働き方のダイバーシティ部門 GOLD賞受賞企業インタビュー
株式会社アリー
2024年に開催したリジョブアワード2024にて、GOLD賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
働き方のダイバーシティ部門は、従業員のキャリアや、ライフスタイルに対して柔軟に職場環境の提供を行っている企業に贈る賞です。
Q1. 「従業員のライフスタイルの多様化」に取り組まれている貴社ですが、実際に取り組まれていることを教えてください。
弊社は、スタッフのライフスタイルに合わせて雇用形態や働き方を変えられる自由度の高い環境になっています。具体的にいうと、結婚や出産など生活に変化があった場合、パート、正社員、時短正社員(1週間あたりの労働時間が比較的少ない)といった雇用形態を自由に行き来することができ、体力面や収入面において無理なく働けます。
また、シフトは管理職が介入せず自由に組むことが可能です。前月15日を目処にシフトは一度提出してもらっていますが、お客様の予約が入っていないのであれば前日の変更も可能なためお子さんや家庭のことで急きょ何かあったときにも対応しやすくなっています。また管理職の介入を省くことで余計なストレスをなくし、休日の取得も変更もしやすい環境です。育休などの長期休暇や有給、社会保障など福利厚生の面に関しても一般職と遜色ない充実度になっています。
Q2. 取り組もうと思った背景や想いを教えてください。
スタッフのコンディションを高く保てる環境が整備できれば、サービスの質が向上してお客様の満足度につながると考えたからです。私はもともと美容師として働いていたのですが、20代後半に他業種に転職。それから20年近く美容業界を離れていました。新たな事業をスタートしようと考えた際に美容業界の待遇や環境が一般職と乖離していることに着目したんです。現役で働いていたときから低賃金や短い休憩時間など業界として改善すべき課題は浮かんでいて、体調が万全だったらもっといい施術を提供できたと思った経験もありました。
しかし、数十年経っても業界は変化をしていない。その事実に衝撃を受け、この会社ではすべての問題をクリアした働きやすい環境を実現しようと思ったのです。
Q3. 「従業員のライフスタイルの多様化」を実現するにあたり、一番大切にしていることを教えてください。
働きやすい環境を決めつけないことを大切にしてきました。というのも一昨年、私に子どもが生まれ子育てをする立場になってみて、それまで用意していた環境は経営者側が想像した働きやすさでしかなくて、本当の意味での働きやすさではなかったと気づいたんです。
働きやすい環境というのは、スタッフの性格や環境によって違うので第三者には決められません。そのため、弊社では働きやすい環境を決めつけて与えるのではなく、スタッフ本人が理想とする環境を叶えられるように制度を幅広く設けて、選択できるようにしているのです。
Q4. 「従業員のライフスタイルの多様化」に取り組まれてからの変化を教えてください。(実績成果やエピソード等)
スタッフの総数と子育てをしながら働くスタッフが増えました。スタッフの総数については、美容業界の課題として人材不足があり、多くのサロンが注意を払っているポイントになるのですが、弊社では人材の雇用が比較的順調です。また、これまでは30代〜40代のスタッフがほとんどでしたが、最近では20代のスタッフも増え年齢層の幅も広がっています。自由な働き方を求める人が多い20代のニーズにも応えられている形です。
子育てをしながら働くスタッフも年々増加してきており、自ら体調やモチベーションと相談して生産性の高い働き方をしています。実績として、2022年に「ふじのくに子育てに優しい企業」という、静岡県の評価制度で表彰をいただきました。この評価制度は名前通り子育てしやすい環境づくりに取り組む企業を評価するもので、一般企業の大企業から中小企業まで幅広くノミネートされるのですが、美容業の企業としては初の表彰だったとお聞きしています。一般企業に混じっても高いレベルで働きやすい環境づくりに取り組めていると実感しています。
Q5. 貴社の今後の目標を教えてください。
スタッフの要望により柔軟な対応ができるよう制度のアップデートを常にしていきたいと考えています。あわせて美容師という仕事を純粋に楽しんで打ち込めるような環境づくりも検討中です。サロンワークだけでなく雑誌やイベントでのヘアメイクなどにも挑戦したいというスタッフもいるので、会社としてフォローできるような体制を整えていきたいと思っています。
Q6. 今後業界がこのように変化してほしい、業界をこのように変えていきたいという想いはありますか?
美容師は「小学生のなりたい職業ランキング」にはよく入りますが、中学生、高校生と進級していくにつれてその順位は下がっています。その理由に、私は業界の待遇や環境からくるブラックなイメージがあると思っています。小学生は打算抜きに仕事への憧れで選びますが、歳を重ねると収入だったり働きやすさだったりと現実的な部分で判断するのではないかと。私はいくつになっても美容師に憧れる人が多くなるよう業界を変えていきたいと思っています。
Q7. 最後に、仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。
弊社の職場環境は、多種多様な働き方ができると自信をもって言えます。シフトや雇用形態などが自由なので働き方も融通が利き、スタッフの年齢層も幅広いため悩みを抱えたときにはさまざまなアドバイスを受けることも可能です。また将来や環境に不安を覚える方のためにも、安心して働けるようサポートや環境づくりに徹していきたいと思っています。今後入社を検討していただけるという方はお気軽にご連絡ください。
受賞コメント
(インタビュー対象者:代表取締役 井口和記さま)
昨年の優秀賞に続き、この度はGOLD PRIZEを受賞させていただき、誠にありがとうございます。数々の企業様が「働きやすさ」へのさまざまな工夫や追求をされているなか、弊社の取り組みを評価していただき大変光栄です。
受賞については、日頃ご愛顧いただいているお客様をはじめ、日々真摯に働いてくれているスタッフのおかげだと考えています。他社の方から環境や制度の拡充を評価いただけたことで、スタッフたちが自身の働く環境に対してさらなる自信を持ち、喜んでくれたことが何よりもうれしいです。今後もスタッフがやりがいと安心感を持って純粋に美容師を楽しみ、より多くの実りを手にできる環境を作れるよう邁進して参ります。ありがとうございました。