介護シェアリングとは短時間・業務特化の働き方
介護業界が抱える問題点
2015年の国勢調査によると、今後日本は 15歳~60歳の労働人口は今後減少していくことが見込まれています。一方、65歳以上の後期高齢者数は増加を続け、超高齢社会は今後も進展していくと見られています。つまり今後も、介護の需要は増えるものの、その”担い手”が不足すると言う「人材不足」はより深刻になっていくと想定されます。
また、介護業界は労働集約型産業、すなわち介護職員のマンパワーにサービスの質と量が比例する仕事であるため、より多くの人材が必要です。しかし、必ずしも労働環境が良いとは言えないため、複数の産業で人材の取り合いとなる今後を見据えたときに、より採用が厳しくなっていくことが想定されます。
現在、介護業界ではシフト制の勤務(早番・日勤・遅番・夜勤など)が一般的です。これにより、サービスは24時間365日途切れなく提供することが出来ますが、一方で一人一人の業務が多岐に渡り、複雑化しています。一般的な高齢者施設では、新しく入った介護職員が一人で業務を行うことが出来るようになるまで、およそ3ヶ月はかかっています。
また、ご利用者様一人一人に合わせた介護を行うため、介護職員には高度な専門性が必要であり、サービスを担うことが出来る人材に限りがあります。
業務が複雑かつ極めて専門的である上にサービスの需要が非常に伸びていることが、介護業界が慢性的な人材不足となっている主な原因になっています。
シェアリング(ワークシェアリング・ジョブシェアリング)について
ワークシェアリング・ジョブシェアリングとは、「1つの業務を複数の人で行うこと」を意味します。オランダでは1980年代前半の不況を克服するため、ワークシェアリングを導入し、成功を収めています。
特定の人しか業務を行うことが出来ない場合、その人が何らかの事情で仕事に従事することが出来なくなってしまった場合、業務の遂行に支障をきたしてしまいます。そのリスクを低減するための取り組みとして「1つの業務を複数の人で行う」場合、一般的に「ジョブシェアリング」と呼ばれます。
一方、「ワークシェアリング」と言った場合は、一つの仕事を分担して行うことで、サービスの担い手を増やす雇用促進策といった側面が強くなります。
どちらにしてもシェアリングの考え方で業務を行うことにより、働き方が多様化することが考えられます。例えば、同じ経理の仕事を午前と午後で別の会社で行う、といった働き方や、月・水・金と、火・木で違う会社で働く、といった働き方も一般化してくると考えられます。
また、何かしらかの事情で短時間しか働くことが出来ない人(育児中の主婦・学生・持病のある方など)も、このシェアリングの働き方であれば、社会参加することが出来るようになります。
厚生労働省も、シェアリングの考え方を用いて、ワークライフバランスの向上の有効策として機能するとして、検討を進めています。
『介護シェアリング』とは
リジョブが提唱する『介護シェアリング』とは、今までの早番・日勤・遅番・夜勤といった、「時間」で分けた働き方ではなく、「送迎」「入浴」「食事の配膳・下膳」「清掃」「リネン交換」「口腔ケア」といった業務を塊ごとに細分化し、それを専門的に担うスタッフを雇用することで、今まで一人のスタッフが行っていた複雑な業務を、複数人でシンプルに行う、という勤務形態です。これにより、ここの業務を担うスタッフのプロフェッショナル化が図れます。
『介護シェアリング』によるスタッフのメリット
今まで
介護の仕事はご利用者様ごとに違う介護を行ったり、業務時間内に行うことが多いなど、覚えなければ業務を行うこと出来ないことが多く複雑。
介護シェアリングの導入
業務がシンプルになるため、集中して一つのことを覚えることができ、業務を行ううえでの負担が減る。
今まで
短い時間だけだが介護業界で働きたいが、短事業所のシフト組みに迷惑をかけてしまうため、介護業界で働くことが出来ない。
介護シェアリングの導入
細分化した業務は短時間で実行可能なので、今まで働くことが難しかった、専業主婦、定年後のアクティブシニア、障害をお持ちの方、病気をお持ちの方なども、介護業界で働くことが出来るようになる。
『介護シェアリング』による事業者のメリット
今まで
新しく入ったスタッフが独り立ちするまでに約3ヶ月かかる。
介護シェアリングの導入
業務がシンプルになるため、約1週間で業務を一人で行うことが出来るようになる。
今まで
人材が不足しているが、そもそも応募してくる人がいない。採用も出来ない。
介護シェアリングの導入
今まで介護業界で働くことが出来なかった多様な人材が働くことが出来るようになるため、人材不足を解消することが出来る。
『介護シェアリング』の将来像
『介護シェアリング』を導入することで、多様な人材がより気軽に介護の仕事を担えるようになるため、介護の仕事が今よりもっと身近になるはずです。
例えば、学生がアルバイトとして飲食のホールスタッフを考えていたとして、ファミレス・居酒屋などの飲食店と同じように、特別養護老人ホームの配膳スタッフも検討できるとしたら…。介護の業界で働くことへの敷居がグッと下がり、色々な人が介護業界で働くことが出来るようになります。
他方、既存の介護職員は、より専門的で難易度の高い業務に従事することが出来るようになり、介護職がよりプロフェッショナル・ワーカーになるという社会的な流れが加速することにもなります。
介護職が今よりももっとプロフェッショナルとして社会的な認知を得ることになれば、社会的地位も給与も今よりももっと高くなると考えられます。
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