この仕事に就いてよかった! 業界ならではの感動体験【美容師編】

一日に何人ものお客さまと会い、会話をして身体に触れ、きれいになってお帰りいただく――。ビューティシャンという職業は、ほかのどんな仕事よりも“対 人間”のコミュニケーション力が必要となる職種なのではないでしょうか。ただ、それだけに通常ではできないさまざまな経験をすることができたり、心動かされるシーンに立ち会う機会も多いはず。美容業界ならではの感動体験、ここでこっそり教えてもらいましょう。

エピソード1:ボランティアで児童養護施設の子どもたちをヘアカット

ボランティアで児童養護施設の子どもたちをヘアカット

38歳・男性
「だいぶ前のことですが、児童養護施設の子どもたちのヘアカットをするボランティアに参加したことがあるんです。先輩に誘われたのをきっかけに、その美容室のメンバーで訪問しました。そこは親がいない、または事情があって親と一緒に暮らせない、高校生までの子どもたちが集団で生活する施設で、僕はそういう施設には足を踏み入れたことがありませんでした。だから施術の前に『親の話題には、自分から話さないかぎり触れないでください』とか『写真や名前を出して、施設でのことを外で話すようなことは、なるべく控えてください』などの注意事項を話してもらったときは、すごく緊張してしまいました。“きっとみんなすごく辛い思いに耐えているから、僕の言動が子どもたちを傷つけてしまうこともあるのかもしれない”って思ったんです。

ボランティアで児童養護施設の子どもたちをヘアカット

「でも実際に子どもたちに会ったらすごく明るい子や、やんちゃな子もたくさんいて驚きました。もちろん悩みや心の傷がまったくないわけではないと思います。でも実際に会ってカットしてあげることで、喜んでくれたりはしゃいだりしている姿に、自分の子供時代となんら変わらない無邪気さを感じることができてホッとしたんです。だから精一杯おしゃれにカットした髪型を見て『ありがとう』と言ってもらったときには、こちらが逆に元気をもらったような気がしましたね。“この先も辛いことはきっとある。でもあの時のように、いつまでも笑顔で過ごしていってくれたら良いな”と思っています。」

編集部
お年寄りから小さなお子さままで、あらゆる年齢層のお客さまと出会う美容師。とくに美容室のなかでの関係がクローズアップされがちですが、その出会いは美容室のなかだけではありません。今回は美容室の外、児童養護施設で出会った若い世代との感動のお話でしたね。たとえ悲しい過去があったり、今の状況を辛いと感じていたとしても、それを表に出さずに懸命に生きる子どもたちの姿。おしゃれなヘアカットにより、彼らの生活をもっと明るくするお手伝いができたボランティアの思い出を胸に、この先も人々の笑顔を生み出していきたいですね。

エピソード2:がん患者の女性に生きる希望を与えた接客

がん患者の女性に生きる希望を与えた接客

33歳・女性
「これは私がヘッドスパや育毛、ウィッグの作成などをするお店にいたときのことです。
ひとりの女性がいらしたのですが、ものすごく顔色が悪いので心配していました。そしたら『私はここに来るまで、ウィッグを作るか死ぬかで悩んでいました。今もまだ、決心がつかないんです。』っておっしゃったんです。聞いてみると、その方はがんを患っていて、治療によって健康だけでなく、髪が減ってしまうのが辛いのだと打ち明けてくれました。髪は女性の命。病気によって奪われていくのが耐えられなかったんですね。だから“死”という選択までも考えてしまったのでしょう。

がん患者の女性に生きる希望を与えた接客

「“ウィッグをつけて、また女性として前向きに生きて欲しい”そんな思いから、とことん話し合ってウィッグの良さをわかってもらえるように、明るい未来に目を向けてもらえるように努めました。彼女にはウィッグが必要だと強く感じていましたからね。その甲斐があって、最終的には彼女もウィッグをつけて生きる選択をしてくれました。
『あなたと話せてよかった』とおっしゃっていただけたときは“この仕事をやっていてよかった”と心から思いました。ひとりの女性の生きる手伝いができたという経験は、この先もこの仕事を続けていく上で大きな自信を与えてくれるものです。」

<strong編集部
お客さまに“美”を提供するのが、美容のお仕事。そのためには、その方の意思だけではなく、どうしたらその人に合った“美”を提供できるのかを考えて、サービスの提案や提供をしなくてはいけません。髪を失うことで、女性としての生きがいをなくしかけていたお客さまに寄り添い、生きる意欲を取り戻させることは、そう簡単にできることではありませんよね。心を尽くした接客で“女性であるからにはきれいでありたい”という思いを叶える手助けができた喜びは、この先の美容人生においてのモチベーションを高く保つことにもつながることでしょう。

まとめ

以上の2つのエピソードはいかがでしたでしょうか? 児童養護施設の子どもたちや、がん患者の女性との出会い。どちらもこの出来事がお客さまにとっての幸せにつながるものであったことは間違いありませんね。そしてそれと同時に、ビューティシャンにとってもこの経験は大切な思い出、この先の美容業界人生においての大事な原動力になっていくことでしょう。思い返すことによって元気になれるような出来事があれば、どんなに辛いことがあってもがんばれますし「この仕事に就いてよかった」と思えますよね。
皆さんもそんな感動エピソードがあれば、ぜひ編集部までお送りください。

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