働き方のダイバーシティ部門 SILVER受賞企業インタビュー

ヒールプランニング株式会社

リラクゼーション 東京都

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2021年に開催したリジョブアワード2021にて、SILVER賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
働き方のダイバーシティ部門は、従業員が働きやすい環境を作るために、新しい制度や福利厚生を取り入れ、多様な働き方を推進している企業に贈る賞です。

受賞コメント

(インタビュー対象者:ヒールプランニング株式会社 代表柿本圭介さま)

まだまだレンタルサロン方式の働き方は浸透していませんので、今回の受賞が世の中に認められる一歩になることを願っています。受賞したことが嬉しいというよりは、新しい雇用のあり方の未来への展望が開けたような気持ちです。一般的な雇用契約ではなく、面接の段階で不安を感じる方もいらっしゃいますので、リジョブアワード2021の受賞が安心材料につながることを期待しています。

1.貴社が「働き方のダイバーシティ」として取り組まれていることを教えてください。

3つの直営店をレンタルサロン方式に切り替えました。それまでの業務委託契約では、会社からスタッフに報酬を支払っていましたが、新しい方式ではお客さまの利用料金が直接スタッフに入ります。そうして得た利益から、スタッフが会社にあらかじめ決まっている定額のレンタルサロン代金を支払う仕組みです。

完全歩合制の場合は、スタッフ間でお客さまを取り合う状況になりかねませんが、レンタルサロン方式では違います。ポイントは「スタッフ全員で集客を行う」ところです。SNS、ブログ、メルマガ、ポスティングなど、それぞれが得意とする集客を行い、来店したお客さまについては公平に担当を割り振ります。そのため、一般的なレンタルサロンと違い、お客さまを抱えていなくても稼ぐことができるのです。出勤時間やメニュー内容についても、スタッフの皆さんで話し合っていただき、自由に決めてもらっています。

2.取り組もうと思った背景や想いを教えてください。

一般的にリラクゼーションサロンや整体院は、お店ごとに施術の内容が決められているものですが、弊社は10年ほど前から「個人コース」を取り入れました。オイルを用いたマッサージ、木槌で行うトークセン、ソフトな手技が特徴のオステオパシーなど、スタッフそれぞれが学んできた技術を発揮できる場を設けたのです。金額設定はスタッフの自由で、もみほぐしの基本料金だけを会社の売上にするというシステムでした。その発展型がレンタルサロン方式です。4〜5年前から試験的に導入し、徐々に制度を整えてきました。

2023年10月から実施されるインボイス制度の影響も大きいです。業務委託契約の場合、消費税を加えた報酬をスタッフへ支払っていましたが、売上1,000万円以下のスタッフは免税事業者ですので消費税を納税する必要はありませんでした。つまり消費税である10%分が報酬に上乗せされていたのです。しかし、インボイス制度が実施されると、会社が消費税を上乗せして、免税事業者であるスタッフに支払うことが難しくなります。

レンタルサロン方式の場合、売り上げを税務署に申告するのはスタッフです。お客さまから消費税をいただいても、免税事業者であるスタッフに消費税を納税する義務はございません。そのため、今までと変わらない報酬を受け取ることができます。

3.「働き方のダイバーシティ」において一番大切にしていることを教えてください。

最も重視しているのはスタッフのモチベーションです。レンタルサロン方式はパーセンテージ契約ではなく1日分の定額料金を会社に支払う仕組みであり、集客や施術を行うほど収入アップに直結します。経済的に満足できる収入だけを確保し、その分だけプライベートの時間を増やしていただいても構いません。また独立開業を視野に入れ、特別な技術を試したり、高めたりする場と捉えているスタッフもいます。

弊社に「お客さまを独占しよう」といった考えはありませんので、レンタルサロン方式で新規顧客を獲得してから独立しても問題ありません。実際に、この近所にも元スタッフのお店が3店舗ほどあります。モチベーションとチームワークを大切に、周りのお店とも協力しながら、皆で業界を盛り上げていくことができたら嬉しいですね。

4.「働き方のダイバーシティ」に取り組まれての変化を教えてください。

業務委託契約の場合、スタッフの報酬は日給ベースで平均11,000円台でしたが、レンタルサロン方式に切り替えてから15,000円以上になりました。報酬が少ない方でも12,000円以上、なかには20,000円以上のスタッフもいます。

そうした姉妹店での成功例があっても、当初は「レンタルサロン方式に切り替えるなら辞めます」と、スタッフから反発を受けた店舗もありました。やはり新しい一歩を踏み出すのには不安がつきものです。2年近く説得し、仕組みを切り替えた半年後には「レンタルサロン方式にして良かった」と、無事そのスタッフにも喜んでもらえました。

また個人で独立開業した場合、ネット広告やSNSなど多方面から集客しなければならず、手が回らないケースが多いのですが、レンタルサロン方式ではスタッフ全員で集客作業を分担することで、負担が大きく軽減されます。スタッフ一人ひとりが特定の集客方法に集中することで、その専門知識が増えるため、相乗的な集客効果が生まれ、お客さまの数も導入以前より増加しました。

5.貴社の今後の目標を教えてください。

インボイス制度がはじまると、多くのフリーランスや個人事業主が減収になる恐れがあります。そういった方々のモデルケースになることが現在の目標です。その他にもスタッフの金銭的なモチベーションの維持、ライフワークバランスの充実、技術の向上や独立の準備などにも役立つ、レンタルサロン方式は非常に優れた仕組みだと思っています。

会社としての売上が増加する訳ではありませんが、経営や宣伝について考える負担がなくなり、運営上の多くのストレスから開放されました。売上がスタッフからのレンタルサロン代金だけになりますので節税対策としても有効です。私の場合は、空いた時間を利用してネット物販の新事業をはじめ、それが軌道に乗ったことで結果的に会社は収入的にも拡大しています。

6.最後に仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。

先が見えない不安定な世の中で「どういった働き方が自分に合っているのだろう」と悩んでいらっしゃる方も多いと思います。そのひとつの解決策として、レンタルサロン方式での働き方を提案させていただきたいです。

ここでは自分の仕事の対価を自分で決めることができます。やりたいことがあれば、それができる環境を整えています。自由に物販をしていただいても構いません。アロマオイルやサプリメントのほか、自作の絵本を店内で販売しているスタッフもいます。

まだレンタルサロン方式は一般的ではないため、不安に思うこともあるかもしれません。それでも、私はこの仕組みがワーキングプアの問題の解決につながると考えています。特に独自の技術をお持ちの方には、ご満足いただける環境のはずです。ぜひ、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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