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自分の内にある原因を探すのが第一歩!【接客の苦手意識から解放されるには? #1】

接客業で働く人に意外と多く見受けられるのが、コミュニケーションの悩み。お客様も自分も楽しくいられる関係を作るには、どうしたらいいのでしょうか。

のべ1000人のクライアントのセッションをおこなってきた、人気セラピスト・小貫淳子さんに、接客の苦手意識から、自分を解放して楽になる方法をうかがいました。

頑張りたくても、心と身体が健康でないとダメ

「私のクライアントさんには接客業の方も多いのですが、会話が苦手、お客様が怖い、という声をよく聞きます。優しくて、協調性のある方に多いかもしれません」と、小貫淳子さん。

メディアビジネス・アナリストとして活躍していた小貫さんがセラピーと出会ったのはイギリスでした。パートナーが仕事でイギリス赴任が決まり、小貫さんも一緒に行くことにしたのです。仕事はインターネットを使えば可能ということで、そのまま継続、担当範囲もヨーロッパ全体となり、充実した日々。でもその一方で、原因不明の体調不良になってしまいました。

自然

「自分は恵まれているんだから頑張るのがあたりまえ、と思っていたんです」と、小貫さん。当時は、自分の心がどんな状態なのか、気にしていなかったそう。

「ロンドンでは4年間暮らしました。素敵、って思いますか? でも私は辛くてたまらなくて(笑)。なんといっても英語を話すのが嫌でした。イギリスへは夫の仕事で行くことになっただけで、私は英語が得意だったわけではないんです。仕事もイギリスにいるからという理由で、ヨーロッパ全般の担当になり、読む資料も英語でした。日本を離れたのに、責任のある仕事につけたのは有り難いこと。でも、そのぶんプレッシャーを感じました。

前半の2年間はとにかく頑張って、後半の2年間は体調を崩したことがきっかけで、溝口あゆかさんのセラピ―を受け、自分自身を見直すことになりました。いくら頑張りたくても、心と身体が健康でなくてはダメなんだ、と痛感したのです」

「悪者をつくらない」考えかた

溝口あゆかさんは、代替療法を教えるイギリスの学校・ホリスティック・ヒーリング・カレッジで講座を持ち、イギリス人に英語で講義もしていた、凄腕セラピスト。日本でも著書を出している、人気セラピストでした。

「溝口さんのセッションが素晴らしかったのは、〈誰も悪者にしない〉ことだった」と、小貫さんは言います。原因を自分の外側に探すのではなく、自分の内側を探っていくことで、眠っていた感情を見つけ、解放していくのです。

「たとえば苦手な同僚がいるとします。同僚に〈仕事の仕方が甘えている〉と、言われているとする。そのときに、同僚が意地悪だとか、自分に問題があるんだ、と、決めつけてしまうと、そこで考えはストップしてしまいます。

自然

〈甘えている、って自分にとってどういうことなんだろう?〉〈苦手なことを避けてしまうのはなぜ〉など、表面で起こっているのではない、心の深い部分にまで降りていく。そうすると自分や誰かを責めるのではなく、〈そうしなくてはならなかった〉自分の感情にたどりつきます」

こうしたプロセスは、実際のセッションでは、プロのセラピストと一緒に、丁寧に、時間をかけて、おこなっていきます。日常生活では気づかない、本質的な心理にまでたどり着くと、大きな変化があらわれるのだそう。

「自分の気持ちにふたをして気づかないようにすることを、心理学用語で〈抑圧〉といいます。抑圧こそが、心だけでなく体調にまで影響をおよぼす、重要な問題なのです」

自分が安定していれば、相手との会話も楽しくできる

溝口さんのカウンセリングを受けたあとに仕事を辞めた小貫さんは、休暇をとって、カウンセリングの勉強を始めました。帰国後も勉強を続け、2009年から、セラピストとして独立。今では師匠である溝口さんとともに、一般社団法人ハートレジリエンス協会のメンバーとして、東日本大震災の被災地でのボランティア活動や、都内での講座をおこなっています。

「本来のカウンセリングやセッションは、プロのセラピストとともにおこなうものですが、自分で自分をケアする方法もあります。自分が安定しているからこそ、お客様や同僚との会話も楽しくできるのです」

たとえば「感情に敏感になること」も、自分でできる気軽なケアです。嬉しい、悲しい、といった気持ちに振り回されるのでなく「ああ、こういうときに自分は嬉しいんだ」「こんなことがあったから、辛いんだ」といった感情を、ちゃんと受けとめて味わうのです。忙しい毎日のなかで、自分の気持ちは「ちょっと横に置いておいて」、やるべきことを優先しがち。とくに「怖い」「逃げたい」「心配」といったネガティブな感情は、向き合うことがつらいので、気持ちにふたをしてしまいがちです。けれど、見えなくなったからといって、なくなるわけではありません。むしろ、気持ちを奥にとじこめることで、悪化してしまうこともあるそう。

感情に善し悪しはありません。すべてが本当の「自分の気持ち」で、大切なものなのです。

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「不思議なもので、自分の感情を大事に扱っていると、自然に落ち着きや明るさがうまれてきます。人間は言葉ばかりでなく、ちょっとした仕草や雰囲気からもノンバーバルな(言葉を使わない)コミュニケーションをとっています。自分が自分を大切に扱っていることは、何も言わなくても周りに伝わってゆくんですね」

「嬉しい自分」「楽しい自分」「傷ついた自分」――いろいろな自分を、それこそ大切なお客様のように丁寧に扱ってみましょう。

それでは具体的に、どのようにすれば「緊張しない会話」ができて、「お客様が苦手」という思い込みから解放されるのか、次回から、具体的に聞いていきます。

小貫さんのセミナー

いつも大人気の小貫さんのセミナー。いろいろな職業の人が参加しています

取材・文/矢内裕子

Profile

小貫淳子さん

小貫淳子( おぬきじゅんこ)さん

JMET認定トレーナー

心理セラピスト Holistic Healing College(英国)Integrated Counselorディプロマ取得。一般社団法人ハートレジリエンス協会(旧ハートサークル)(※)のセラピストとして、気仙沼、釜石等被災地でのEFT体験講習会や個人相談に精力的に参加。( ※「被災地におけるメンタルケアプロジェクトは「レジリエンスジャパン推進協議会」より「優良賞」授賞 」
ブログ「ココロを解く」:http://junko-onuki.com

information

一般社団法人ハートレジリエンス協会(旧ハートサークル)

http://heart-resilience.com/

溝口あゆかさんが代表を務め、小貫さんも参加している英国ホリスティック・ヒーリング・カレッジ出身の卒業生が中心となったセラピストの集まり。トラウマ解放から家庭や職場での悩みといった様々な心のケアに対応できる経験とスキルを持ったセラピストによるカウンセリングサービスを行う。普段気付いていない意識を掘り下げながら本人からの気づきを促し、セラピーで感情を解放するという特徴的なセッションを提供。身近にカウンセリングやセラピーを受けられるシステム作りを目指している。

『介護をしているケアラーのあなたへ こころを軽くするヒント

小貫淳子さんが編集人となっている『介護をしているケアラーのあなたへ こころを軽くするヒント集』(一般社団法人ハートレジリエンス協会)が、無料配布中です。
冊子の無料発送や、無料ダウンロードのサービスも。
日常生活をおくるヒントも書いてあるので、ぜひ覗いてみてください。

ネガティブな思い込みに負けないで!【接客の苦手意識から解放されるには? #2】 

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