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特集・コラム 2023-07-21

作業療法士になるための最短ルートは?仕事の魅力とおすすめな学校の選び方を紹介

作業療法士は、心身のサポートを必要とする方に対して、日常的な運動動作の獲得のほか、就学や就職、地域コミュニティへの参加といった、社会適応のサポートをしていく仕事です。

しかし、「作業療法士になりたい」と考えている方の中には、「作業療法士になるためにはどうすればいいのだろう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

今回は、作業療法士になるための最短ルートや、作業療法士として働く魅力、学校選びの方法を知り、作業療法士になるための具体的なルートを確認しましょう。

作業療法士になるには?具体的なルートを紹介

作業療法士になるまでには指定された養成校で最低でも3年以上のカリキュラムを修了する必要があります。受験要件を得るための最短ルートとその仕組みについて見ていきましょう。

養成課程で3年以上学ぶことで受験資格を得られる

3年〜4年間の作業療法士の専門カリキュラムを修了することで、作業療法士国家試験の受験資格が得られます。2022年の時点で、日本全国には国が指定した208校の大学や短大、専門学校などの作業療法士養成施設があります。

作業療法士国家試験を受験する

3年以上の専門カリキュラムを修了したら、今度は作業療法士国家試験を受験します。試験は筆記試験で構成されており、2022年度に実施された第58回作業療法士国家試験では下記のような問題が出題されました。

・一般問題・・・解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

・実地問題・・・運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法

ただし、重度視力障害者については、口述試験及び実技試験にて、筆記試験の実地問題に代えて同じ科目の試験がおこなわれます。

引用元
厚生労働省:作業療法士国家試験の施行

同じく第58回作業療法士国家試験の合格率は83.8%となっており、きちんと準備をすれば合格を目指しやすい試験だということがわかります。

引用元
厚生労働省:第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について

幅広い就職先から自分に合った仕事を選ぶ

作業療法士の就職先には、医療や介護、福祉の分野だけでなく、教育や保険、労働、司法といった分野の職場も挙げられます。

・医療:一般病院、クリニックなど
・福祉:児童発達支援センター、障害福祉サービス事業所など
・介護:介護老人保険施設、訪問リハビリ施設など
・労働:ハローワーク、就業・生活支援センターなど
・保険:保健所、地域包括支援センターなど
・教育:特別支援学校、教育委員会など
・司法:刑務所、保護観察所など

引用元
一般社団法人 日本作業療法士協会:作業療法士になるには

数ある就職先の中から、自分に合った就職先を見つけられるのが魅力です。

作業療法士として働く4つの魅力

作業療法士として働く魅力は、利用者の心身をサポートできる点や将来性がある点、受験要件を満たせば社会人からでもチャレンジできる点です。

作業療法士として働く上での魅力を再確認しましょう。

1.利用者の心身を全面的にサポートできる

作業療法士は、利用者一人ひとりに寄り添いながら、基本動作や応用動作のリハビリをサポートし、就学や就業、地域コミュニティへの参加までサポートする仕事です。

怪我や病気で身体的な運動動作の回復を目指す利用者と一緒になって、将来的に自立した生活を送るためのメンタルケアも施していきます。

一人ひとりに寄り添った心身サポートができるので、利用者から感謝の言葉をもらう機会も多く、やりがいのある魅力的な仕事だといえるでしょう。

2.特定の領域に特化して専門性を深められる

作業療法士の資格を取得したあとも職場経験を積み、スキルアップに向けた資格勉強をしていく中で、自分がやりたいことを見つけて専門性を高め、キャリアアップを目指せます。

専門資格を取得することで、職場において責任のある役職を任されたり、転職をする際の武器になり、よりよい条件の職場に転職できたりする可能性が高まるでしょう。

3.高齢化社会において将来性が見込める仕事

高齢化社会が進んでいる日本において、心身のリハビリを必要とする高齢者をサポートする作業療法士の仕事は、今後ますますニーズが高まっていくと予想されます。

内閣府の統計によれば、2019年時点で日本における65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は28.4%です。2036年には33.3%、2065年には38.4%となると予想され、高齢化に伴う作業療法士のニーズは高まっていくことが見込まれます。

