SDGs Action部門 GOLD受賞企業インタビュー
株式会社storage(株式会社ストレージ)
美容 東京都
2021年に開催したリジョブアワード2021にて、GOLD賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
SDGs Action部門は、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsの目標を掲げて取り組んでいる企業に贈る賞です。
1.貴社が「SDGs Action」として取り組まれていることを教えてください。
柱となっているのは、美容師の未来のキャリアプランを⼤切に「多種多様な選択」がかなうサステナブルな環境です。「美容師のスペシャリスト」「技術部門責任者や店長」「海外でも通用する美容師」「storage幹部・美容室オーナー」のキャリアを提示し、SNS集客・各技術・撮影・ライティング・ヘアメイク・経営などの成長に必要な研修や機会を提供しています。
キャリアの多様性のひとつとして、ビューティシャン×アートをコンセプトに、美容師だけではなく、ネイリストやエステティシャンなどビューティシャン全職種対応で出店費用をかけずに独立できるシェアサロンの経営も行っています。こちらで働くことでより独立性高く働くスタッフもおります。
またスタッフが正社員か業務委託かを選べるのも大きな特徴のひとつです。どちらかを選んだらそのままずっといくというわけではなく、都度見直すことができるため、ライフプランにあわせることも可能になっています。フランチャイズ店のオーナーをしながら、本部スタッフも務めるなど、グループ内にいながらダブルインカムを達成することもできるんです。キャリアに関係なくさまざまなことにチャレンジできる環境が整っています。
ほかにはない取り組みとしては、育休明けに復帰した社員には18万円の支援金を支給しています。美容師のなかには子育てをしながらの仕事に不安を覚え、出産を機に辞めてしまう人も多いのが現状です。もちろん本人の希望であれば仕方がないですが、本当は美容師を続けたいのに、辞めなくてはならないのはとてももったいないので、復帰に対して背中を押す意味合いを込めて支援金を出しています。
さらにstorageでは地球環境への配慮も行っていますね。全店LEDを導入するとともに、ヘアドネーション、カラーチューブのリサイクル回収、店舗商品のオーガニック化にも取り組んでいるところです。とくに店舗商品のオーガニック化は今もっとも力を入れており、来年には「haCo」というオーガニックシリーズが発売になります。オーガニック商品が売れていけば、業界全体にもオーガニック商品の割合が増えていき、地球にやさしい取り組みになるかと思います。
2.取り組もうと思った背景や想いを教えてください。
美容業界を見ると、美容室自体は25万軒で増加の一途をたどっていますが、美容師として安心して働ける環境があるとは言いがたいのが現状です。それは美容師の平均年収が313万円と、一般的な職業よりも低いところからも見てとれます。原因としては顧客数を増やす、顧客単価を上げるといったノウハウを持つ美容師が少なく、また美容室の待遇もあまり良くないという点があると思いますので、安心して長く働ける環境整備、社員教育は急務と言えるのではないかと。
storageは2017年創業ではありますが、分社前の2006年から美容室を運営しているので、さまざまなノウハウを蓄積しています。どんな美容師でも5年10年と安心して長く働けるために、業界比でも高い報酬額を実現し、美容業界の重要な課題でもある待遇の改善と独立支援を行っているのです。このように働く従業員のため、地域、環境のためにとっていた行動が、結果としてSDGsになっていたというところがありますね。
3.「SDGs Action」において一番大切にしていることを教えてください。
トップダウン、本社主導でアクションを起こすのではなく、現場からあがった「こんなことをやってみたい」という声を、本部が精査し広げていくということを大切にしています。たとえばカラーチューブのリサイクル回収は、三軒茶屋店から起こった取り組みで、それがだんだんと広がっていきました。
そしてもうひとつが「まずはやってみる」。さきほどお伝えしたことと矛盾しているように感じるかもしれませんが、ときには本社から「一回やってみよう」と提案することもあります。その行動によって何か変化が起きれば、社員にもやる気が広がっていくはずですので。
また目的を明確にすることも大切にしています。何のためにやるのか、どんな成果につながるのかを意識したうえでSDGs Actionを起こしていくのが何より重要なのかなと。そうしなければ目的と手段が入れ替わったり、形骸化してしまいます。ただただ地球のために、会社のために必要なものだからと推し進めるのではなく、社員の想いも大切にしながら進められるようにしていますね。
4.「SDGs Action」に取り組まれての変化を教えてください。
まずは社員にかなりエコ意識が広がりました。たとえばカラーチューブリサイクルですが、空っぽにならないとリサイクルに出せないんです。スタッフも日々忙しく仕事をしていますので、今までは少し残っていても捨ててしまっていたこともありましたが、カラーチューブの取り組みが始まってからは最後まできちんと使い切るようになりました。これが結果的に、材料費の削減にもつながりましたね。
もうひとつは賞を受賞したり、一般社団法人日本ノハム協会というSDGsを推進する団体から、美容業界で初の認定を受けたということもあって、社内のSDGsへの動きが加速しました。取り組むから評価され、評価されるから動きが加速するといういい循環になっていると思います。
5.貴社の今後の目標を教えてください。
美容師がstorageに入って心からよかったと思える会社にしていくことが、今後の目標です。働き甲斐もあってイキイキと働けるような環境を整え、離職率を今以上に下げていきたいです。そうやって社内にパワーが満ちていけば、地域や地球環境への貢献もますます加速していくと考えています。我々にはもうひとつ、2024年までに50店舗を達成するという目標もあるんです。社会的にも受け入れられる会社でなければ出店もできないですし、スタッフも集められません。SDGsの取り組みを続け、目標を達成したいです。
6.最後に、仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。
とにかく一度、弊社に飛び込んでみてほしいなと思っています。我々は何かに特化したサロンではなく、どんな美容師でも自分の居場所だと感じられるような環境を作っていますので、今の職場に悩みがあったり、人生の岐路に立っている方はぜひ弊社に気軽にご連絡ください。応募いただければ、その人の人生が変わるような環境をがんばって整えます。もし一緒に働くことになったときは、がんばりましょう!
受賞コメント
(インタビュー対象者:N° anfeel 店長・雨宮 瑳弓さま)
我々がとっているアクションの裏側にある想いまで評価いただいた結果だと思っていますので、とてもうれしかったです。一部の社員だけが携わっているわけではなく、会社全体で取り組んでいますので、今後の励みにしていこうと思っています。