ネイルサロンは独学の資格取得で開業できる? おすすめ資格と開業の流れを紹介
大手サロンから個人サロンまで、さまざまな形態があるネイルサロン。ひとりで開業し、成功しているネイリストも数多くいます。
しかし、いざ自分で開業を目指すとなると、資格は必要なのか・独学でも取得できるのか・開業までの流れ・成功するのかなど、あらゆる不安が浮かんでくるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ネイルサロンの開業を考えている方向けに、独学で資格を取得して開業できるのかどうかや、おすすめの資格・勉強方法などを紹介します。開業の流れや開業を成功させるためのポイントもお伝えしますので、参考にしてください。
ネイルサロンは独学の資格取得で開業できる?

ネイルサロンを開業するにあたって資格は必要なのか、必要な場合は独学でも取得できるのか、疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
結論として、ネイリストには国家資格がなく、開業するために必須の資格もないため、独学で開業することは可能です。
しかし、ネイルの施術に役立つ民間資格は複数あります。資格によってさまざまなメリットが得られるため、開業する際は取得しておくとよいでしょう。
資格取得して開業するメリットとは?
資格を取得して開業するメリットはいくつかあります。たとえば、取得を目指す過程でネイルの正しい知識と技術が身につくこともそのひとつ。そして、そのスキルの証明にもなります。
また、資格があることでお客様の信頼を得やすくなるため、集客にも役立つ可能性があります。というのも、同じエリアにある同じ価格帯のサロンで、資格所有者がしているサロンと資格を明記していないサロンなら、お客様は前者のサロンを選ぶ確率が高いためです。
独学ではどのレベルまで取得可能? おすすめの資格を紹介

先述したように、ネイルに関する民間資格は複数あります。ただしその多くが、基礎レベルからトップネイリストのレベルまでの階級に分かれているため、すべてを独学で取得することは難しいかもしれません。
ここでは、独学で取得しやすいと言われているおすすめのネイルの資格を紹介します。
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JNEC|ネイリスト技能検定 3級
JNECが主催するネイリスト技能検定は、約100万人の受験実績がある知名度の高い資格です。1~3級まであり、3級は基本的なネイルのスキルが問われます。筆記試験と実技試験の両方に合格することで取得可能です。
筆記試験では、ネイルの歴史・衛生と消毒・爪の構造・爪の病気とトラブル・ネイルケアの手順などが出題され、100点満点中80点以上で合格。
実技試験は、ネイルケア・カラーリング・ネイルアートなどの審査が行われ、50点満点中38点以上で合格です。
引用元
JNEC|ネイリスト技能検定とは
JNEC|ネイリスト技能検定試験要項 2025年春期
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JNA|JNAジェルネイル技能検定 初級
JNAが実施しているジェルネイル技能検定は、プロとしてサロンワークでジェルネイルを施術するために必要な理論と技術の修得を問うもので、10万人以上が取得している人気の資格です。
初級から上級までの3段階あり、初級はネイルケアおよびジェルネイルの基本的な知識や技術の修得をチェックされます。筆記試験と実技試験があり、その両方で100点満点中80点以上得点すれば取得可能です。試験範囲は、以下をご確認ください。
筆記試験
衛生と消毒・爪の構造(皮膚科学)・爪の病気とトラブル・ネイルケアとジェルネイルの手順・ジェルネイルの基礎知識
実技試験
第1課題:両手10本のネイルケア(手指消毒、ファイリング、キューティクルクリーンまで)
第2課題:左手5本のポリッシュカラーリング・右手5本のジェルカラーリング・右手中指のジェルアート
引用元
JNA|JNAジェルネイル技能検定試験
JNA|第32回 JNAジェルネイル技能検定試験
さらに上級の資格を取得したい時は?
上位の資格取得を目指す場合は、ネイルスクールなどでプロの講師から直接指導を受けるのがおすすめです。正しいスキルを体系的に身につけられ、モチベーションが維持しやすいほか、疑問点の早期解決や試験対策も可能。
紹介した資格の上級資格は、一般的には独学では難しいと言われています。その理由として、指導者が居ないがゆえに誤ったスキルを習得していてもそれに気づくのが難しく、疑問点を解決するのにも時間がかかることなどがあげられます。
また、自分の技能を客観的に評価してもらうこともできないため、試験対策が十分にできない可能性も。上位になるほど難易度も上がるので、自分に合ったスクールで学びましょう。
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独学でのおすすめ勉強方法とコストとは?

独学で資格取得を目指すうえで、押さえておきたいのが勉強方法です。また、どれくらいのコストがかかるのかも気になるのではないでしょうか。以下で独学でのおすすめの勉強方法と、コストの目安について紹介します。
テキストや動画教材を利用しよう
ネイリスト技能検定試験には、公式の問題集とJNAが公式として扱っているDVD教材があり、JNAジェルネイル技能検定試験には公式のテキストとDVD教材があります。試験内容を網羅できるため、独学で勉強する際に活用するのがおすすめです。
技術に関しては、YouTubeなどでプロのネイリストが解説している動画が豊富にあるため、参考にするとよいでしょう。
引用元
JNEC|ネイリスト技能検定試験とは
JNA|JNAオフィシャル教材
勉強時間とコストはどれくらいかかる?
勉強時間の確保の仕方や技術の習得レベルにもよりますが、一般的にはネイリスト技能検定3級とJNAジェルネイル検定3級の勉強期間の目安は、約3ヶ月と言われています。
はじめて資格の取得を目指す場合は、もう少し長めに学習期間を設定して、早めに取りかかるのがおすすめです。
なお、ネイリスト技能検定の問題集は、1冊4,400円で別途送料が330円かかります。JNAが扱うDVD教材(ネイリスト技能検定試験3級 テクニック講座)は2,090円です。
JNAジェルネイル検定試験のテキストとDVDは、それぞれ3,960円。
さらに、ネイル道具なども合わせると1万5,000〜3万円程度の初期費用がかかるでしょう。
引用元
JNEC|ネイリスト技能検定試験とは
JNA|JNAオフィシャル教材
ネイルサロンを開業する流れを紹介

