SDGs Action部門 BRONZE受賞企業インタビュー

株式会社M.O.E.

美容 神奈川県

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2021年に開催したリジョブアワード2021にて、BRONZE賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
SDGs Action部門は、持続可能な社会の実現に向けて、SDGsの目標を掲げて取り組んでいる企業に贈る賞です。

受賞コメント

(インタビュー対象者:株式会社M.O.E. 取締役 栗田保幸さま)

会社自体が2年前からSDGsという言葉を掲げて、環境問題や社会貢献に取り組んできました。その中でもLGBTQ+に着目し、美容業界での男女平等やジェンダーレスについて意識しているので、それを多くの方、そして多くの企業にアピールできる機会になったのがうれしいです。

1.貴社が「SDGs Action」として取り組まれていることを教えてください。

SDGsの目標の1つ「ジェンダー平等を実現しよう」という項目に力を入れています。具体的には積極的にジェンダー平等について話ができる環境づくりです。「さまざな個性や価値観を、一つのサロン、一つの会社の中で承認し合いましょう」といった会社としての考え方を資料にまとめ、まずは約300人の社員と共有しました。文章だけだと伝わらない場合もありますので、動画やポップも定期的に制作しています。その上で活動の内容をSNSや求人媒体などで積極的に広めました。

2.取り組もうと思った背景や想いを教えてください。

きっかけはP&Gさんのヘアケアブランド、パンテーンが行っている「#Pride Hair」という活動です。そこで女性の心を持ちながら男性の容姿に生まれてきたり、その逆もあったり「いま困っている人達がいる」ということを改めて認識しました。たとえば「本当は男性らしく髪を切りたいのに、周りの目を気にしてロングの髪のまま生活をしている」そういった方がいらっしゃる現実を詳しく知り、まずは髪型やメイクに携わる美容業界から変わる必要があるのだと実感したのです。

私と同じく、こうした現状について、まだまだ詳しく知らない方は多いでしょう。その中で弊社ができることはないのか、少しでも世間のお役に立ちたいと考えました。目指しているのは「髪を通して一人一人の個性がより輝く社会」。「世間を変える」といった大げさな活動ではなく、そういったジェンダーの問題があることを広めて、皆で考えるきっかけづくりをする手助けです。

3.「SDGs Action」において一番大切にしていることを教えてください。

継続することです。そのためにはスタッフの負担を生まないことが重要だと思います。どんな大きな目的や目標を掲げても、皆が乗り気でなければ次第に風化してしまう活動もあるものです。スタッフ全員が気軽に意識できる、自然と続けられることが一番大切。

実際に会社から「LGBTQ+に対して意識を変えましょう」と発信をした後は、スタッフたちが「ではポップ貼りましょう」「そういう会話を増やしましょう」など自発的に活動を発展させてくれました。負担になるような取り組みではありませんので、それが段々と習慣化していったんです。それが当たり前のこと、習慣だったものが文化に変わりました。

4.「SDGs Action」に取り組まれての変化を教えてください。

LGBTQ+の象徴であるレインボーのポップを店頭に置くだけで変化がありました。具体的な文章などは書いていなくても、ジェンダーについて悩みがあるお客さまご自身から、自然と会話の糸口をいただけるようになったんです。こうした話題は、なかなか美容師からすることは難しいものですから。髪型をボーイッシュにするのか、それともメンズにするのか、これまで手探りだったものが、よりスムーズに会話が進むようになったとスタッフからも評判です。この活動をきっかけにカミングアウトをしたLGBTQ+当事者のスタッフも3人ほどいました。

また「このポップがあったから髪を切りに来た」というお客さまもいらっしゃいます。たとえば、とある九州からのお客さまは、こうした取り組みを行う美容室が地元にはなく、カットとカラーのためだけに上京されているそうです。

5.貴社の今後の目標を教えてください。

美容室選びに困っているLGBTQ+当事者の方は、九州だけではなく北海道や四国、沖縄など、全国各地にいらっしゃるはずです。そういったエリアに弊社が出店することで、お悩みを解決する手助けができるのではないかと考えています。

また、弊社に所属するLGBTQ+当事者は、男性の気持ちも、女性の気持ちも分かる人気者ばかりで多方面で活躍しています。子供のころから自分の容姿について悩んでいたという共通点もあり、お客さまが抱えているさまざまなお悩みに対しても、驚くほど共感することができるんです。解決法を知っていることも多く、髪型だけでなく振る舞い方なども、お兄さんやお姉さんとして適切なアドバイスをくれます。弊社が拠点を増やすことで、そういった方々の活躍の場が広がることにつながれば非常に喜ばしいことですよね。

6.最後に、仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。

今はまだLGBTQ+に対して理解が進んでいない地域は数多くあるでしょう。LGBTQ+当事者を受け入れることになれていない企業も多いようです。東京では徐々に理解が進んでいますが、地方では依然として環境が整っていないというお話もよく耳にします。近い将来、活動は必ず全国に広まり、それが当たり前になる世界がきます。そういう世界を一緒に作っていきたいですね。

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