「好きなら、簡単に手放すな」。挫折寸前で、背中を押してくれた父の言葉「ZEST lill」谷崎大和さん

東京・多摩エリアを中心に17店舗を展開し、長年にわたってトレンドを発信し続けてきた美容室グループ「ZEST」。今回登場いただくのは、「ZEST lill」所属のスタイリスト、谷崎大和さんです。

前編では美容師を志したきっかけや、就活をどのようにスタートさせたかについて話を伺いました。

後編では「ZEST」の面接内容、そして入社後の谷崎さんについて伺います。

面接では「この会社の改善点を教えてください」と言われ、答えに困ってしまったという谷崎さん。しかし「会社のことをちゃんと調べている人がほしいはず」という父からの助言によって、ホームページを見ていたことから、窮地を切り抜けることができたといいます。

今回、お話を伺ったのは…

谷崎大和さん

「ZEST lill」スタイリスト

千葉県出身。山野美容専門学校で美容師免許を取得後、2024年4月に「ZEST」へ入社。吉祥寺店を経て、「ZEST lill」へ異動となる。入社から1年7ヶ月でスタイリストデビュー。その翌月には月間売上156万円を達成するなど、「ZEST」注目のホープ。

インスタグラム

「この会社の改善点は?」。窮地を救ったのは徹底した事前準備

「ZEST」で受けた面接を振り返る、谷崎さん

――面接はどのような形でしたか?

応募者10人に対して、社長や副社長など幹部3人による集団面接でした。200人以上が受けて、合格したのは70人ほどだったと聞いています。

面接で聞かれた内容としては、なぜ美容師になりたいのか、自分の長所や短所などオーソドックスな内容が中心でした。

――答えに困った質問はありましたか?

「この会社に足りないところを教えてください」という質問です。右に座っている人から順番に答えていく形式で、僕は最後の方でした。ほかの応募者は「SNSが弱いと感じました」、「メンズに力を入れたほうがいいと思います」などと答えていたのですが、途中まで考えがまとまらず、どうしようかとかなり焦ってしまって。

そのとき、とっさに思い出したのが、事前に何度も見ていたホームページのことです。「ホームページに誤字が1つあったので、直したほうがいいと思います」と伝えました。

――かなり印象に残る回答ですね。

はい。人事として働いていている父に、「どんな学生を採用したいか」と聞いたときに「会社のことをよく調べている人が一番評価される」と言っていたんです。

その言葉を意識して、事前にホームページを何度も読み込んでいたので、誤字を見つけることができました。

――3分間の自己PRではどんなことを伝えたのですか?

「なぜ美容師になりたいのか」という想いを、率直に伝えました。過去には牛丼の早食いやものまねをする人もいたと聞いていたのですが、面白いことに走るのではなくて、僕は自分の言葉で気持ちを伝えようと決めていたんです。

祖母が美容師だったことや、目を悪くして道半ばで美容師を辞めることになってしまった祖母の意志を継いで働きたいという気持ちを話しました。祖母の家庭環境は複雑で、父が生まれてすぐに離婚をし、女手一つで父を育ててくれました。そういった感謝の思いも伝えたところ、感情がこみあげてきてしまい、泣きそうになりましたね。

なんとか伝えて、面接は無事に終了しました。

――その後、採用の連絡があったわけですね。

はい。封書で採用連絡が来ました。最初に封筒を見たとき、あまりにも薄くて落ちたかと思ったのですが、開けたら合格通知で。本当にうれしかったです。

デビュー後の不安と迷い。父の言葉が支えになった日

「ZEST lill」でデビューを果たした谷崎さん。思うようにいかず、悩んだ日々もあった

――入社してからどんなことを感じましたか?

