紹介!

柔道整復師は需要が高く将来性もあるお仕事!

柔道整復師は需要も高く将来性もある仕事です。人口高齢化にともなって、柔道整復師の活躍できる幅は整骨院・接骨院だけに限らず、介護・福祉領域や病院などへも広がりつつあります。

今後も求められる柔道整復師になるためには、日々スキルを磨いたり仕事の幅を広げるために別の資格をとることなども大切です。

本記事を参考にしながら、より活躍できる柔道整復師を目指してみてください。

引用元
公益財団法人柔道整復研修試験財団:2.柔道整復師免許証の登録事務

全国柔整鍼灸協働組合:柔道整復師 施術所に関する統計(平成30年度ー令和2年度)令和2年衛生行政報告より集計

内閣府:令和2年版高齢社会白書第1章 高齢化の状況(第1節 1)

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