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介護・看護・リハビリ 2021-11-20

手指・腕・足の運動、協調運動に効果的な「新聞紙」を使ったゲーム2【介護レクリエーションvol.35】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、新聞紙を使って遊ぶゲームレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『足で寄せる』と『輪拾い』というレクリエーションをご紹介します。『足で寄せる』は、新聞紙をつなげてつくった帯を足でたぐり寄せるゲーム。足を動かす動作が必要になります」(大野さん)

では『輪拾い』は?

「『輪拾い』は、画用紙でつくった輪を、新聞紙でつくった棒を使って拾い上げるゲーム。棒を握る動作が必要になります」(大野さん)

それでは『足で寄せる』と『輪拾い』を行うことによって期待できる身体面と精神面の効果とは?

「『足で寄せる』は、足・足指の運動、協調運動ができるゲームです。加えて、集中力の向上、気分転換、競争心を養うといった精神面の効果も期待できます。一方の『輪拾い』は、手指・腕の運動、協調運動の身体面の効果が期待できるほか、集中力・認知力の向上、競争心を養うのにぴったりです」(大野さん)

それでは早速、『足で寄せる』と『輪拾い』の遊び方をご紹介。

足で寄せる

【対象者】どちらかの足が使える方であれば参加可能
【レクの目的】足・足指・協調運動、集中力の向上、気分転換、競争心を養う
【人数】2人以上なら何人でも
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞紙でつくった帯、水を半分入れた500mlのペットボトル2本、参加者が使用する椅子2脚(車椅子での参加も可)、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】新聞紙をつなげてつくった帯を足でたぐり寄せるゲームです。新聞紙にはペットボトルのおもりが乗っているので、慎重にたぐり寄せないと新聞紙が切れてゲームオーバーになってしまいます。スピードと慎重さが必勝のカギになります。

レクを始める前の準備

・スタッフはゲームで使用する「帯」を新聞紙でつくりましょう。新聞紙の1面を縦1/3に切り、セロハンテープでつなげた帯を参加人数分用意します。

遊び方

1.参加者を同じ人数になるように2チームに分け、各チーム1人ずつ前に出て平行線上に座ります。スタッフは、参加者の前に新聞紙の帯を置き、帯の先端におもりとなるペットボトルを置きましょう。

2.スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は足で新聞紙をたぐり寄せていきます。より早く新聞紙をたぐり寄せ、おもりのペットボトルを足で踏むことができた人の勝ちになります。スタッフは勝敗の結果をホワイトボードなどに記録しておきましょう。

※新聞紙が途中で切れてしまった場合は、その時点で負けになってしまうので注意しましょう。途中でおもりが倒れてしまった場合は、プレーを一時中断し、スタッフがおもりと新聞紙を元の位置まで戻してから再開してもらうようにしましょう。

3.2番目以降の人も同様に対戦し、参加者全員の対戦が終わった時点で勝ち星の多かったチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・ペットボトルに入れる水の量が多いほど、おもりが重くなり、新聞紙が切れやすくなります。スタッフは参加者の運動能力などを考慮しながら水の量を調節しましょう。

アレンジ
・新聞紙が簡単に切れてしまう場合は、カレンダーなどの厚紙を使って帯をつくってもOK。反対に、誰がゲームをしても紙が切れない場合は、帯の幅を狭くすると切れやすくなり、よりゲームが盛り上がります。

・ペットボトルのおもりの代わりに、ある程度重さのある大きめのぬいぐるみを使ってもOK。ペットボトルよりも倒れやすくなり、よりゲームの難易度がUPします。

輪拾い 

【対象者】どちらかの手が使える人であれば参加可能
【レクの目的】手指・腕・協調運動、集中力・認知力の向上、競争心を養う
【人数】2人以上なら何人でも
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】新聞棒2本、画用紙でつくった輪1チームにつき10個×2(チームごとに色を分ける)、ふたを切り取った縦25cm×幅25cm×高さ20cm程度のダンボール箱2箱、参加者が使用する椅子2脚、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】新聞紙でつくった「新聞棒」を使って画用紙でつくった輪を拾い上げるゲームです。うまく拾い上げるためには、輪のひっかかり具合を見極めて慎重に持ち上げなければならないため、集中力の向上にも役立ちます。

レクを始める前の準備

・スタッフは事前に、ゲームで使用する「新聞棒」を2本つくりましょう。新聞紙を横方向にきつく巻き、セロハンテープでとめて完成です。

・画用紙を使ってゲームに使用する「輪」を20個(1チームにつき10個)つくります。B4サイズの色画用紙(チームごとに色を変える)を上図のように7等分に折って切り、端をのりでとめて完成です。

遊び方

1.参加者を同じ人数になるように2チームに分けます。各チーム1人ずつ前に出て、新聞棒を持って平行線上に座ります。スタッフは両チームの参加者の横にダンボール箱を置き、画用紙でつくった輪各10個を参加者の前に置きましょう。

2.スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は新聞棒に輪を引っ掛けて拾い上げ、ダンボール箱に入れます。より早くすべての輪を拾い上げ、箱に入れることができた人の勝ちとなります。スタッフは勝敗の結果をホワイトボードなどに記録しておきましょう。

3.2番目以降の人も同様に対戦し、参加者全員の対戦が終わった時点で勝ち星の多かったチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・輪を置く範囲は、参加者の運動能力によって変更しましょう。対戦が不公平にならないよう、スタッフは同じくらいの運動能力の人を組み合わせてゲームを行うようにしましょう。

・参加者が新聞棒に輪をひっかけようとして椅子から身を乗り出すことがあるので、参加者が椅子から転落しないよう注意をはらいましょう。

アレンジ
2種類の色の輪各10個を混ぜて床に置き、輪をはさんで向かい合わせに座った参加者が、自分のチームカラーの輪を拾う「色分け輪拾い」にアレンジしてもOK。その場合の制限時間は1分間とし、自分のチームカラーの輪は1点、間違って相手チームの輪を拾ってしまった場合はマイナス1点とします。色を間違えないように拾う必要があるため、集中力と認知力の向上が期待できます。

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「レクリエーションはチーム戦で行うことで、チーム全体で勝った喜び、負けたくやしさを共有することができ、トラブルも防げます」と、大野さん。スタッフは勝ったチームだけでなく、負けたチームの良かったところも伝えるようにしながらゲームを進行しましょう。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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