想像以上に、教育が手厚いと感じました。最初の1ヶ月間はアシスタント業務には入らず、ほぼ練習だけで過ごします。また先輩たちが1日のスケジュールを組んでくれて、練習の内容を決めてくれる形でした。

さらに1ヶ月ほど経つとアシスタント業務に入るのと同時に、すぐにモデルさんを呼んで施術の練習もすることができたんです。入社から7ヶ月後にはジュニアスタイリスト、その1年後の2025年11月にはスタイリストデビューを果たすことができました。

――壁を感じたことはありましたか?

ジュニアスタイリストのころ、なかなかお客様がつかずに悩んでいた時期がありました。

そうするとお給料もあまり安定しません。ちょうど大学に進学をした友だちが社会に出るころで、給料やボーナスの話を聞いて自分と比べてしまい、「このままでやっていけるのか」とゆらいでしまったことがありました。美容師の仕事は好きだけれど、生活面の不安があったんです。

――それをどのように乗り越えましたか?

一度は本気で美容師を辞めようと思い、両親に相談しました。すると父から「美容師の仕事が好きではないなら辞めてもいいと思うけれど、好きなら簡単に手放さない方がいい」と言われて。

その言葉を聞いて、もう一度やってみようと腹をくくりました。

そこからは目の前のお客様に全力で向き合い、努力を続けた結果、多くのお客様からリピートしていただくようになり、生活も安定していきました。2カ月後にジュニアスタイリストとして月間売上100万円を達成。スタイリストとなった翌月の2025年12月には156万円を達成することができました。

「出会えてよかった」。自分を必要としてくれる声が原動力に

入社から3年目となり、美容師の仕事のやりがいを日々感じているという谷崎さん

――美容師の仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?

お客様から認めていただいたときや、選んでいただいたとき、そしてそれを言葉で受け取れる瞬間がたまらなく好きです。

ちょうど昨日の出来事なのですが、初めて担当したお客様がいらっしゃいました。見た目が少し怖そうな方で、積極的に話してくれるような方でもなかったのですが、笑顔で丁寧に接することを心がけていたんです。

そうしたら、帰り際に「僕は人があまり得意ではないのですが、大和さんはすごく居心地がいいです」と言ってくださって。すごく、うれしかったですね。

あとは成人式を担当させていただいたときに「人生の大切な場面を任せられる美容師さんに出会えてよかったです」と言われたときも、強くやりがいを感じました。美容師は誰かの人生を支えられる仕事だと思います。

――就活の体験は、大和さんにとってどんな学びになりましたか?

一番大きいのは、行動力が身についたことです。就職先は、自分の将来を決める場所なので慎重になる方が多いと思いますが、僕は「ZEST」に見学に行ったときに、わりとすぐに気持ちを決めました。そして入社してみて、その直感は間違っていなかったと感じています。

そんな成功体験もあって、今は自分がやってみたいと思うことはすぐに行動に移すようになりました。

物事は何でもそうですが、結果がついてくるまでには時間がかかります。なのでやってみようと思ったことを即行動し、コツコツ続けていくことがとても大切なのだと思います。

――これから美容師を目指す人にアドバイスをお願いします。

僕は就活を始めたときに、人生設計をきちっと立てていたことで、どんなサロンがいいかというビジョンも明確になったと思います。サロン選びを始める前に、自分の将来像を描いて、どんな働き方をしたいのかを考えてみるといいと思います。

あとはネットの情報だけで判断せず、実際に店舗に足を運んで、雰囲気を自分の目で確かめること。そうすれば、後悔のない就職先選びができると思います。

谷崎さんの就活が成功した「3つのポイント」

1.人生設計から逆算して、サロン選びの軸を明確にして、就職先を選んだ

2.サロン見学で終わりではなく、何度か通うことで関係性を作った

3.徹底的な企業研究で、面接を攻略した

「好きな仕事で生きていきたい」。その想いを貫くために、谷崎さんは考え、動き続けてきました。

迷ったときには立ち止まり、悩んだときには周囲の声に耳を傾けながら、それでも最後は自分で決断する。その積み重ねが、今につながっています。谷崎さんの今後の活躍から目が離せません。


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ZEST lill
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-16-2 2F
TEL:03-6457-6656

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