柔道整復師の年収はどれくらい？ お給料をUPさせるためにはどうすればいいの？
柔道整復師を取得するために勉強している方やすでに取得している方のなかには、年収が気になっている方もいるでしょう。今回は、求人情報をもとにした年収や給料をUPさせるためのポイントをご紹介します。柔道整復師資格をもつ方、進路を考えている方は参考にしてくださいね。
柔道整復師はどんなところで働いているの？ 平均年収や給料はどれくらい？
そもそも柔道整復師の資格を取得した方たちは、どんなところで働いているのでしょうか。ここでは、おもな勤務先、そして平均年収や給料など、求人情報からチェックした情報をご紹介します。
みんなどんなところでお仕事してるの？｜接骨院や整骨院・整体院など
柔道整復師の資格をもつ方はどこに勤めているのでしょうか。おもな勤務先は、以下の種類にわけられます。
○一般的な接骨院や整骨院
整骨院での施術および補助スタッフです。柔道整復師をもっている方の就職先としてもっとも想像しやすい場所でしょう。業務内容はおもに訪れた利用者に対しての手業による施術の提供ですが、種類の傾向は院によって異なり下記の事例があります。
・おもにケガからの復帰を目指すリハビリテーションを重視している
・エステティシャンとしてのサービス提供も実施
・スポーツ経験者やアスリート選手を重視した整骨院
また、複数院を展開する企業もあれば、勤務先がひとつに限定されているケースもみられます。施術内容は自費診療だけとは限りません。院によっては、交通事故による自賠責に対応した施術が対応範囲に含まれます。
○整体院
柔道整復師の資格が必要な接骨院や整骨院とは異なり、整体院は柔道整復師の資格がなくても開業できるため、施術は基本的には保険適用外です。保険診療ではありませんが、提供内容として手業を提供している整体院は柔道整復師を募集している場合があります。
○整骨院、鍼灸整骨院、整体院（店長）
整骨院のなかには、一般的なスタッフではなく店長や店長の候補となる人物を求めている求人もあります。院の運営やスタッフ育成なども業務に含まれますので、将来的に独立を考えている方、フランチャイズのオーナーを目指す方は目的に向けた経験を積めるのが特徴です。
○デイサービス
介護が必要な方が入院や入所ではなく、自宅の生活を続ける際に通院するデイサービス施設も柔道整復師の就職先に含まれます。訪れる利用者に対して提供するのは健康チェックや機能訓練、レクリエーションなどが中心です。しかし、ほかにも健康維持のためヨガやエステ整体をおこなう施設もあり、整体の担当スタッフとしての募集があります。
○美容サロン
若々しさを保つ方をターゲットにしたサロン施設が募集しているケースです。柔道整復師がおこなう整復や骨つぎなどを提供するのではなく、サービスの一環として提供するマッサージに柔道整復師としての経験を活かすことになります。
柔道整復師の月給相場と平均年収とは？
2021年4月9日時点のリジョブにおける東京都での柔道整復師正社員の月給の平均給与は35万円、最低額は18万円となっていました。この平均給与から算出すると、賞与の有無で年収は下記のとおり変動します。
賞与なし：423.6万円
賞与1回（1カ月分）：458.9万円
賞与2回（各1カ月分）：494.2万円
賞与2回（各2カ月分）：564.8万円
また、最低月収18万円の場合で賞与なしの場合216万円となるため、初任給で院によっては200万円台となる方もいるでしょう。しかし、上限を見ると40万円や50万円、なかには平均の倍以上の金額を提示している求人もあるため、技術のある方は就職先によって収入を大きく上げられる可能性があります。
もっと上を目指したい！ お給料をUPさせる6つの方法を解説
院によっては、平均の倍以上の金額を設定しているところもあります。続いては、収入を増やすポイントを確認しておきましょう。
1. 歩合制に変更して働く
給料が歩合制でない場合、歩合制に変更することで給与金額UPにつなげられます。利用者から担当者として、自分を指名された際に指名手当として計算されるのが歩合制です。歩合制の方式は、ふたつにわけられます。
・完全歩合：給料のすべてが歩合のみで構成される
・歩合手当：基本給があり、歩合は追加手当として支給される
・ボーナス：歩合分がボーナスとして計算され、支給される
