美容師になるには何が必要?資格や平均年収、活躍の場などもまとめて解説

「美容師になるには美容学校を卒業すれば良い」というイメージはあれど、具体的にはどのようなルートで美容師になるのかははっきり理解できている方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、スタイリストとアシスタントの違いから平均年収、美容室以外の活動の場所などを含めて紹介します。

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美容師になるには国家資格が必要

美容師になるには国家資格が必要で、国家資格のための試験を受けるには所定の養成施設を卒業する必要があります。

美容学校を卒業し美容師の国家試験の受験資格を得る

美容師免許の国家試験を受けるための受験資格としては、次のことが求められます。

「高等学校を卒業した後、都道府県知事の指定した美容師養成施設で昼間課程2年、夜間課程2年、通信課程3年以上(修得者課程においては、昼間・夜間課程で1年、通信課程で1年半以上)にわたり必要な学科・実習を修了」

引用元
美容師法の概要 |厚生労働省

つまり、定められた美容師学校で必要な内容を学習して卒業すれば、受験資格を得ることができます。

では、下記で美容学校での学び方の種類を見ていきましょう。

昼間課程

昼間課程とは、朝から夕方までの日中の時間帯に学校に通う形式です。必修科目1,410時間以上、選択必修科目600時間以上を、週5日×2年間でみっちり学ぶことができます。

昼間課程では、国家試験合格に向けて必要な知識や技術をしっかり習得できるのがメリット。ただし、その分学費は他の学び方に比べて高額になりがちです。

引用元
美容師養成施設の教科課程の基準|厚生労働省

夜間課程

夜間課程は、夕方から、もしくは夜に授業が行われる形式。昼間に仕事をしている人でも両立しやすい学び方です。最低2年、学校によっては2年と数カ月かけて、必要な内容を学んでいきます。学費は昼間課程よりも安めの傾向です。

通信課程

通信課程は、レポートとスクーリングによって自分のペースで所定の内容を学習する形式です。日本理容美容教育センタ―によって課されるレポート課題を提出したり、養成施設で面接授業(スクーリング)を受けたりしながら力をつけていきます。

学習期間は3年以上と昼間・夜間課程に比べて長いですが、学費が大変安く、また自分のタイミングで学習を進められることが魅力。ただし、自分の力でコツコツ勉強する根気が必要です。

引用元
通信教育の場合|日本理容美容教育センタ―

高等専修学校

高等専修学校は、高校卒業相当の資格と美容師試験の受験資格を同時に得ることができる学校。美容師に必要な科目だけでなく、一般的な高校の授業内容も学べるため、中卒・高校中退者でも入学することが可能です。

卒業までの期間は2~3年程度。しっかり学んで必要な内容を身につけ、美容師試験合格を目指しましょう。

関連記事
美容師を目指せる高校とは? 高等課程のある専門学校と通信制高校を紹介 | モアリジョブ

美容師の国家試験で合格する

美容師学校を卒業し受験資格を得たら、次は国家試験を受けて合格することで美容師になることができます。

試験内容は、筆記と実技の2種類。筆記試験は、人体に対して施術する行為であることから感染症や衛生管理、人体の構造や機能、皮膚科学といった内容から、関連する法案や制度、物理・化学、美容理論などが出題されます。

実技試験は、ウィッグを使った美容師としてのスキルのテストです。課題は「カッティング」と「セッティング」の2種類に分かれており、「カッティング」では20分以内にレイヤーカットができるかが問われます。

「セッティング」では、ワインディング(20分以内に4種類60本以上のロットを20分以内に巻けるか)と、オールウェーブセッティング(25分以内にオールウェーブができるか)の2つのうち、いずれかが試験前に発表される形です。

また、実技試験中に「衛生実技試験審査」も並行してチェックされており、安全に配慮し、ふさわしい服装・用具で、試験後の衛生的処理が見られます。

国家資格を取得したら美容院でアシスタントとして研修を積む

美容師にはアシスタントとスタイリストがあり、実際にお客様に対して施術ができるのがスタイリストです。スタイリストに対してアシスタントは、スタイリストのサポートをメインに担当する下積みに該当します。

美容学校を卒業すれば美容院で働くことができますが、お客様に施術するためにはまずこのアシスタントで研修を積む必要があるのです。そこでここではアシスタントの業務内容についてとスタイリストのなり方について紹介します。

