キャリアアップ部門 GOLD受賞企業インタビュー
株式会社トミーズ・スター
美容 東京都
2022年に開催したリジョブアワード2022にて、GOLD賞を受賞した企業様のインタビューをご紹介。
キャリアアップ部門は、美容・ヘルスケア業界に初めて挑戦する従業員に対して、業界に定着するためのサポート体制の強化、また、従業員が施術者としてキャリアアップしやすい環境を提供するなど、個人のキャリア形成に注力している企業に贈る賞です。
1. 貴社が従業員の「キャリアアップ」の一環として、一人ひとりの可能性を追求しながら美容の世界でチャレンジし続けられる環境づくりで取り組まれていることを教えて下さい。
弊社には、生涯美容師、マネジメント、デザインプロジェクト、訪問美容、教育、ブライダル事業という6つのキャリアアッププランがあります。これらの事業には社員のキャリアのためだけでなく、地域、美容業界、社会に貢献していきたいという弊社の思いも込められています。
まずは訪問美容ですが、現代社会において高齢化というのは大変大きな問題になっていますが、高齢者の方たちがこの日本を支えてくださったおかげで、私たちはこれだけの文明化された社会で生きることができているので、そういった方々へ貢献したく、訪問美容事業を展開しています。
教育事業では、美容業界でがんばっているサロンオーナー様を支援する事業を展開しています。美容業界では1、2店舗を経営しているサロンオーナー様も多く、その場合、営業から教育、経営、求人まで含めて全部ひとりで抱えているケースも少なくありません。それはとても大変だと思いますので、美容師の仕事の要となる教育面を弊社が担うかたちで事業を展開しています。弊社で生み出した「アランジュデザインシステム」というカットマニュアルを使い、弊社所属のアセッサーと呼ばれる教育担当が全国8エリア、150~200名の新入社員の教育を行っています。
そして最後にブライダル事業ですが、美容業界初のブライダルデスクと契約しており、300社を超える結婚式場との提携を可能としています。
弊社の強みは美容師としてサロンワークをしながら、それぞれの分野でのキャリアアップができることです。美容師技術もしっかり身につけつつ、様々な可能性を広げることができます。
またもうひとつ弊社の特徴として、1年5カ月という短期間でのスタイリストデビューが可能になっています。一般的なサロンではカットを教わるタイミングがものすごく遅いこともあり、スタイリストデビューに3年もかかってしまうのが通常です。弊社が運営しているアカデミーに週1で通うことで、そこでカットを学ぶこともできますので、スタイリストデビューが早まるというわけです。そして訪問美容や教育、ブライダルなど自分が興味をもった道に進むことができます。
2.取り組もうと思った背景や想いを教えてください。
先代社長、そして現社長の山﨑が、日頃から支えてもらっている業界、そして地域、社会に貢献していきたいという想いから展開を始めました。
同時に弊社では美容師を終身雇用できる環境をずっと模索してきました。年齢を重ねた美容師は、若いお客さまに対して技術を提供するサロンワークに不安を覚えることも多いのですが、ブライダルや訪問美容の場合はキャリアを重ねたからこそできる仕事でもあるので、いくつになっても活躍できる場の提供を可能とし、安心して雇用を継続できます。
3. 「キャリアアップ」において一番大切にしていることを教えてください。
サロンポリシーとも重なってくるのですが、弊社では「仲間第一主義」を掲げ、仲間を大切にしています。その考え方を体現しているのが、「伴走教育」です。先輩や上司が後輩に丸投げしたり、背中を見て覚えさせるようなことはせず、手取り足取りしっかりと指導しながら、後輩の悩みに寄り添うようにしています。先輩や上司が部下にどれだけ興味関心を持って接するかが、部下が伸びるかどうかに大きく影響するのではないかと考えています。
4. 「キャリアアップ」に取り組まれての変化を教えてください。
美容業界では5年、10年と存続できる会社がとても少ない現状にあるのですが、弊社はありがたいことに来年で45周年を迎えます。また嘱託という形でサポートしてくださっている先輩社員もいるくらいで、年齢を重ねても長く活躍できる場があるから、このように会社が長く続いているのではないかと思っています。
またスタッフがキャリアアップに取り組める環境が整ったのも、先代社長が日本全国を飛び回って、各地でたくさんの会社とご縁が生まれた結果かもしれません。ブライダル事業などに取り組んでる会社も多いですが、なかなか仕事がないという話を耳にすることもあります。ゆっくりと時間をかけて各提携先と信頼を積み重ねてきたからこそ、今があると思っています。
5.今後業界がどうなってほしい、どうしていきたいという想いはありますか?