完全歩合制の場合、自分を指名してくれる顧客をつかめないと月給が減ってしまいますが、技術や接客対応などで人気が高くなれば収入を大きく上げられます。歩合手当で追加される場合にはあらかじめ基本給が用意されているため、顧客をつかむまでに時間がかかる方も収入が無くなり、困るようなことはないでしょう。現在の職場が歩合制を採用し、選択制の場合には顧客をつかんでいる状態で給料体系を変更できるため、短期間ですぐに収入アップができます。
2. 機能訓練指導員として活動の場を広げる
柔道整復師の資格をもつ方は、機能訓練指導員として働けます。整骨院や接骨院のスタッフではなく、機能訓練員として働くのも収入を上げる方法のひとつです。
機能訓練指導員は柔道整復師のほか、鍼灸師や看護師、理学または作業療法士の資格をもつ方しかなれません。なかには機能訓練指導員を配置しなければならない施設もあるため、リハビリセンターといったデイサービス施設などがおもな職場となります。
基本的に薬剤の使用や切除せずに施術を提供するのは同じですが、整骨院や接骨院とは異なる仕事内容のため、注意が必要です。医師の指導によるリハビリではなく、介護支援専門員の作成するケアプランに沿って利用者の機能回復を目指す専門員となります。勤務する施設によっても内容は異なりますが、医療施設であれば医療に関連したサポート内容が多くなり、デイサービスはレクリエーションなどが多くなる傾向です。
3. 専科教員の免許をえる
国家資格である柔道整復師は、教育する学校に柔道整復師専科教員を設置しなければいけません。つまり過去の勤務経験を活かして学校で教える側に回り、収入をアップさせる方法です。とくに柔道整復師以外にもなりたい職業の候補として、教師を考えていた経験のある方に向いています。
4. 施術の幅を広げる資格を取得する｜鍼灸師
柔道整復師以外にも資格を取得して、業務の幅を広げるのも年収増加につながります。すでに整骨院や接骨院で勤務している方は認識している方もいると思いますが、柔道整復師の資格を活かす仕事はほかの分野もかかわってくる施術です。とくに整骨、接骨院に加えて鍼灸院としての施術を提供する院も少なくありません。
【国家資格】はり師・きゅう師
鍼灸師は名前のとおり、鍼やお灸を使用した施術を提供する際に必要な資格です。リハビリテーションの知識なども必要で、柔道整復師の資格を取得する際に勉強してきた内容がそのまま役立ちます。現在勤めている院が鍼や灸の施術を提供しているケースならば、資格を取得するだけで転職せずに新たな業務を担当できるようになるため、転職する必要はないでしょう。
5. 条件に合う職場に転職する
現在の業務内容をそのまま続けながら給料をアップさせたいと考えている方は、給料の条件や勤務体系など自分の希望に沿った院に転職するのも選択のひとつです。柔道整復師の方が活躍できる職場はコンビニエンスストアと同程度ともいわれているため、同じ仕事内容で歩合制や基本給の条件がよい場所を見つけられる可能性があります。
新規利用者が多く訪れる街中央にある院と、常連利用者が多い少し離れた場所にある院では指名を取れる割合も変わってきますが、どちらの方が多く取れるかは一概にはいえません。仕事内容がある程度変わっても大丈夫という方は、整骨院や接骨院から医療施設やリハビリセンター、スポーツ施設など別ジャンルの職場も視野に入れてみましょう。
6. 独立・開業する
自分の技術や院の運営に自身がある方は、独立して開業するという方法もあります。柔道整復師の資格に加えて、施設管理者としての研修を受けるのが開業に必要な条件です。基本的に経費以外はすべて自分の収入となるため、多くの顧客をつかめる方なら収入を大きく増やせるでしょう。
しかし、最低保障のあるスタッフとは異なり、まったく顧客がいなければ収入もなくなってしまうので簡単に増やせるとは限りません。あらかじめ綿密に計画を立てておく、資格を取る際に学んだ学校に相談するなど念入りな準備が必要です。
自分に合った方法を選んでお給料UPを目指そう！
柔道整復師の年収は、200万円台から500万円台と務める院や経験によって異なります。収入を増やしたい方は歩合制に変更したり、転職したりといった方法のほかにも、機能訓練指導員や専科教員になるという選択もあるのです。
また、ほかにも別の資格を取得し、業務の幅を広げるなどさまざまな選択ができるので、自分に沿った方法で収入を増やしましょう。
参照元：
公益社団法人 全国柔道整復学校協会 教員になるための各分野別資格
森ノ宮医療学園専門学校 鍼灸師のお仕事
厚生労働省 はり師国家試験の施行
厚生労働省 きゅう師国家試験の施行
