面接は固めすぎてもNG! 自分らしさを全面に出して素直な気持ちを伝える【GARDEN Tokyo代表 久分 祐太郎さん】#3
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
毎年、数々の有名トップスタイリストを輩出している「GARDEN」。前回に引き続き、GARDENの中でも一番歴史のある「GARDEN Tokyo」の代表を務める傍ら、採用も担当している久分 祐太郎さんにお話をお聞きします。
第3回目となる今回は、面接のポイントについて。GARDENは一次と二次の両方を一日で行っているのだとか。その詳細と重要視しているところとは?
お話を伺ったのは…
GARDEN Tokyo代表 久分 祐太郎さん
愛媛県出身、東京美容専門学校卒業後、GARDENに入社。入社してから12年目には、THE GARDEN TOKYO代表に就任。さらに昨年、採用担当に抜擢。役職を担う一方、「カラーが得意なスタイリスト」として現役プレイヤーを務めながら、幅広い経験と知識により、お客様から絶大な信頼を集める。
一次・二次は一日のうちに実施。率先して動ける様子をアピールして突破
――今回は面接についてお聞きします。1日のうちに一次・二次の面接を行うとのことですが、その流れをお聞かせください。
午前中に行う一次面接は、志望動機や自己PRなどの基本的な受け答えから。10対10くらいの集団面接のあと一度検討して、午前の一次面接に受かった人だけ午後に行う二次面接に進んでもらいます。
――二次面接はどんなことをするのでしょうか?
グループを作り、一つの議題についてディスカッションをしてもらいます。
例えば、「もしこのグループでサロンを運営するなら?」といった議題を提示し、それぞれの学生がどういう行動をするのか、面接官が一緒になってグループに交ざって様子を見ています。
グループになると積極的に発言する人、メモを取る人、仕切る人…と一人ひとりの個性が出てくるんです。そこを逃さず、どういう行動を取るのか見るようにしています。一人だとどうしても話さなければいけませんが、グループにもなると人任せになりがち。どういう形であれ、率先して動ける人が望ましいですね。
二次面接を突破できるカギはコミュニケーション力と素が出せるか
――どちらも集団面接のようですが、特に気をつけて見ているところは?
やはりコミュニケーションが円滑に取れるかどうかでしょうか。
そのためにはこちら側もどのくらい話せるのか、その人の素が引き出せるように意識して向き合っているつもりです。あくまで重要視しているのは、その人の人柄、本質。サロンごとにコンセプトが違えど、人間関係を円滑にするために共通して必要な要素です。サロンで一緒に働くことを想定したとき、スムーズにコミュニケーションが取れることは重要な項目の一つです。
――では、判断するためにどんな質問をすることが多いですか?
例えばですが…学生の頃は何の部活動に所属していたのか、どの教科が得意だったのか、何のアルバイトをしていたのか。形式的なところから入り、その人の素が出るようなタイミングを見計らって、踏み込んだ質問をしますね。
ただ、最初は緊張している人がほとんどなので、質問をする前に必ず自己PRをするようにお願いしています。こちらとしてもその人がどれくらい話せるのか知るために必要なのです。一度、好きなことや得意なことを話してもらえば、自然と人柄が分かってくるんですよ。好きなことなら、前のめりになって話せるじゃないですか。素を出してもらえるよう緊張している空気をほぐして、徐々に深掘りする質問を投げかけるようにしています。
――ありのままの自分を見せることが合格への近道なのですね。
緊張して萎縮したままでは本当の像が見えないし、せっかく数あるサロンの中からGARDENを選んで応募してくれたのだから、しっかりと向き合いたいんです。本来の姿を曝け出しやすい場面作りを提供すること、公平な審査をすることの義務が僕にはあると思っています。
サロンの評価よりも自分のことをアピールする場として望んでほしい
――ほかにも、好感が持てる面接時の行動や態度があれば教えてください。
先述したように、自分の軸があることが分かり、明るくハキハキと話せる人の印象は良いですよね。
とにかく多いのは、GARDENの良いところを褒め尽くすような受け答え。採用を担当する僕らからすれば、これから一緒に働くスタッフを探すことが目的です。褒められたいわけじゃなくて、その人のことを知るために面接を行っているんです。ある程度、GARDENに興味を持っていることが分かって、自分をアピールできる人だと採用率は上がると考えます。
――反対にNGな行動は?
言葉を一から十まで用意して、丸暗記した話し方はあまり好まれないかもしれません。
もちろん、熱い想いを持って応募していると思いますが、我々が大事にしているのは、そのときに感じた気持ちや想いを素直にぶつけてくれるかどうかです。偽りの自分ではなく、純粋に人対人の会話がしたい。完璧である必要はないので、「今の気持ち」を伝えられれば、という気軽さで望んでほしいです。
採用される面接時のポイントまとめ
1.身の回りのことに関心を持ち、積極性のある行動を心がける
2.複数人のうち、自分が立ち回れる役割を理解する
3.気張りすぎず、いつも通りの自分を意識する
次回は、採用したい人材の特徴などについて詳しくお聞きします。
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)