「何のためのアカウントか?」を問い直す。バズを信頼に変える、目的のあるSNS発信【「LaLarOomo」代表・堀越太輔さん】#2
SNS発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを確認するサロンも増え、就職活動におけるSNSの影響力は年々高まっています。本企画では、就活に役立つSNS活用法を、現役美容師のリアルな経験から紐解きます。
SNSを通じて予約が絶えない人気サロン『LaLarOomo』代表の堀越さん。後編では、SNSを“仕事”として捉える視点や、美容学生に向けたSNSの目的意識、そして美容師という仕事の醍醐味について伺いました。
お話を伺ったのは…
『LaLarOomo(ララルーモ)』代表・堀越太輔さん
東京マックス美容専門学校卒業後、都内のサロン数店舗を経てカット技術を練磨。2024年9月、渋谷に2店舗目をオープン。これを機にSNS運用を本格化させると、メンズの変身動画で一躍注目を集める。最高再生数は1146万回(2026年2月5日時点)。
Instagram:@lalaroomo_horikoshi
動画投稿は好スタートを切れるかどうかが“カギ”
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――動画作りで特に意識していることは何でしょうか?
やっぱり、笑顔になった瞬間を届けたいというのはありますね。なんとかそのシーンを撮れるように試みています。お客様はシャイな方も多いので、なかなか狙い通りには撮れないのですが、「笑ってください」とお伝えするのも違うなと思っていて。あくまで自然にこぼれた表情を撮るようにしています。ただ、やっぱり感動はしてほしい。「来てよかったな」と思ってもらいたいので、一人ひとりに一生懸命向き合う。ただそれだけです。
――お客様がセット後に鏡を見たとき、パッと嬉しそうな表情に変わる瞬間は本当に印象的です。そうして丁寧に作った動画を届けるために、投稿の「戦略」はありますか?
投稿するタイミングを重視しています。例えば三連休に入る前なのか、入ってからなのか。「視聴者が見る時間」に投稿することが大事だと思っています。すごくうまくできた動画でも、出すタイミングを間違えるとあまり見てもらえなかったりするので。
僕の場合、木曜日の夕方18時〜19時頃に投稿するようにしています。インスタの特性上、一度火がつくと2日間ほどは伸び続けるので、その勢いのまま土日に入ってほしいんです。月曜日になると反応はガクンと落ちてしまう。とにかく動画投稿は出だしが大事。その初動で伸びるか伸びないかが決まると思うので、好スタートを切りたいなと。
確かな技術があるからこそ、SNSという「名刺」が光る
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――動画を見ていると、お客様それぞれの悩みをカバーするカット技術の高さが際立っています。その技術はどのように磨かれたのですか?
当時、中途入社したサロンの店長が「萩原宗カットスクール」の講師を務めていた方で、その方から直接学ぶ機会に恵まれました。改めて一人ひとりのお悩みに合わせた切り方や、骨格に基づいたカットを展開図から学び直したことが、今の自分のベースになっています。
――そうした土台があるからこそ、あの劇的な変身を可能にしているのですね。お客様の魅力を最大限に引き出すために最も重要視していることは何でしょうか?
髪型は「どこまでを顔として出していくか」を決める、絵でいう「額縁」のようなものだと思っています。顔の印象の3分の1は髪型で決まりますし、さらに眉まで含めれば半分は決まってしまう。 特に「変わりたい」と切実な想いで来てくださる方には、やっぱり良くなってもらいたいじゃないですか。その想いを形にするのが僕たちの仕事だと思っています。
――変身のプロセスにおいて、ヘアだけでなく眉まで含めたアドバイスも積極的にされていますよね。
眉は、顔のパーツの中でもすごく大事なんです。眉が表情の印象を決めると僕は思っているので整えていないのはもったいない。強く見せたいのか、あるいは優しく見せたいのか。例えば女性でも、眉が吊り上がっていると強く見られがちですよね。理想の雰囲気を形作る上で欠かせないポイントだからこそ、そこはしっかりアドバイスをしています。
その投稿は誰のため? 「何のアカウントか」を明確にする
――サロン代表として、スタッフの方々へSNSの指導はされていますか?
