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介護・看護・リハビリ 2021-08-08

手指・腕・協調運動に効果的な新聞紙を使ったゲーム2【介護レクリエーションvol.32】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、新聞紙を使って遊ぶゲームレクリエーションを、レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『ペーパーボール投げ』と『棒投げ』というレクリエーションをご紹介します。『ペーパーボール投げ』は、丸めた新聞紙を箱の中に投げ入れるゲームです」(大野さん)

では『棒投げ』は?

「『棒投げ』は、新聞紙で作った「新聞棒」を箱の中に投げ入れるゲームです。どちらも握る・投げる動作が必要になります」(大野さん)

それでは『ペーパーボール投げ』と『棒投げ』を行うことによって期待できる身体面と精神面の効果とは?

「どちらも手指・腕の運動になることに加え、協調運動にも効果的です。加えて『ペーパーボール投げ』は、集中力の向上、協調性を養う、創意工夫といった精神面の効果が期待できます。一方の『棒投げ』は、集中力の向上、達成感を得る、競争心を養うのにぴったりなゲームです」

それでは早速、『ペーパーボール投げ』と『棒投げ』の遊び方をご紹介。

ペーパーボール投げ

【対象者】新聞紙を丸める手指動作が可能な方(職員と協力でも可)
【レクの目的】手指・腕・協調運動、集中力の向上、協調性を養う、創意工夫
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞紙、100cm×50cm×50cm程度の大きさのダンボール箱2個、参加者が使用する椅子など
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】新聞紙をくしゃくしゃに丸めてボールにし、箱に投げ入れる玉入れゲームです。新聞紙はきれいに丸めないとまっすぐ飛ばず、丸めるのに時間をかけすぎると数が投げられないため、新聞紙を丸める時間と投げる数のバランスを考えて行うことが勝つためのポイントになります。

レクを始める前の準備

・スタッフは新聞紙を1/4の大きさに切り、参加者が丸める新聞紙を作ります。参加人数×10の枚数を用意しましょう。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、各チーム1人ずつ前に出て平行線上に座ります。スタッフは参加者から1〜1.5m程離れた位置に段ボール箱を配置し、1/4の大きさに切った新聞紙を10枚ずつ渡します。
2. スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は1枚ずつ新聞紙を丸め、箱の中に投げ入れます。スタッフはストップウォッチなどで1分計測しておきましょう。
3. 1分が経過したら、スタッフは終了の合図を出しましょう。箱の中に入ったペーパーボールを参加者とともに数え、より多くの新聞紙を入れることができた人の勝ちとなります。
4. 2番目以降の人も2と3を繰り返し、全員の対戦が終わった時点で勝ち星の多かったチームの勝ちとなります。

進め方のコツ

・2チームが同時にプレーする場所を設けることが難しい場合は、個人戦にして1人ずつ投げてもOKです。その場合は参加者が投げ終わるごとにペーパーボールを数え、最終的に最も箱の中にペーパーボールを投げ入れることができた人の勝ちとなります。
・参加者がきちんと新聞紙を丸めずに投げている場合は「ちゃんと丸めてから投げると、まっすぐ飛びますよ」とアドバイスしてあげましょう。
・新聞紙を丸めるのに時間がかかる人がいた場合は、制限時間を1分半などに調整してもOK。参加者全員が楽しめるよう、臨機応変にアレンジしながら行いましょう。
・6人程度で1チームを作り、チームごとに箱を囲むように座り、箱に向かってチーム全員で新聞紙の玉を投げ入れるチーム戦に変更してもOK。1チームずつゲームを行う場合は、玉を投げ入れる箱をチームごとに分けておき、すべてのチームがプレーを終えてから玉を数えるようにするとゲームがより盛り上がります。

棒投げ

【対象者】筒状の物を持つことが出来る方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、集中力の向上、達成感が得られる、競争心を養う
【人数】2人以上
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞棒、100cm×50cm×50cm程度の大きさのダンボール箱2個、参加者が使用する椅子、ホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】新聞紙で作った棒を箱の中に投げ入れるゲームです。やり投げのように投げる、横向きに投げるなど、いろいろな投げ方を試しながら、うまく箱に入れる投げ方を見つけることで達成感を感じられます。

レクを始める前の準備

・新聞紙を横方向にきつく巻いてセロハンテープでとめ、棒状にして「新聞棒」を作ります。1チームにつき10本ずつ作りましょう。

遊び方

1. 参加者を同じ人数になるように2チームに分け、各チーム1人ずつ前に出て、平行線上に座ります。スタッフは参加者から1〜1.5m程離れた場所に箱を配置し、参加者に新聞棒を10本ずつ渡します。
2. スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は新聞棒を1本ずつ箱の中に投げ入れます。
3. 両チームが新聞棒を投げ終えたら、スタッフは終了の合図を出します。箱の中の新聞棒を数え、それぞれの本数をホワイトボードなどに記入しましょう。
4. 2番目以降の人も2と3を繰り返し、全員の対戦が終わった時点でチームの合計本数を計算します。最終的に新聞棒をより多く箱の中に入れることができたチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・参加者がゲームに慣れてきたら「棒のせ」にチャレンジしてもOK。「棒のせ」は、裏返しに置いた段ボール箱の上に新聞棒を乗せるように投げるゲームです。新聞棒は1〜1.5m程離れた場所から投げましょう。

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掴みやすくなります」と、大野さん。今回紹介した2つのレクリエーションは体の運動になることに加え、協調性を養う効果や、集中力・競争心の向上も期待できます。参加者のレベルや現場の状況に合わせて柔軟にアレンジしながら是非取り入れてみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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