ヘルスケア&介護業界の応援メディア
介護福祉士
学び・キャリア 2019-07-29

介護福祉士の実務経験証明書とは? ナゼ必要なの? 従業期間・従事日数の考え方を解説!

「社会福祉士及び介護福祉士法」が改正されたことにより、2017年度から介護福祉士になるためには例外なく国家試験に合格しなければならないこととなりました(養成施設を利用する場合、2021年度末までに卒業すれば国家試験免除)。国家試験に合格するためにはそれ相応の勉強をすることが大切ですが、それ以前の問題として受験資格を得ることも忘れてはいけません。

養成施設や学校を利用せずに介護福祉士の国家試験を受験する場合、受験資格として実務経験が必須のため、実務経験があることを証明する必要があり、証明できない場合は受験そのものができなくなってしまいます。今回はこの実務経験を証明する書類として有効な「実務経験証明書」について解説します。

介護福祉士の実務経験証明書とは?

介護福祉士証明書
介護福祉士の資格を取得して働くうえでは、業務上必要な知識や技術を身に着けるだけでなく、実践的な経験を積むことも不可欠です。とくに介護福祉士の仕事は介護を必要とする方と直接接しながら日々の業務を行なうため、就職する段階で基本的なスキルが身についていないと相手にケガをさせてしまうといったトラブルも生じかねません。

介護福祉士の実務経験証明書とは、実務経験を通して基本的なスキルがあると証明する書類です。ここではこの書類の詳細をみていきましょう。

何に必要なの? 介護福祉士の国家試験受験のため

冒頭でも記載したとおり、介護福祉士になるためには国家試験に合格することが絶対条件となります。国家試験を受けるためには養成施設や福祉系高校で基礎的な知識を身につけるという方法も有効ですが、介護福祉士養成施設や福祉系高校に入学するためには入学金や学費などの膨大なお金がかかるため、出費を抑えるために実務経験を積んで国家試験を受けるという選択をされる方も少なくありません。

このような実務経験を積んだうえで国家試験を受ける場合に提出する書類が実務経験証明書です。そのほか、実務者研修修了(見込)証明書、同じ期限内にいくつかの事業所に所属していた方は従事日数内訳(見込)証明書も提出しなければなりません。また、結婚等で受験申込書と提出書類の氏名が異なる場合は戸籍抄本か戸籍の個人事項証明書、過去に受験票を取得した方は受験資格等確定済申出書が必要です。

実務経験ルート 3年以上の実務経験と実務者研修が必要

実務経験を積んだうえで国家試験を受験し、介護福祉士の資格取得を目指す方法を「実務経験ルート」と呼びます。ここでいう実務経験とは「対象となる施設(事業)および職種での従業期間3年(1095日)以上、かつ従事日時540日以上」と定義されています。つまり、介護関係の事業所や施設に3年以上在籍し、540日以上働くことで受験資格を得られます。

また、実務経験ルートで介護福祉士の資格を取得するためには実務者研修の受講も義務づけられており、これらの条件を満たすことではじめて実務経験証明書が発行され、国家試験を受験できるようになります。

誰が発行するの? 働いている施設や事業所

実務経験証明書は国家試験を受験する際に必要な重要書類であることから、官公庁などで発行してもらえると考える方もいるようです。しかし、その人がどれくらいの実務経験があり、受験条件を満たしているかは同じ事業所・施設に勤めている人しか把握できないでしょう。

そのため、介護福祉士を目指す方の実務経験証明書は、働いている施設や事業所が発行することとなっています。また、実務経験証明書を発行する権限が与えられているのは理事長や施設長などの代表者だけです。

様式はどこでもらえるの? ダウンロードで取得できる

介護福祉士を目指す方の実務経験証明書は、あらかじめ決められた様式の書類に記入する形で発行します。そのため、書類を先に用意しておき、代表者が各項目を埋めるだけでよい状態にしておけば、スムーズに発行できるでしょう。

実務経験証明書の様式は社会福祉振興・試験センター(http://www.sssc.or.jp/)のWebサイトからダウンロードできるようになっているので、印刷しておくのがおすすめです。また、このWebサイトでは様式と一緒に手引きもダウンロードできるので、一緒に印刷しておくと受験手続きもスムーズに進められます。

従業期間・従事日数とは? 受験資格を満たすには条件がある

介護福祉士国家試験の受験資格を満たすには、上述した実務経験ルートを選択し、従業期間3年以上、従事日数540日以上の最低条件を満たしたうえで、実務経験証明書を発行してもらう必要があります。また、これにプラスして実務者研修を受ける必要があることも忘れないようにしましょう。

従業期間や従事日数の計算は、間に長期休暇などをはさまずに継続して同じペースで働き続けた場合は簡単です。しかし、勤務先や勤務形態などを途中で変更すると計算は複雑になり、詳細な従業期間や従事日数を算出するのが難しくなってしまうかもしれません。そのような場合には社会福祉振興・試験センターのWebサイトにある計算ツール(http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08.html)を利用するとよいでしょう。

従業期間とは?

