働き方のダイバーシティ部門 GOLD賞受賞企業インタビュー

株式会社マジックハンズ

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リジョブアワード2025にて、GOLD賞を受賞した企業のインタビューをご紹介。
働き方のダイバーシティ部門は、業界を盛り上げるため、従業員が柔軟に働ける環境づくりを実現されている企業や社外に向けての取り組みを積極的に行っている企業に贈る賞です。

受賞コメント

(インタビュー対象者:代表取締役 上原健志さま)

業界活性化セクションのGOLD賞受賞、誠にありがとうございます。弊社では店舗運営、スクールなど複数の業態の運営を行っていますが、今回評価いただいた「整体日本一決定戦 2024」は昨年行った初めての試みになります。さまざまな紆余曲折がありながらも、たくさんの方のご協力とご支援をいただきながらなんとか成功させることができたこの大会を評価していただき、非常にうれしく感じております。

Q1. 貴社が「業界全体を盛り上げるために行っている社外への取り組み」について教えてください。

昨年、2024年12月11日と12日の2日間にわたり、東京・秋葉原のアキバスクエアにて「整体日本一決定戦 2024」を開催しました。この大会は、施術ジャンルを問わずに全国から集まった整体師、セラピスト、治療家たちが自らの技術を競い合って日本一を決める、業界最大級のイベントです。

セラピスト業界においては、社内や協会単位での大会は各地で開催されてきたと思いますが、そういった枠組みを超えて広く一般的に出場者を募集するような大会はほとんどないのが現状でした。セラピストには流派のようなものが存在しますので、その垣根を超えて一堂に会する機会自体が珍しいことです。

本大会の大きな特徴は、公平な審査を徹底するためにモデルがランダムに割り当てられること、そして施術のビフォーアフターの効果を、AIによるデータ判定で可視化するという革新的な方法を取り入れていることです。この仕組みによって、各参加者が異なる理念や手技を持つなかでも、公平で客観的な評価を行うことが可能になりました。

出場者は初戦、2回戦、準決勝を勝ち抜き、最後は精鋭5名による決勝戦を行いました。決勝戦は業界を代表する有識者で構成された審査員によって厳正な審査が行われ、優勝者には100万円の賞金に加えて海外の整体ツアーやテレビ出演権の特典が進呈されました。

大会を振り返ると出場者は約250名、会場にはのべ1200名の来場者が訪れました。またスポンサーは20社にのぼり賞金総額が300万円。特別審査員には日本のカイロプラクティック界を代表する第一人者である塩川満章氏に参加してもらうなど、業界を巻き込む形でさまざまな方から支援をいただき大変盛況のまま幕を閉じました。

参加者からは「ぜひ2025年も開催してほしい!」とのリクエストが多数寄せられましたので、今年はさらにパワーアップした大会の開催に向けて準備を進めているところです。

Q2. そのような活動を始められた背景や、込められた想いを教えてください。

今後AIが普及していく社会のなかでセラピストや整体、治療業界が生き残っていかなくてはいけないと考えたときに、業界全体を活気づけ、もっと多くの人たちにその素晴らしさや可能性を知ってもらいたいと考えました。そして業界の魅力が広く知られることで、「セラピスト」という仕事の価値がさらに高まり、将来この道で活躍したいと考える人がもっと増えればという思いがありました。

セラピストの仕事は肉体労働で低賃金というような、あまり良いイメージを持たれていないのが現状だと思います。しかし長くこの業界に携わってきた私からすると、そのイメージは実態とは大きく異なっており、お医者さん並みの健康への貢献度がある職業だという自負があります。病気になってからがお医者さんの役割であれば、元気なうちから管理ができるのがセラピストの仕事。そういった可能性をもっと知ってもらいたいと考えています。

