働き方のダイバーシティ部門 GOLD受賞企業インタビュー

株式会社LIMOX

美容 神奈川県

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2021年に開催したリジョブアワード2021にて、GOLD賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
働き方のダイバーシティ部門は、従業員が働きやすい環境を作るために、新しい制度や福利厚生を取り入れ、多様な働き方を推進している企業に贈る賞です。

受賞コメント

(インタビュー対象者:株式会社LIMOX 代表 森康治さま)

これまで社内で行っていることは、あまり公言してきませんでした。他の企業を比較対象にしたこともありません。そのため自分達が大海原のどこを進んでいるのか、少しの不安はありましたので、今回の受賞は自信につながりました。素直に嬉しいと思います。

1.貴社が「働き方のダイバーシティ」として取り組まれていることを教えてください。

福利厚生を重視するなら正社員、高収入を目指すなら業務委託、副業や兼業もOKなど、働き方が自由に選べます。たとえば正社員の契約でも、週30時間以上の勤務、年間休日94〜165日という法律の範囲内であれば選択が自由です。

休日は土曜、日曜、祝日からも選べて、もちろん残業はありません。練習用のマネキンは支給しますし、練習時間も勤務の内です。緊急時以外は突然電話もせず、基本的な連絡はLINEを活用しています。わずらわしい上下関係も一切ありません。

顧客とのコミュニケーションやカットに集中できるよう、雑務を減らすためのテクノロジーも導入しました。自社開発の自動受付アプリをはじめ、ロボット掃除機や自社タオル工場、予約専門コールセンターなどを揃えています。当たり前のことですが、スケジュールびっしりに予約を詰め込むようなこともありません。

ここは会社というより、個人の活動をバックアップする乗り物のような場所です。教育費用などの初期投資が発生しなければ出入りも自由。辞めた後で、すぐに戻ってきても問題ありません。「誰もが自分らしく、自分の価値観を他人に侵害されず、自己実現が叶えられる環境」をスローガンにしています。

2.取り組もうと思った背景や想いを教えてください。

20代前半、私が東京で美容師を始めたときは、朝8時から夜中1時過ぎまで働き詰めの毎日でした。月4回の休日もカットモデル探しに明け暮れ、心身ともに休まる時間はほぼ無かったと思います。それはそれで貴重な体験でしたが、できれば後世には残したくない慣習だと考えていました。

25歳からはヨーロッパ各地やオーストラリアなど海外の美容室を渡り歩き、そのなかで得た経験も現在の取り組みの源泉になっています。たとえば職場では、宗教によってお祈りの時間が設けられていたり、断食の期間があったり……多様な人種や価値観、文化、思想、宗教が混在しているのを直接肌で感じることができました。顧客の好みも多様性に富んでいるだけでなく、さまざまなタブーまで存在しています。そのなかで「自分は自分、相手は相手」という相互関係が成り立っており、それは気楽で居心地の良いものでした。

そんな環境を作ろうと28歳で独立して約10年間、皆が「自分らしく働ける」ことを目指し続けてきました。新型コロナウイルスの影響により苦境にも立たされましたが「人生は1度しかないから、悔いがないようにもっと振り切ってしまおう」と、ダイバーシティの推進スピードを上げる大幅なアップデートを開始したのです。

3.「働き方のダイバーシティ」において一番大切にしていることを教えてください。

異なる価値観を受け入れる環境作りです。皆が「自分らしく働ける」ようにするためには、自分だけではなく他の人も「自分らしく働ける」よう、それぞれの価値観を受け入れる努力が必要になります。「皆が我慢してるから、あなたも我慢すべき」といった同調圧力が大きな障害になるのです。

その解決策として個々が本音を出しやすい、フラットな人間関係を築く必要がありました。イメージとしては従来のピラミッド型ではなく、キャンプファイア型の組織です。どのような役職であっても、その地位に高低差などは存在しません。

4.「働き方のダイバーシティ」に取り組まれての変化を教えてください。

管理職については30%ほど女性を増やしたことで、結果的に風通しが良くなりました。職場内でのコミュニケーションが円滑になっただけでなく、決められたルールではない、個々の倫理観に基づいた行動が増えているように感じています。

自分で休日を組めるようになったり、雑務が少なくなったり、皆のライフワークバランスが向上することは、顧客に対するパフォーマンスにも大きな影響を与えました。1度目の緊急事態宣言下では開店休業のような状況にも陥りましたが、次第に週末だけでなく平日も満席が続くようになったのです。

大幅な変革をはじめてから1年後、大手広告会社が開催するイベントにて、5店舗中2店舗が全国トップクラスの利用者数として表彰を受け、1店舗がエリア別の賞を獲得しています。ちなみに新しいお店も増え、現在は6店舗を展開中です。

5.貴社の今後の目標を教えてください。

会社のビジョンは「既存業界の悪い慣習にイノベーションを起こし、もっとスタッフが自分らしくいられて、それを顧客に還元できる社会インフラを作りたい」というものです。その方針は今後も変えず、テクノロジーで補う領域を増やしたいと考えています。現在は自動レジやPOSシステムの開発によって効率化を図っており、それが実現できればフレックスタイム制も導入する予定です。

ほかにも窓から美しい夕日を眺めることができる高層階のお店や、スタッフルームを取り払ったコワーキングスペースのように開放的なお店など、新しい店舗展開も考えています。創造性を刺激したり、心に余裕を持たせたり、美容師とは別の副業を行っている人も快適に活動できる環境を作りたいですね。

6.最後に仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。

ここは自分の本音が自然に話せる、柔らかくてフラットな環境です。朝起きたときに「仕事に行くのが嫌だな」とは思わせません。労働生産年齢は45年間あります。人生は自分が楽しむためにあるはずです。ちょっとでも興味があったら、ぜひお声掛けください。

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