介護福祉士志望の方が国家試験に必要な実務経験証明書を発行してもらう際には、「従業期間」の厳密な意味を知っておくことも重要です。

従業期間とは、簡単にいうとその事業所や施設に従業員として在籍していた期間を指します。あくまで在籍期間なので、たとえば間に産休や育休などの長期休暇を取った場合、休んでいた期間も従業期間となります。

ただし、実務経験証明書発行の対象となるのは、あくまでも実務経験の対象となる職種で働いていた期間に限られるため、介護にかかわる事業所や施設で働いても、職種が対象外の場合は、この書類は発行されません。

従事日数とは?

介護福祉士志望で実務経験証明書の発行を希望される方であれば、従事日数の意味も知っておかなければなりません。

従事日数とは、簡単にいうとその事業所・施設で実際に介護の仕事を行った日数のことを指します。ここでは実務経験として認められる介護業務を行なうことが重要となるため、たとえば出勤はしたが出張や研修だけで1日が終わってしまったという日は従事日数としてカウントできません。

ただし、1日の勤務時間は指定されていないことから、パートタイム勤務の方でもフルタイム勤務の方でも、1日の業務で少しでも実務経験対象となる業務をおこなえば、その日は従事日数としてカウントできます。

掛け持ちで働いていた場合はどうなるの?

介護関係の仕事をしている方のなかには、複数の事業所・施設を掛け持ちしている方もいるかもしれません。介護福祉士を目指す方が実務経験証明書の発行を希望する場合、このような掛け持ちしているケースでの従事日数の数え方も知っておきましょう。

従事日数とはあくまでも実務経験の対象となる仕事に従事した「日数」のことであるため、同じ日に複数の事業所・施設で介護関係の仕事を行ったとしても、それらをまとめて従事日数1日とカウントします。

また、掛け持ちをしていた場合、従事日数内訳証明書の提出が必要となるため、手引きと一緒に社会福祉振興・試験センターのWebサイト(http://www.sssc.or.jp/kaigo/pdf/pdf_juuji31.pdf)からダウンロードしておきましょう。

実務経験の範囲とは? 介護等の業務に従事したと認められる職種

実務経験証明書を取得するには、実務経験の範囲を知っておくことも重要です。その範囲としては、厚生省社会局長・厚生省児童家庭局長通知などが定めた「児童分野」「障がい者分野」「高齢者分野」「その他の分野」「介護等の便宜を供与する事業」のいずれかに該当する職種でなければなりません。

具体的な職種としては介護職員・介護従事者・介護従業者・保育士・介助員などが該当し、これらの職種で上述した従業期間・従事日数を満たすと、実務経験証明書を発行してもらえます。

介護福祉士の受験資格とはならない職種

一見すると介護とのかかわりが深く、実務経験証明書の対象になりそうな職種のなかには、実はその対象にならないというものも多くあります。

たとえば生活支援員は介護関係の事業所や施設で募集していることも少なくない職種ですが、その業務は介護に直接関係があると認められていないため、実務経験の対象とはなりません。また、医師や看護師といった職種も介護というよりは医療分野の職種なので、同様に対象外になってしまいます。

実務経験ルートで国家試験を受けるには実務経験証明書が必須!

介護福祉士
実務経験ルートで介護福祉士を目指す方にとって、指定された実務経験を積み、実務証明書の交付を受けることは避けてとおれない道です。また、証明書は条件を満たせば自動で発行してもらえるということはなく、自分で発行申請をしなければならないので、忘れずに手続きを行なうようにしてください。

実務経験証明書の発行をはじめとする介護福祉士の国家試験に関する情報は、社会福祉振興・試験センターのWebサイトからも確認できるので、わからない点があればアクセスしてみるとよいでしょう。

出典元
・公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html
・第31回介護福祉士国家試験『受験の手引き』(一部抜粋)
http://www.sssc.or.jp/kaigo/pdf/pdf_tebiki31.pdf
・社会福祉振興・試験センター(実務経験証明書の様式)
http://www.sssc.or.jp/kaigo/pdf/pdf_jitsumu_31.pdf
・社会福祉振興・試験センター(計算ツール)
http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08.html
・社会福祉振興・試験センター(従事日数内訳証明書)
http://www.sssc.or.jp/kaigo/pdf/pdf_juuji31.pdf

この記事が気に入ったら
いいね!してね

介護福祉士

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事