引用元
内閣府:令和2年版高齢社会白書

4.社会人からでも挑戦できる

作業療法士は、受験要件さえ満たせば社会人からでも挑戦できるのが魅力です。3年以上の専門カリキュラムを修了すれば、社会人として作業療法士を目指せます。卒業後の就職サポートや奨学金制度が充実している学校を選べば、よりチャレンジしやすいでしょう。

作業療法士になるには?おすすめの学校選びの方法

作業療法士になるためには、自分の学習スタイルに合っている学校や、合格実績・就職実績がある学校を選ぶのがおすすめです。学校選びの基本的なポイントをおさえて、国家試験に合格し、希望する職場への就職を実現しましょう。

1.自分の学習スタイルに合った学校を選ぶ

学校選びをする際は、自分が通学しやすく、学習を継続しやすい学校かどうかを基準に考えましょう。作業療法士の学校には昼間課程だけでなく、夜間課程を実施している場所もあります。また、臨床実習や研修など、実践的なカリキュラムが多い学校もあります。

夜間課程であれば、昼間は本業があって忙しい方でも通いやすいので、社会人から作業療法士を目指したいという方にもピッタリです。

また、職場で即戦力として働けるスキルを身につけたいなら、臨床実習や研修が多い学校かどうかをチェックするのがおすすめだといえます。

自分のライフスタイルや目的に合った学校選びをしていきましょう。

2.国家試験の合格率が高く、就職実績のある学校を選ぶ

作業療法士国家試験の合格率が高く、就職実績が豊富な学校は、信頼性があります。

作業療法士になるためには、国家試験に合格しなければなりません。そのため、在籍者の国家試験合格率が高いかどうかは、学校選びをする上での重要な基準の一つです。

また、就職実績が豊富な学校かどうかも重要な指標だといえます。自分が就職を希望する職種や業種への就職実績が豊富な学校選びをするのがおすすめです。

3.奨学金や優遇制度を利用できる学校を選ぶ

作業療法士になるための学校を選ぶ際は、学校が設けている奨学金や学費の減免制度など、金銭的な負担をおさえられる学校選びをするのが大切だといえます。金銭的な負担が少なければ、気軽に作業療法士になるためのチャレンジが可能です。

社会人から作業療法士になる方法とは

社会人からでも、作業療法士を目指すことは可能です。国から指定された作業療法士の専門カリキュラムを修了して、作業療法士国家試験に合格すれば作業療法士になることができます。

大学で4年間、短大で3年間、専門学校で3〜4年間のカリキュラムです。

働きながら作業療法士を目指すなら、夜間制の学校を選ぶ方法があります。しかし、短期間で効率よく知識や技術を身につけるなら、社会人が利用できる奨学金や学費の減免制度のある3年制の専門学校を選ぶといいでしょう。

作業療法士になるための最短ルートを知って、希望する職場に就職しよう!

作業療法士になるための最短ルートは、短大や専門学校で3年間の専門カリキュラムを修了してから、作業療法士国家試験に合格するルートです。

高い確率で作業療法士になるためには、自分のスタイルに合っていて、国家試験の合格率が高く、就職実績が豊富な学校を選ぶのがおすすめだといえます。

奨学金・学費の減免制度がそろっている3年制の専門学校を選べば、社会人でも作業療法士を目指すことは充分に可能です。作業療法士になるための最短ルートを確認して、希望する職場への就職を実現しましょう。

引用元
一般社団法人 日本作業療法士協会:作業療法士になるには
厚生労働省:作業療法士国家試験の施行
厚生労働省:第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について
内閣府:令和2年版高齢社会白書

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