アロマセラピストとはどんな仕事?おすすめ資格や主な就職先についても解説
アロマセラピストは、アロマに関する幅広い専門知識を持ち、その知識を活かしたアドバイスやトリートメントによってお客様を癒やす仕事です。近年では医療や福祉の現場でアロマトリートメントを取り入れることもあり、活躍の場が広がっている職業でもあります。
今回は、そんなアロマセラピストの仕事内容や、精油についての知識を身につける方法、そして求人の探し方について詳しく解説します。
アロマセラピストとは
アロマセラピストとは、精油に関する正しい知識についてお客様にアドバイスをしたり、複数の種類の精油をブレンドしたアロマオイルを使ってトリートメントを施したりする癒やしの仕事です。
精油の持つ特性を幅広く理解するとともに、人体への影響のしくみ、脳やにおいに関する生理学の知識も正確に把握していることが要求されます。
さらに、人間の体がどのように老化していくのかを学び、体の細胞が老化する前に病気にならないための考え方を身につけることも必要です。
最近のストレス社会の影響で、リラクゼーションや癒やしへの関心はとても高まっています。
専門のアロマサロンはもちろんのこと、ホテル・温泉施設・病院・治療施設などでもサービスでアロマトリートメントを取り入れているところが増加しており、アロマセラピストの活躍の場はどんどん拡大しています。
アロマセラピストの平均年収
厚生労働省の職業情報提供サイトに掲載されているデータによると、アロマセラピストの平均年収は394.3万円とされています。
ただし、給与形態が固定給の場合と歩合給の場合があるため、勤め先の給与形態によっては、同じアロマセラピストといえども給与額に差が出ます。
また、アロマセラピストは就業形態が正規社員やパートタイマーのほか、自営やフリーランスとして就業している人も多く、その就業形態によっても年収は変わるということは、覚えておくと良いでしょう。
アロマセラピストの年収について詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてください。
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アロマセラピストの仕事内容
アロマセラピストの仕事は、天然の植物から抽出したエッセンシャルオイル(植物性香油)を使って、アロマセラピー(芳香療法)を施術することです。
香りによるヒーリング効果を利用して心と身体をリラックスさせたり、ストレス解消やさまざまな身体の不調を改善させたりすることができます。
マッサージや鍼灸院などの治療院や心療内科などの医療機関では、待合室や施術室にリラックス効果のあるアロマを使用するなどアロマセラピーを取り入れるところが増えています。
雑貨店などではアロマグッズが人気を集めていることでもわかるように、今、一般の消費者の間でも香りの効果が知られてきています。
ストレスが多い現代社会において、香りのプロフェッショナル・アロマセラピストは、当分需要が増え続ける存在になりそうです。
カウンセリングやアドバイス
アロマセラピーは心身の疾病の予防や治療を行われますが、医療的なアロマセラピーは精油を使用したものに限定され、補助療法や代替療法として行われます。
お客様にカウンセリングを行い、どのアロマが良いか判断してアドバイスしてお客様に提供したり、アドバイスや販売などを行います。
ボディ・フェイシャルのアロマトリートメント
アロマトリートメントの仕事は、アロマセラピー関連の職種では一番ポピュラーなものです。
専門のアロマサロンのほかにも、エステティックサロン・温浴施設やホテル・ブライダルサロン・各種治療院などでも、アロマトリートメントを取り入れるところが増えています。
サロンの仕事を目指すのであれば、アロマセラピーやリラクゼーション、美容に関する知識はもちろん、ボディやフェイシャルにトリートメントを施す技術も必要になります。
最近は、リンパドレナージュの人気も高まっていて、アロマトリートメントの技術だけでなく、リンパドレナージュの手技を身につけている人も多くいます。
アロマセラピストになるには?