実は、積極的な指導は全くしていないんです。というのも、みんなが「心からやりたい」と思っているのか、少し疑問があるんですよ。僕自身、始めたきっかけは集客のためでした。本来、クリエイティブな楽しみを除けば、発信は「業務」に近い側面がありますよね。「お客様を呼び込む」という集客は、基本的には会社がやるべきこと。お客様にリピートしていただくのがスタッフ本来の役割だと思っているので、個人のSNSで集客まで頑張っている美容師さんたちは、本当にすごいなと心から尊敬しています。
ただ、会社として広告費をかけて運用しているものについては、営業時間内に撮影を行うなど「仕事」として取り組んでもらっています。その中で、「指導」というよりは「こういうのは控えてほしい」と伝えている注意点はありますね。
――具体的にはどのようなことですか?
「何のためのアカウントなのか、目的を忘れないで」と伝えています。よくストーリーズに「これを食べた」といったプライベートを載せている方もいますが、それを見るのはあくまで「お客様」ですよね。お客様がその情報を本当に求めているのかどうか、そこを一度考えてみてほしいんです。
すでに多くのファンがいる芸能人のようなブランディングなら別ですが、技術でお客様を呼びたいのであれば、その投稿がどう集客に結びつくのか。SNSを発信する「目的」をシンプルに捉え直すことが大切だと思います。
――就活中の学生にとっても、共通する大切な視点ですね。
そう思います。学生さんなら「就職する」という明確な目的があるはずです。ならば、サロン側から「この子と一緒に働きたい」と信じてもらえるような、頑張っているプロセスを発信していると好感が持てますよね。「何ヶ月後にこうなる」という目標を掲げて、そこに向かって努力する姿を見せられたら、僕も応援したくなります。今、自分は何のためにこの発信をしているのか。それが常に求められることなのかなと思います。
AI時代でも変わらない美容師の価値
――これから自分の強みを見つけていきたい学生へ、アドバイスはありますか?
「自分の好きなこと」を軸にするのが一番だと思います。好きなことなら、自然と続けられますから。僕自身、美容師という仕事が好きだからこそ、SNSでの発信も楽しみながら継続できました。カラーでもセットでもメイクでも、まずは自分の心が動くものを見つけてみてください。
――最後に、これから美容業界へ入る学生さんへメッセージをお願いします。
一つ言えることは、「とりあえず、やってみなよ」ということですね。何事もまずは一度挑戦してみて、嫌だったらやめればいいし、良かったら続ければいい。試行錯誤を繰り返す中で、必ず道は良くなっていきます。そうやって動いてみることが何より大事なのかなと。
僕も23年間美容師をやってきて、途中で辛い時期や、「何のためにやっているんだろう」と目的を見失った時期も結構あったんです。でも、振り返ってみれば「やっぱり続けてきて良かった」と心から思える職業なんです。
これから先、どれだけAIが発達したとしても、人が人に与える感動や、そこに込めた「想い」は変わらないと思います。何より、お客様とは、ときに友達よりも会う機会が多くなるんですよね。毎月いらしていただくことで、数年、数十年と信頼関係を築ける仕事って、美容師のほかにあまりないと思うんです。ぜひ皆さんも、この素晴らしい仕事の醍醐味を味わえるまで、続けていってほしいなと思います。
「バズ」を信頼に変える、3つのアドバイス
1.「何のアカウントか」目的を明確にする
2.「応援したい」と思われるプロセスを見せる
3.「とりあえず、やってみる」その一歩が世界を広げる
取材・文/Maki Nagai
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「LaLarOomo渋谷公園通り店」
住所:〒150-0041 東京都渋谷区神南1丁目20-8 COERU渋谷公園通り 2階
電話番号:03-6455-0345
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