スタッフエンゲージメント部門 GOLD賞受賞企業インタビュー
株式会社神楽
リジョブアワード2025にて、GOLD賞を受賞した企業のインタビューをご紹介。
スタッフエンゲージメント部門は、業界で働く一人ひとりが自分らしく働き続けるために、働きがいのある職場環境を実現されている企業に贈る賞です。
Q1. 貴社が「得意やスキルを活かす働き方」において取り組まれていることを教えてください。
徹底したデータドリブンマネジメントでスタッフそれぞれの個性や強みを把握し、自分らしく働ける環境を整備しています。数ある取り組みのなかでも力を入れているのが、「タレントチェック」「タレントサーベイ」「タレントスパーク」の3ポイントで構成された「才能開花のはずみ車」という独自のサイクルです。
「タレントチェック」は性格や得意、不得意なことなど属人的、クローズドになりがちな人材スキルをAIとデータベースを用いて可視化します。9216通りのなかからタイプが診断されるのですが、この結果を通して各スタッフとの適切なコミュニケーション方法がわかるため、コミュニケーションエラーが発生しづらい環境を実現できています。
「タレントサーベイ」では独自の組織サーベイシステムを用いて、毎月すべてのスタッフの心の健康診断を行っています。悩みが生まれたときに相談できる上司はいるか、辛いことがあったときのメンタルの保ち方がわかっているかなどの質問を通してメンタル状況を数値化。点数が高いほど安定していることになるのですが、あまりにも低い方がいらっしゃったら面談の場を設けたり、企業として環境改善に取り組んだりします。
また、点数が高い方にも面談を設定してメンタルの保ち方やタレント性の高め方などをヒアリングし、再現性のあることを抽出して全スタッフにノウハウとして共有しています。
最後の「タレントスパーク」では独自の人事評価制度を運用。評価に応じて金銭報酬だけでなく、全体表彰などの感情報酬を得ることができ、組織全体のモチベーションアップにつながっています。それにより、がんばるほど評価、賞賛される環境のため全員がやりがいや楽しさを感じながら前向きに挑戦できる文化が生まれました。また半期に1回、タレントチェックのデータとあわせて中長期的なフィードバックも行っています。
これらの取り組みを循環して行うことで、スタッフの才能・タレント性を早期的に発見し、新卒1年目で店長昇格など通常では難しいキャリアアップも実現しております。
Q2. そのような働き方を支援しようと思った背景や想いを教えてください。
アイブロウサロンの事業をはじめてから、多くの求職者と話すなかで決して働きやすいとは言えない職場環境が業界内に存在することを知りました。例えば、終業後は毎日のように終電まで練習を行う、退職を希望しても先延ばしにされるなど。私はもともと他業界の会社経営を行っていたこともあり、すごく衝撃を受けたんです。そこで、好きや楽しいというポジティブな気持ちで美容業界を目指しはじめた方が、希望を失わない環境を作りたいと考え、現在の取り組みを行っています。
Q3. スタッフが“専門性を伸ばしていける”環境作りで、特に意識していることはありますか?
率直に提案、相談しやすい関係性を築くことです。現場の状況を正確に把握しなければ、課題を解決できなかったり、現場を誤った方向に導いたりしてしまうかもしれません。現場スタッフもお客さんの1人だと考えて、誠実に接することでいい関係性を目指しています。また、現場は何を思っているのか純度の高い情報を得るために、情報共有のなかで伝達者の主観による情報の濁りが起きないよう独自の防止策を導入するなど細心の注意を払っています。
Q4. 取り組みを通じて、実際に活躍されているスタッフの声や印象的なエピソードがあれば教えてください。
現場スタッフたちが企画した事業責任者の誕生日会のときに、多くの方から感謝の気持ちを伝えられる場面がありました。なかでも前職時代は辞めたいと常に考えていたような方が「今は毎日のように楽しいと感じながら働けている」、独立を見据えて入社した方が「神楽の成長を見ていきたいから今後もスタッフとしてサポートしたい」と言ってくださったことは印象に残っていますし、うれしかったです。
Q5. ここまでお話いただいた取り組みによって感じた職場やスタッフの変化・成果があれば教えてください。
高い成果を出し続けるスタッフが増えました。印象的なのは未経験ながら入社10ヶ月目のときに給料52.5万円を獲得した方です。高い接客力を活かした施術で売上を伸ばしていたので、タレントチェックで抽出したノウハウを共有した結果、同じ店舗で働くスタッフの売上が向上し、平均月収が40万以上になりました。また、実際に退職したスタッフは、やむを得ず退職となった1名のみであり、非常に低い離職率を実現しています。これまでほとんどのスタッフが辞めていないのは、スタッフが自分らしく働ける環境を提供できているからだと思います。
Q6. 今後、さらに挑戦したい育成方針や新たな取り組みがあれば教えてください。
スタッフが生涯美容業に携われるような事業体を作っていきたいと思っています。具体的にはまだ考えられておりませんが、バックオフィスや商品開発などアイブロウリストとして働くなかで培った知識やスキルを活かした仕事のイメージです。アイブロウリストという職業は一生できる仕事ではありません。実際、30歳前後を機に転職したり、結婚や出産などライフステージの変化をきっかけに退職したりする方が多いです。新たな事業体にスタッフ全員を流すことができれば、企業としては優秀かつ信頼できるスタッフを新たな事業に充てられますし、スタッフとしては同じ企業で働き続けられるという安心感を獲得できると思います。
Q7. 最後に、自分の“得意”や“好き”を活かした働き方をしたいと考えている方へメッセージをお願いします。
自らの個性を武器にして働けた方が楽しく生きていけると思います。ただ、個性をそもそも発見できなかったり、発見できても仕事に活かせなかったりするのがほとんどかと。弊社には、人の主観によっても良し悪しが変わる個性を、データを用いて客観的に発見し、活用までサポートする環境があります。もし興味がありましたらご相談だけでも構いませんので、お気軽にご連絡いただけますとうれしいです。
受賞コメント
(インタビュー対象者:代表取締役 福田雄二さま、撮影対象者:稲葉友翼さま)
この度はGOLD賞をいただき、誠にありがとうございます。これまで「ここで働いて本当によかった」とスタッフに感じてもらえる会社を目指し、さまざまな取り組みを行ってまいりました。今回、このように第三者の方から評価をいただけたことで、取り組みが自己満足ではなかったと報われた気持ちになり、大変嬉しく思います。