もう1つの背景としては、大会によってセラピスト1人ひとりにスポットライトを当てたいと考えました。現役のセラピストたちにとっても、このような大会の存在は非常に大きな意味を持ちます。日々の仕事に新たな目標を掲げ、それに向かって技術の研鑽に励むことで、自らの成長はもちろん、業界全体の技術力の底上げや新しい価値の創出につながると考えました。

Q3. 社外に向けた活動において、貴社が特に大切にしている考え方や姿勢があれば教えてください。

先ほどお話ししたことともつながるのですが、この大会の開催を通して業界の認知度をあげていくことに重点をおいて、活動をしていました。

業界のなかでは有名な方でも一般社会ではあまり知られていないのが現状だと思います。しかしそれはとてももったいないことだと思いますし、業界の損害ともいえる事態ではないかと。そこでSNSを活用して積極的に発信を行うなど、少しでも第三者の目にとまることを意識して大会の準備を行いました。

Q4. 活動を通して、大会の出場者の方などから届いた声があれば教えてください。

大会という形をとっていますから、順位がつきますので大会の途中で散っていった出場者の方もたくさんいたわけですが、そういった方たちからも非常にうれしい声をいただいています。大会に向けて練習を重ねたことが自分の技術を高めてくれて、結果的に売上が倍になったという方もいましたし、大会を通して施術モデルさんとご縁がつながり、モデルさんが遠方のサロンまで通ってくださるようになったという声も聞かれました。

また大会中は「青空整体」という形で施術者が自由に使えるベッドを20台くらい並べて開放していたのですが、実はこのスペースがかなり盛り上がりまして、多くの来場者の方が施術を受けてくれました。そこで多くのご縁が生まれたと聞いています。

大会というと入賞者ばかりに注目が集まってしまいますが、それはこの大会の成果の一角にすぎず、その裏にはたくさんの縁つなぎとドラマがありました。

今回の大会の主催があまりにも大変で大会準備中はもう2度とやりたくないと思っていたのですが(笑)、こういったありがたい声をたくさんいただいたことにより、今年も開催に向けて準備を進めているところです。

Q5. その取り組みによって感じた職場やスタッフの変化・成果があれば教えてください

運営スタッフとして弊社の社員も参加してくれたのですが、これまでにない大規模なイベントの主催に携われたことは大きな自信になったと思います。

一方、初めての経験だったこともあり、計画的な準備ができていないなど、自分たちの脆弱な部分が浮き彫りになった大会でもあったと思います。来年も予定していますので、今年は計画的に準備を進めていきたいと思っています。

Q6. 今後さらに取り組んでいきたい“業界への貢献”や挑戦があれば教えてください。

大会の開催は引き続き行い、大会を通して未来の業界のスターを発掘していきたいと考えています。伸びている業界というのは圧倒的な知名度をほこる有名人やインフルエンサー的な存在がいるのではないかと思うので、我々もそういった存在を発掘し、業界の知名度のアップに貢献していきたいと思います。

また私はこれまで2冊の書籍を出版し、ご好評をいただいておりますが、今年も2冊の出版を控えています。内容としてはサロン現場で使える禁忌事項、つまり「こういう人には施術をしてはいけない」「こういった兆候があれば病院受診を勧める」といった内容をまとめた本で、これが秋には出版予定です。またインバウンド需要を見込んだ、サロン現場に特化した英会話本、「セラピスト英語」の出版も予定しています。

こういった書籍の出版を通して、セラピストさんたちがより安心して業務ができる環境を整えていきたいと思っています。

Q7. 最後に業界で活躍したいと願う皆さんへ、応援のメッセージをお願いします。

セラピストというのは、自分のすべての経験を活かせる仕事です。たとえばセラピストになる前に職場で嫌な思いをした経験のある人がセラピストになれば、同じような境遇のお客様に寄り添うことができます。また先ほどもお伝えした通り、健康への貢献度が高い職業です。

これまでの人生経験を活かし、セラピストとして活躍する人が増えてくれれば、こんなにうれしいことはありません。

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