現場では、介護の技術よりも、生活の知恵がとっても役に立つんです。

お勤め先：株式会社プロフェッショナル　ひよこけあ（訪問介護事業所）

役職又は職種：サービス提供責任者（訪問介護員）

所持資格：介護福祉士、ホームヘルパー２級、JRECマスターライセンス

— 介護職を始めたきっかけや理由を教えてください。—

私はもともと高齢者の方々と関わることが好きで、よく話をしたり、触れ合ったりしていた時期がありました。そんな中で、大好きだった祖母が急逝したんです。その出来事がきっかけでした。とても落ち込みました。大好きだった祖母との時間は終わってしまいましたが、介護という分野で、高齢者の方々と関わることで、また何かが見つかるのではないかと思っています。

— 介護職を始める前と後で感じたギャップはありますか。—

訪問介護を始めてから感じたのは、『介護技術』よりも『生活の知恵』が必要とされるなぁということです。介護をする上で、もちろん技術は必要ですが、人間対人間の現場なので、『技術』以上に『知恵』が必要になると実感しています。

— 介護の現場で働く中で『一番楽しかったこと』『やりがいを感じたこと』は何ですか。—

利用者様から「あなたが来てくれるのが楽しみ」と言っていただいた時は本当に嬉しくなりますし、この介護の仕事に対してやりがいも感じます。また、体の痛みなどから、生きる気力を失いかけていた90代の利用者様が、少しずつ回復され一緒に笑ったり、会話を楽しめるようになる様子を間近で見ることが出来るのが今一番楽しいです！

— 介護の現場は辛いことも多いと思いますが、続けるためのモチベーションは何ですか。—

利用者様の笑う顔には、正直救われます。人生の大先輩達が経験したことを色々聞かせてくださるので、自分自身の勉強にもなりますし、他の方々とコミュニケーションをとる際の知恵にもなるんですよ。それをいかに楽しめるか、にかかっていると思います。

— 介護の現場でご自身が『働きやすい』と思えるようにするには何が必要だと思いますか。—

一緒に働いているスタッフ間での情報共有と、スタッフ同士がお互いを気遣える人間関係がとても必要だと思っています。もちろんご利用者様との信頼関係も重要になります。また信頼関係を築くまでの時間も必要ですね。

— 仕事でしっかりとお休みは取れていますか。—

人間が相手となるので、年中無休の仕事ですが、お休みはスタッフ同士で相談の上、交代で取得することができます。もちろん休みの日程希望も考慮してもらえるので、ちゃんと心身ともに休むことが可能です。

— プライベートで『介護』に対して出費することはありますか。—

介護に関する本などで、図書館にないものは購入することもあります。

— ご家族や近親者での介護を考えたことはありますか。—

私は兄弟がいないので、両親の介護は必ずすることになるだろう、と子供の頃から考えています。今の仕事を、その時に十分役立てることができればいいと思います。

— こんな利用者さんにびっくり！—

ある利用者様が、お気に入りの歌集を見て民謡か詩吟をいつも歌っているので、後ろからその歌集を覗いてみたのですが……、歌っていたのは、実在する歌ではなく、その方の完全オリジナルの歌だったことにびっくりでした！

— 今後の介護業界に変わってほしいところをお願いします。—

介護保険の取り決めによって、介護の業務がご利用者様のニーズに応えきれていないという現実があります。それに対しての理想と現実のギャップを、いかに埋めていくのかを考えなくてはならないと思います。
また、もっともっと業界に新しい風を吹き込み、明るく楽しい介護業界というイメージを創ってほしいところです。