美容師の価値や地位の向上を存続していきたいという思いがあります。元々美容師という仕事はチャラいと見られてしまうというか(笑)、そこまで地位が高い仕事ではなかったと思うんです。それを弊社に限らず多くの先輩たちが技術力やサービスの向上を地道に続けてきた結果、昔はカットは3,000円くらいが当たり前だったところから、今では1万円とれる美容師も増えてくるくらい、躍進ができたのだと思います。今後も先輩後輩がお互いを尊重しながら学び合い、美容師という素晴らしい仕事の価値をもっとあげていきたいと思っています。
6.貴社の今後の目標を教えてください。
弊社は創業の思いである「育てよう感謝の心」という理念を、とても大切にしている会社です。今後も美容の持つポテンシャルを最大限に生かして、仲間たちの幸せ、そして業界、地域、社会に貢献できるように事業を拡大をしていきたいと思っています。ただ、我々はビッグカンパニーではなくて、グッドカンパニーを目指していきたいと思っていますので、事業の拡大が最終ゴールではありません。会社や美容室探しでも、価格やメニュー、商品などで選ばれるのではなくて、価値で選ばれるような、そんな組織になっていきたいと思っています。お金で買えないものをお客さまに、そして仲間たちに提供してあげられるような会社、サロンでありたいですね。
そのためにまずは当たり前のことを当たり前にできる、そんな私たちになっていきたいですし、引き続きサロンポリシーにまっすぐに、仲間を賞賛激励し、幸せになるためにこれからも一生懸命頑張っていきたいなと思っています。
7.最後に、仕事を探している方々へのメッセージをお願いします。
どんな自分になりたいか、どんな自分に出会いたいかというビジョンを持って、会社を探していると思うので、会社がどこを目指してるのかというのと照らし合わせて、入社を決める方がいいのではないかと思います。弊社は金持ちになりたいとか、店舗をいっぱい出したいとか、有名になりたいということを叶える会社ではなく、いろんなことを当たり前と思わず、感謝を育めるような美容師にみんなでなっていこう、自分が選んだこの大好きな美容師という職業を通して、強いハートの自分たちになっていこうということを掲げてる会社です。
コロナ禍や経済の問題などいろいろな不安がある状況ですが、そういった中でも弊社は仲間を守るということに覚悟決めた企業だと思っています。このコロナ禍で店を一時的に閉めたりと、苦しいこともたくさんあったのですが、一切給料を下げることはなく、社長の判断でやり続けてきました。社長は「山口、仲間守るってこういうこと。社員には家族がいる。がんばれ。いつか必ず良くなるときがくるから、そのときを信じてがんばれ」と。自分で言うのもなんですが、とても良い会社だと思っているので、思いに共感してくださる方はぜひ一度話しを聞きに来て欲しいと思っています。
受賞コメント
(インタビュー対象者:取締役 サロン事業部本部長 山口 裕也さま)
今回このような賞をいただきまして、本当にありがとうございます。受賞にいたったのも、先代社長の頃からがんばってきた諸先輩方や、ずっと応援してくださっているお客さまのおかげだと思っています。また何よりも、原稿制作にあたって、リジョブさんの担当営業の方が毎月事務所に足を運んでくださり、丁寧な提案や修正等に対応してくださったおかげだと思っていていますので、とても感謝しております。