ここからは、資格を取得してネイルサロンを開業するまでの流れを紹介します。
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1. 資格取得を目指しつつ実績を積む
まずは資格取得に向けて知識や技術を身につけながら、実際にサロンで働いて実績を積みましょう。開業すること自体に資格や経験は問われませんが、運営していくうえでは現場を知っているかどうかが重要です。
サロンで働くことでスキルを磨けるだけでなく、接客や仕事の流れ・トラブルの対処法・サロン運営の仕方などを学ぶことができます。アルバイトやパートでもいいので、ネイルサロンの仕事について理解を深めましょう。
2. 開業形態を選ぶ|リフォーム
自宅サロンやテナントなど自分に合った開業形態を選び、物件を探します。テナントを借りる場合は、コンセプトやターゲット層に適した場所を選ぶのがおすすめです。必要に応じてリフォームを依頼しましょう。
自宅サロンの場合は、管理会社や大家さんにネイルサロンを開業してよいか確認を取ってください。
3. 施術に必要な備品や道具を揃える
ネイルの施術に必要なテーブルやチェアなどの備品・施術道具・消毒や衛生用品といった消耗品を揃えましょう。その際、必要最低限にとどめておくと初期費用を抑えられます。
備品や道具は、30〜50万円程度が目安です。100円ショップなどで揃う備品も多いので、うまく活用すればもう少し安く済ませることができるかもしれません。
4. 集客ツールを準備する
せっかく開業するなら、オープン直後にお客様が来店するのが望ましいでしょう。そのためには、あらかじめHPやSNS・Googleビジネスプロフィール・予約システムなど、集客に利用するツールを準備しておくことが大切です。
SNSで主流のX(旧Twitter)・Instagramや、Googleビジネスプロフィールは無料で利用できるコンテンツなので、うまく活用すればお客様に認知してもらえます。オープン日やコンセプト・メニューなどを記載しておくと、問い合わせや予約を受けやすいでしょう。
5. 開業|開業届を出す
開業後は、1カ月以内に税務署へ開業届を提出します。また、確定申告で青色申告を行う場合は、前もって申請をしなければならないため注意が必要です。事前に国税庁のページを確認しておきましょう。
引用元
国税庁|A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
国税庁|No.2070 青色申告制度
開業を成功させる3つのポイントとは?

せっかく開業するなら、お客様から長く愛されるお店を目指したいものです。しかしやみくもに開業すると、お客様がほとんど来なかったり、黒字化できずすぐに閉店に追い込まれてしまったりする可能性があります。
そういったことを防ぐために、以下で開業を成功させるポイントについて見ていきましょう。
1. 衛生管理を徹底する
ネイルサロンの経営するうえでは、ネイルの知識や技術だけでなく、衛生管理を徹底しておくことも重要です。安心・安全なサロンであることはお客様の信頼獲得にもつながるため、知識を身につけて運営で活用しましょう。
JNAには、ネイルサロン衛生管理士の資格があります。施設や設備の清潔・消毒など衛生管理の知識を習得できるため、取得しておくのがおすすめです。
引用元
JNA|ネイルサロン衛生管理士講習会
JNA|ネイルサロンにおける衛生管理自主基準
2. 経営スキルを磨いておく
サロン経営者として、サロンの運営方法や税務に関する知識・集客のノウハウなど経営スキルを磨いておくことも大切です。とくに集客はお店の収入に直結するため、認知度アップやリピート客の獲得につながる戦略を練りましょう。
経営のスキルは、開業・独立支援を行っているサロンや、一部のネイルスクールなどでも学ぶことができます。
3. 3ヶ月分の運転資金を準備しておく
経営が安定するまでには時間がかかるため、少なくとも3カ月分の運転資金を準備しておくと安心です。毎月かかる家賃・水道光熱費・通信費・広告費・材料費などを計算し、赤字が続いても支払えるだけのお金を確保しておきましょう。
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リジョブは美容業界に特化しており、ネイルサロンの求人を豊富に掲載しています。正社員だけでなくアルバイトやパートの求人があるほか、独立・開業支援をしている求人に限定して探すことも可能です。
そのほか、施設形態やサロンの規模・立地・客層なども選択できるため、自分に合った求人を見つけやすいでしょう。
ネイルサロンは独学の資格取得でも開業できる!

ネイルサロンの開業には、必須資格がありません。また、独学の資格取得でも開業を目指すことはできます。ネイリスト技能検定3級やJNAジェルネイル技能検定3級なら、独学でも取得可能なレベルです。
ただし、開業自体に資格や経験が必要ないのであって、お店を成功させるには衛生管理や経営の知識が必須といえます。また、ネイルサロンの仕事や運営について理解を深めるために、サロンで経験を積んでおくほうが安心です。
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