アシスタントの業務内容

アシスタントの業務内容は、主に「美容室の雑務全般」です。お客様のご案内や予約の受け方、道具の準備や洗浄方法、清掃方法といった雑務をこなしながら、美容師としての接客応対や仕事の流れ、付随する事務作業、会計の仕組みなどをおぼえます。

アシスタントとして先輩スタイリストについて回ることで技術を学び、練習を積むことでシャンプーやカラーリングの準備といった、実際にお客様に接する業務も任せてもらえるようになるため、地道に見える作業も一つひとつ丁寧にこなしましょう。

アシスタントが雑務を担当してくれるからこそ、スタイリストは自分の仕事に集中できるので、美容院にとって欠かすことができない存在でもあります。

アシスタントとして研修後スタイリストに

一般的には、アシスタントとして研修した後にスタイリストに昇格することができます。

スタイリストもアシスタントも、資格上はどちらも「美容師」。美容師免許の国家試験に合格した時点で、美容師を名乗ることが可能です。しかし、スタイリストとアシスタントには違いがあります。

スタイリストは、カットやカラー、パーマといった美容室で設定されている全てのメニューを最初から最後まで一人だけでこなすことができ、お客様を担当可能な経験とスキルを持った美容師を指します。

一方でアシスタントは、カットやカラー、パーマなどのスキルが美容室の基準を満たしていないため、一人でお客様を担当することができないと見なされている場合が多いです。

スタイリストによる指示が必要と美容室でみなされていることが多いので、スタイリストのサポート全般を担当する美容師をアシスタントとして位置付けていることが一般的。

スタイリストになるためには、アシスタントとしてスタイリストのサポートをしながら研修を積むことが必要です。

スタイリストになるためには

スタイリストになるためには、約2〜4年(平均3年程)でスタイリストとして独り立ちすることが多いです。もちろん人や美容室によって技術習得のスピードも基準も異なります。

アシスタント期間は長いというイメージがありますが、最近では短期間でスタイリストとして即戦力にする美容室も増えているので、勤務する美容室によってアシスタントの期間は大きく変わります。

アシスタントをしながら技術力とコミュニケーション力を磨き、美容室業務のイロハを学んで美容室から認められると、昇格試験を受けることが可能に。

昇格試験は美容室ごとに独自の基準で開催されていることが多く、この昇格試験をクリアできるとスタイリストになれます。

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美容師の平均年収は約330万円

厚生労働省が提供している「賃金構造基本統計調査」の令和4年の結果から示されたデータによると、美容師の平均年収は330.1万円です。

あくまでも平均値であり、1,000万円を超える美容師も実在していることから、勤務先やスキル、働き方によって年収には大きなちがいがあることも付け加えておきましょう。

引用元
美容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

美容師の平均月収は25.1万円

年収と関連して、ハローワークの令和4年度の求人統計によるデータでは、美容師の平均月収は25.1万円であることも公表されています。なお、類似する職業として、理容師は28.1万円と美容師よりも高く、エステティシャンは22.7万円と美容師よりも低い結果でした。

引用元
美容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
理容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
エステティシャン – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

美容師のアルバイトは時給1,000円前後・派遣社員は1,300円前後

求人の統計データによると、令和5(2023)年7月時点で、美容師のアルバイトの平均時給は1,000円程度で、パートや派遣社員の平均時給は1,300円前後程度です。

働く地域にもよりますが、市区町村が定める最低賃金を下回ることはないものの、他の業界も含めたアルバイトの時給よりも低い水準です。

もちろん、勤務時間・勤務場所などによって時給には違いがあるものの、アルバイト・派遣社員の時給はあまり高いとはいえません。

美容師の活躍の場は美容室だけではない

美容師免許を取得してから、実際にお客様を施術できる美容師になるまでには、たくさんの研修が必要であることを紹介してきました。

一人前の美容師になったあと、一生美容室で働くことだけがキャリアパスではありません。最近では店舗の業態も細分化されており、自分の特性に応じてさまざまな場所で活躍できるようになりました。

ここでは、美容師が活躍できる美容室以外の場所について紹介します。

トータルビューティーサロン

美容師が活躍できる勤務場所として、トータルビューティーサロンがあります。

「ネイルもエステも、まつエクもして欲しい」というお客様のご要望にお応えするのがトータルビューティーサロン。カットやカラー、パーマといった一般的なスキルの他に幅広いスキルと技術が必要とされる勤務先といえます。