アロマセラピストになるには、どうすればいいでしょうか。海外では、国家資格として認めているところもありますが、日本ではアロマセラピストに関する国家資格・公的資格などはありません。
しかし、アロマセラピストとして施術を行うためには精油の知識やトリートメントの技術は欠かせません。それらを身につけるためには、下記の3つの方法があります。
・専門学校などで知識と技術を身につける
・民間資格を取得する
・未経験歓迎のサロンに就職する
それぞれ順番に解説しましょう。
知識と技術を身につける
アロマセラピストになるためには、アロマについての知識はもちろんのこと、トリートメントを行うための技術や、人体の構造やメンタルについての知識など、さまざまな技術や知識が求められます。
それぞれを独学で学ぶことも不可能ではありませんが、体系的なカリキュラムに沿って学ぶことで、より効率的に学ぶことができるでしょう。
学ぶ方法としては専門学校や認定校、通信教育といった方法があります。それぞれに特徴があるため、自分の学びたい内容や学ぶ目的に合わせて選びましょう。
専門学校で学ぶ
アロマセラピストを養成する専門学校は全国にたくさんあります。それぞれの特徴を良く調べて、自分に合った学校を見つけて通いましょう。
専門学校では、在学中にアロマ関連の資格取得が目指せるカリキュラムを組んでいる場合もあります。
認定校で学ぶ
アロマセラピーを学べるスクールはたくさんあります。学ぶ目的が趣味なのか、講師として活動するためなのか、お客様に施術をするためなのかしっかり決めたら、各スクールの案内を取り寄せて、費用や通学期間など自分の条件に合ったスクールを選びましょう。
日本アロマ環境協会(AEAJ)では、アロマセラピーに関する知識を取得する場として、独自の条件をクリアしたスクールを認定スクールとして定めています。認定スクールは全国にあり、誰でも通いやすくなっています。
通信教育で学ぶ
アロマセラピーを学べる通信講座は、ユーキャン・キャリカレ・たのまな・日本アロマセラピー統合医学協会などから多数用意されています。趣味でやりたい人からプロになりたい人まで多くの需要があり、学びやすいです。
テキストやDVDなどの教材で学べるほか、オンライン通信でリアルタイム講座を受けられるものもあります。計画的に学習を進められ、仲間やインストラクターの存在によってモチベーションを保ちやすい点がメリットです。
民間資格を取得する
日本では、アロマセラピーの資格は国家資格や公的資格ではなく、民間の協会によって認定されます。そのため、就職や開業するためにアロマセラピーの資格を取得していなければならないというわけではありません。
また、アロマセラピーはとても奥が深く、学習しなければならない内容は多岐に渡り、細かいことにも及ぶので、独学だけで習得するのはとても難しいです。そのため、アロマセラピーの資格を取得して正しい知識を深めることは、大変有意義です。
ただし、資格によってアロマの知識に重点を置いたもの、トリートメント技術に重点を置いたものなど、さまざまです。どんな職に就くために、何のスキルを証明したいかを考えてから、資格取得を進めると良いでしょう。
アロマセラピーに関する資格を認定している機関はいくつかあるため、そのうちの3つを紹介します。
公益社団法人日本アロマ環境協会 アロマ検定・アロマセラピーアドバイザーなど
公益社団法人・日本アロマ環境協会は、アロマセラピー検定、アロマセラピーアドバイザーの資格などを認定している、日本有数のアロマセラピー協会です。
「日本アロマ環境協会」の前進である「日本アロマセラピー協会」は1996年に設立され、アロマセラピーに関する正しい知識の普及・研究活動や、資格の認定など、さまざまなアロマセラピーに関連した活動を行ってきました。
2005年に環境省の所管で法人許可を受け「公益社団法人 日本アロマ環境協会」として新たに発足しました。
アロマテラピー検定には、「アロマテラピー検定1級」「アロマテラピー検定2級」があり、毎年5月と11月に実施され、年齢や経験などによる受験資格の制限もなく、何級からでも受験ができます。
日本アロマコーディネーター協会 アロマコーディネーター・インストラクターなど
日本アロマコーディネーター協会(JAA)は、1995年に設立され、翌年アロマコーディネーターの認定制度をスタートしました。アロマセラピー講座や、アロマハンドリラックス認定制度を始めるなど、いろいろな講座や資格を作り続けています。
アロマコーディネーターは、日本アロマコーディネーター協会の認定資格です。
「花や草から生まれる自然の香りのエッセンスの知識をもとに、自然の香りを感じながら、楽しくより豊かなライフスタイルを提案・実現でき、様々な場面でアロマを活かせる人」と定義され、この資格を得ることで、アロマセラピーの全般的な知識と技術を習得し、家庭や職場、アロマショップやサロンなど、さまざまな場面でアロマの効果を活かすことができます。
引用元
JAAアロマコーディネーター協会:認定試験の実施とライセンス発行
JAA日本アロマコーディネーター協会:アロマコーディネーター
一般社団法人日本アロマセラピー学会 基礎認定・トリートメント認定など
一般社団法人日本アロマセラピー学会は、1997年に活動を開始しました。
「アロマセラピーを医療で正しく応用することで医療分野でのアロマセラピーの普及に寄与する」「アロマセラピーの科学的・医学的な研究により学術としてのアロマセラピーの確立を目指す」などの理念を持ち、アロマセラピーを医療で利用する社会的認知度を高める活動をしています。
引用元
一般社団法人日本アロマセラピー学会:JSA認定制度2024
一般社団法人日本アロマセラピー学会:JSAについて
基礎認定では、アロマセラピーを医療に役立てるための基礎的な知識をカリキュラムを通して学び、受講後の確認問題で合格点を取ることで認定されます。
未経験歓迎のサロンに就職する
