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ヘルスケア 2021-05-23

通院できない産後ママを手助けする出張整体の魅力【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.30 「ママの骨盤矯正」南 絢子さん】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、産後の骨盤矯正&整体を専門に出張施術を行っている「ママの骨盤矯正」で働く南 絢子さんにインタビュー。産後ママ専門という現在の働き方から、ご自身も一児のママである南さんの、仕事と育児の両立について教えていただきました。

また、鍼灸師の資格を持ちながら、整体師として働く理由についてもお聞きします。女性のライフステージに合わせた、ヘルスケア業界での働き方のひとつとして、ぜひ参考にしてみてください。

教えてくれたのは…

「ママの骨盤矯正」
鍼灸師 南 絢子さん

鍼灸接骨院で働きながら鍼灸師の資格を取得後、「ママの骨盤矯正」に入社。2歳の女の子のママ、現在妊娠9カ月。産後ママの気持ちと身体に寄り添った施術が人気。

自分もママになり、よりお客様に共感できるように

産後ママ専門の出張整体「ママの骨盤矯正」で働く南さん。
第二子出産を控え、出産を心待ちにしていました

―まずは、「ママの骨盤矯正」でのお仕事について教えてください。

「ママの骨盤矯正」は、産後のママを対象にした、出張型の整体です。働きはじめて7年になります。

現在は妊娠中で、施術には入っていませんが、妊娠前の通常業務では、1日2~3名、おひとり1~2時間くらいの施術を行っていました。お客様のご自宅にお伺いする形態なので、移動時間がある分、1日でたくさんの方を担当するのは難しいんです。

ただ、その分、1人の方に集中し、時間をかけて施術ができるのは、出張型のいいところだなと思います。

私も2年前に出産を経験。産後のママであるお客様との会話がさらに弾むようになりましたし、共感もできるようになりました。施術中は、隣で赤ちゃんが寝ていたり、授乳やおむつ替えをされる方もいます。そういう点でも、施術者がママなのは、お客様の安心材料になると思います。

―妊娠中、働き方は変わりましたか?

妊娠初期からは時短勤務で、受付業務や事務作業、新しく入った先生方への研修などを行っています。

出産後、仕事復帰したときはすごく不安でした。今は時短で働かせていただいていますし、夫の協力もあり、時間的な余裕も少しだけできてきました。

―育児との両立という面で、出張型は大変なんでしょうか。

子どもがいると、どうしても急な休みや早退が必要な場面も出てきます。そういう面では、すぐに他の先生に代わってもらえる店舗型のほうが、子どもが小さいうちはいいのかなと思います。

また、出張の場合は移動時間もありますから、毎日同じ時間に家を出るわけではないんです。移動に2時間かかることもあるので、そういう身体的な負担は、少し感じる部分ではあります。

続けられるのは、会社と夫のサポートがあるから。そして、自分と同じ産後のママたちの力になれていると感じられるからだなと思います。

資格はツール。
お客様にとって重要なのは「しっかり身体をみてくれるか」

国家資格を持つ女性施術者が働いている「ママの骨盤矯正」。
「資格があると、初めてのお客様にも
信頼していただきやすいのかなと思います」

―南さんは鍼灸師の資格をお持ちですね。資格を取ろうと思ったきっかけは?

中学・高校とバスケットをしていたんですが、高校生のときに、突然股関節が痛くなったことがあったんです。次の日の練習試合に出たくて、友人が通っていた鍼灸接骨院を紹介してもらって、藁にも縋る気持ちで行きました。

電気治療など、いろいろしても変わらず、最後に鍼を試すことになりました。結局その日は何も変わらなかったんですが、次の日起きたらパッと痛みがなくなっていて!それに感動して、興味を持ち始めました。

―在籍されている「ママの骨盤矯正」では、整体的施術がメインかと思います。 このお仕事を選んだ理由は?

鍼灸接骨院で働いているうちに、施術以外のコミュニケーションの部分の大切さを感じるようになりました。心がほぐれていくだけで、身体もほぐれる方が、たくさんいらっしゃって。もっとじっくりお話を聞いて、お客様の要望にあった施術を時間をかけてしたいという気持ちが出てきたんです。

また、私の場合、女性のお客様を担当する機会が多かったのですが、産後のママさんからの依頼もよくありました。そこで感じたのは、みなさん忙しそうで、「通って欲しいけど、現実的には難しそうだな」ということでした。だから、自宅に出張できて、お力になれるという「ママの骨盤矯正」に、すごく魅力を感じたんです。

もちろん、鍼を打つことは基本的にないので、鍼灸師の資格は、ほとんど出番はありません。とは言え、資格を取る過程で学んだこと、培った経験は生きているなと思います。

―鍼灸と整体で、ギャップはありましたか?

鍼灸の効果にあこがれて、ヘルスケア業界に入りましたが、お客様のイメージとして、鍼灸へのハードルの高さをよく感じました。痛い、怖いというイメージがあるのか、実際に受けてみる方は少ないんです。入り口として、整体のほうが始めやすいんだなというのは、すごく感じます。

お客様は、整体師や鍼灸師、柔整師の違いというのは、あまり意識されていません。もちろん、資格を持っているという安心感は大きいと思います。でも大切なのは、しっかり自分の身体を見てくれて、心地よくしてくれるかどうかなんだということを感じました。だから、資格に関しては、あまりこだわらず、自分の持っているツールとして考えるようになりました。

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なかなか店舗に出向けない産後ママのサポートを掲げている「ママの骨盤矯正」。南さんも、産後のママに寄り添えることに、大きな魅力を感じ、働き始めたそう。出張だからこそ、自宅から出られない産後ママに定期的なケアができるんですね。施術者がママであることが強みになるのも、顧客を産後ママに特化していることの大きなメリットと言えそうです。

次回は、そんな南さんが今感じているお仕事の魅力と、「産後ママ専門」のビジネスとしてのメリットについて教えていただきます。

▽#2はこちら▽
コミュニケーション能力があれば即戦力になれる【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.30『ママ専門整体』南 絢子さん】>>

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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