ヘアカット・ヘアカラー専門店

美容師が活躍できる勤務場所として、ヘアカット・ヘアカラー専門店があげられます。ヘアカット・ヘアカラー専門店とは、カットやカラーに特化したサロンです。

カットならカット、カラーならカラーに特化しているからこそ施術時間が短く、料金もリーズナブルであることが特徴。予約不要でフラッと来店できることから、1日に担当するお客様の人数が多くなります。

結婚式場・テレビ局など

美容師は、専属ヘアメイクとして所属することもできます。テレビ局であれば有名人のヘアメイクを担当することもあり、自分の技術をこういう形で生かすこともできるのです。

また、七五三などを撮影するフォトスタジオから専属のへアイメイク担当者の求人が出ていることもあります。

美容師は将来性がある仕事

美容師の仕事であるヘアカットやヘアセットは機械化が難しく、今後もニーズが衰えることはないと考えられています。美容室の数も増加傾向にありますが、競争が激化しているため、生き残っていくための施策が必要です。

若い世代が減少し高齢化が進む時代にあっては、高齢者の自宅や介護施設などを訪問してサービスを提供する「訪問福祉美容師」の需要が高まっています。

また、日本人の行き届いたサービスは海外での評価も上々で、グローバル化により活躍の場を海外に広げることも夢ではないでしょう。

美容師免許とあわせて取得を目指したい資格

ここからは、美容師におすすめしたいその他の資格を紹介します。あわせて取得することで、スキルアップやキャリアアップに役立ち、より幅広く活躍できる可能性も高まるでしょう。

関連記事
美容師におすすめな資格の種類とは?仕事の幅が広がる資格を紹介!

管理美容師

管理美容師とは、美容室の衛生管理のために必要な資格。美容師法において下記のように定められており、該当する美容室には必須の存在です。

「美容師が常時複数いる美容所の開設者は、美容所の衛生管理の責任者として管理美容師を置かなくてはならない。
なお、管理美容師は美容師歴3年以上の者であって都道府県知事が指定した講習会を修了した者でなくてはならない。」

引用元
美容師法の概要 |厚生労働省

3年以上美容師として働いていれば受講資格があり、指定の講習を受けることによって取得できます。

関連記事
管理美容師の免許とは? 資格取得に必要な2つの条件や将来性、廃止のウワサなどについて解説 | モアリジョブ

訪問福祉理美容師

訪問福祉理美容師とは、病気や高齢などの理由から在宅や施設などでケアを受けている人に対し、訪問して理容・美容サービスを提供することを目的とした資格。一般社団法人日本訪問福祉理美容協会(JVBWA)によって認定されます。

前述したように、高齢化が進んでいる現代では、今後も需要が高まっていくでしょう。興味のある人はぜひ目指してみてください。

引用元
訪問福祉理美容師の資格認定制度について | JVBWA

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介護美容師・福祉美容師を目指す人におすすめの講習と資格を紹介!|講習を受講する3つのメリットとは? | モアリジョブ

色彩検定

色彩検定は、色におけるさまざまな知識や技術を習得できる検定です。美容室を訪れるお客様のなかには、カラーでイメージチェンジをしたいという人も多く、美容師が色彩検定を取得することにより、一層お客様にふさわしい色味などの提案をすることができます。

色を学ぶことで、美容師としてのセンスも磨くことができ、スキルアップにもつながるでしょう。累計170万人以上が受検している人気の資格なので、取っておいて損はないでしょう。

引用元
色彩検定とは 〜色彩って面白い〜FEATURE|公益社団法人 色彩検定協会

美容師の国家資格を持ち研修を積んで自分らしい職場を見つけよう

美容師になるには、美容学校を卒業して国家試験をパスすることが条件です。

そして実際にお客様の髪をカットするスタイリストになるためには、アシスタントとして数年間の下積みを経験する必要があります。

「美容師だから美容室だけでしか働けない」という固定観念を捨てて、自分の技術を武器に幅広い世界で自分らしく活躍できる職場を見つけてみてください。

引用元
美容師法の概要 |厚生労働省
通信教育の場合|日本理容美容教育センタ―
美容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
理容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
エステティシャン – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
訪問福祉理美容師の資格認定制度について | JVBWA
色彩検定とは 〜色彩って面白い〜FEATURE|公益社団法人 色彩検定協会
美容師養成施設の教科課程の基準|厚生労働省

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