アロマセラピストの求人のなかには未経験・無資格での応募も受け入れているサロンもあります。そういったサロンでは研修などの教育を行っていることも多く、研修を受けて知識を身につけることが可能です。さらに、サロンによっては資格取得をサポートしてくれる場合もあります。
アロマセラピストの資格を取得するメリットとは
アロマセラピストとして働くために、必須となる資格はありません。しかし、実際の現場ではアロマ関連の資格を取得している人が大半とされています。また、資格を持っていることが有利に働く場面があります。
アロマセラピストとして資格を持っていることにはどんなメリットがあるか、ひとつずつ見ていきましょう。
就職や転職、キャリアアップに有利
資格を持つことにより、アロマセラピーに必要な知識やスキルを持っていることを証明できます。そのため、アロマ業界で働く場合、採用にあたって有利になりやすいでしょう。また、資格を持っていると資格手当がつく場合があり、給与アップも見込めます。
より専門的な施術でお客様に喜んでもらえる
学んで習得した自らの知識や技術に基づいてアロマを調合し、施術をすることによって、お客様の心や体が癒やされ、喜んでもらえます。
お客様の笑顔や感謝の気持ちがじかに伝わってくると、アロマセラピストとしてのやりがいを感じやすく、モチベーションアップにもつながるでしょう。
知識を自分自身にも役立てられる
独学ではなく、資格に裏付けされたアロマの知識や手技を身につけられることで、より日常のヘルスケアに活かしやすくなります。自分自身や家族のストレスを解消したり、癒したりすることに有効です。
また、アロマオイルを使用して作るアロマクラフトに活用することもできます。コスメやケア用品など種類は豊富にあるため、友人や同僚といった身近な人に、それぞれの悩みや好みにあわせてプレゼントするのもおすすめです。
アロマセラピストの主な就職先や活躍の場
アロマセラピストがその知識と技術を活かして活躍できる場は多岐にわたります。そのなかで主にどんな場に就職しているのかを6つ、紹介します。
1. アロマサロンに就職する
アロマセラピストやアロマセラピー関連の求人の情報は、一般の求人雑誌やサイトではあまり見かけませんが、アロマ協会のホームページやアロマセラピスト専門の求人サイトには、いつも何十件もの募集記事が掲載されていることもあります。
インターネットで、「アロマ求人情報」「アロマセラピスト就職」というキーワードを入れて検索すれば、アロマセラピストの求人情報が出てきます。
また、アロマサロンや、精油のメーカー、アロマ関連企業などのホームページにも求人募集が載っていますから、そういうホームページで探してみると良いでしょう。
求人情報には、アロマサロンなどでトリートメントをする仕事が最も多く出ています。アロマ スクールの講師やアロマショップのスタッフなども増えてきていると言えるでしょう。学びたい人が増え、自分でもアロマを購入して体験したい人も増えたからでしょう。
「初心者も応募可能」と書かれている場合もありますが、アロマセラピーの資格取得者や経験者を優先的に募集しているものが多いです。
採用される確率も有資格者や経験者の方がもちろん高いです。やはり本格的にアロマセラピーの勉強をして、資格を取得することが就職するための第一歩と言えそうです。
2. アロマ関係のお店でアドバイザーになる
「アロマセラピーアドバイザー」という資格があり、アロマセラピーのサロンなどで活躍できます。
アロマセラピーアドバイザーは、精油やアロマの関連商品を求めるお客様にアドバイスや接客販売をする仕事です。
講習やアロマテラピー検定試験の勉強で学んだことを活かし、アロマの利用方法や精油の選び方、アロマを使用したいシーンに適した使い方などを提案します。
また、精油の特徴やタブー、利用法、アロマセラピーを行うときの注意事項などをお客様に伝え、お客様からの質問に答えられる技量が必要です。
3. アロマセラピー講師になる
アロマテラピーインストラクターの資格を取得して、アロマセラピーの講師として活躍する方法もあります。カルチャースクールや専門のアロマスクールで、アロマセラピーの健康維持への役立て方や幅広い利用法といった正しい知識を指導する仕事です。
人に教える仕事のため、ふだんの利用方法や精油の特徴・タブーはもちろん、精油の化学や人体の解剖生理学など、高度なアロマの専門知識が要求されます。
インストラクター等の資格を取得した協会によっては、その協会の認定校として自分でアロマ教室を開き、講師となることもできるでしょう。
4. アロマ関係の企業に就職する
アロマに関係するイベントの企画・広報・商品の仕入れなど、企業によってさまざまな業務があります。アロマの知識のほかに、企画・広報などそれぞれの業務のスキルも必要です。
また、ペットアロマセラピスト、スポーツアロマセラピストなど、アロマセラピーはさまざまな場面で取り入れられています。
5. 独立開業してサロンを開く
アロマセラピストの資格を持っていれば、独立してサロンを開くことができます。一般には、企業に勤務して美容サロンなどで経験を積んだ人が独立するケースが多いようです。
勤めていたときに比べると、かなりの年収アップが見込めます。自分でチラシを作って配布したり、広告費をかけたりしてお客様を獲得するといった地道な努力をして、自分のサロンで成功しましょう。
6.医療や介護の現場で働く
アロマセラピーの知識や技術を、医療や福祉の現場で活かすことも可能です。そういった業界でも、メンタルケアや治療をスムーズに進めるための補助など、心や身体の不調へのアプローチとしてアロマセラピーが取り入れられつつあります。
アロマセラピストとメディカルアロマセラピストの違いや、おすすめの資格について詳しく知りたい場合は、下記の関連記事もチェックしてみてください。
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アロマセラピストの求人のなかには、未経験者も歓迎しているものも少なくありません。
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