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介護・看護・リハビリ 2022-01-30

思考力を養う!数字を使った脳トレレク【介護レクリエーションvol.44】

現場で役立つレクリエーションのアイデアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、脳の活性化に役立つ『数字』に関するレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回ご紹介するレクリエーションは、『数字揃えゲーム』と『数字取り』。どちらも数字に関する答えを考えながらチームで楽しむゲームです」(大野さん)

『数字揃えゲーム』とは、どんなゲームですか?

「スタッフが出す『数に関する問題』に対し、参加者が0~9の数字が書かれたカードで答え、正答数を競うゲームです」(大野さん)

では『数字取り』は?

「2つのサイコロを振り、出た目の合計数と同じになるよう数字が書かれたカードを取っていくゲームです」(大野さん)

2つのレクリエーションによって期待できる、身体・精神面の効果は?

「答えを導き出すために思考力・計算力を養うことができます。また、チームで戦うゲームのため、他者とのコミュニケーションを図ることもできます」(大野さん)

それでは早速、『数字揃えゲーム』と『数字取り』の遊び方をご紹介します。

数字揃えゲーム

【対象者】どんな方でも参加して頂けます
【レクの目的】思考力・記憶力・計算力を養う
【人数】6人程度(1チーム3人程度×2チーム)
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】画用紙
【所要時間】10分~
【レクリエーションの内容】2チームに分かれた参加者が、スタッフが出す『数に関する問題』に対して0~9の数字が書かれたカードで答え、正答数を競うゲームです。

レクを始める前の準備

・画用紙で、0~9の数字を書いたカードを人数分作ります。Aチームは赤、Bチームは青など、チームごとにカードを色分けしておくとわかりやすくなります。

・0~9の数字が答えになる問題を10問程度用意します。(例:計算問題、スポーツの1チームの人数、祝日の日付、有名スポーツ選手の背番号、室内にある物の数)

遊び方

1.参加者を同じ人数で2チームに分けます。参加者は各自0~9のカードを持ち、チームごとに分かれて座ります。

2.スタッフが問題を出します。両チームの参加者は、それぞれ答えだと思う数字のカードを挙げます。

3.同じ数字を挙げた参加者の数が多いチームが、勝ち点を獲得します。何問か続け、10分程度経ったらゲーム終了です。勝ち点の多いチームが勝利となります。

進め方のコツ

・チーム全員が同じ数字を出せたときには「皆さん揃ってきましたね!」などと声掛けし、参加者とコミュニケーションを図りましょう。

・参加者の認知症の度合いによっては、誰でも答えれるような問題を連続で行ない、正答率を上げると、ゲームが盛り上がります。

数字取り

【対象者】目視でカードを確認できる方
【レクの目的】思考力・認知力を養う
【人数】2人~
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】サイコロ4個、A4用紙6枚、机
【所要時間】10分~
【レクリエーションの内容】2チームに分かれた参加者が2つのサイコロを振り、出た目の合計と同じ数になる数字カードを取るゲームです。サイコロの目の合計を計算する、数字カードの取り方を考えるなど、遊びを通じて脳の活性化を促します。

レクを始める前の準備

・A4用紙を四つ折りにして切り、それぞれに1~12の数を記入した数字カードを2セット作ります。

遊び方

1.参加者を同じ人数で2チームに分け、各チームの机の上に1~12の数字カードをランダムに並べます。参加者はそれぞれチームの机を囲んで座り、サイコロを振る順番を決めます。

2.スタッフのかけ声に合わせて、各チーム同時に1番目にサイコロを振る参加者が2つのサイコロを振ります。出た目の合計を見て、チームで相談しながら同じ数字になる数字カードを取ります。(例:サイコロの目の合計が5の場合、「5」「1と4」「2と3」の数字カードを取ることができます)一度取った数字カードは、以降使うことはできません。

3.2番目以降の参加者も同様にサイコロを振り、全ての数字カードを先に取り終えたチームが勝ちとなります。

進め方のコツ

・スタッフは適宜、参加者に対して数字カードの取り方のヒントを伝えましょう。例えばサイコロの目の合計が6の場合、「6」「1と5」「2と4」「1と2と3」の取り方があります。

・ゲームが進むにつれて机の上にある数字カードが少なくなり、サイコロの目の合計数に合わなくなりますが、残ったカードを取れるまでサイコロを振っていきましょう。なかなかカードが取り切れない場合は、「サイコロを振るのはあと3回です」など回数を決め、終了時に残りのカードが少ないチームが勝ちとします。

脳を刺激するレクリエーションは、認知症の予防や進行抑制などの効果が期待できます。参加者がうまく答えを導き出せないときはヒントを出すなど、スタッフが適宜フォローを行いながら、全員で脳トレレクを楽しんでください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:寺西香織(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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