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学び・キャリア 2019-09-23

生活相談員には無資格でもなれるの? 生活相談員になるために求められる実務経験とは?

生活相談員は、介護施設や医療機関などの施設で働いています。仕事内容は、利用者の方やその家族の方などから介護に関するさまざまな相談を受け、通所や入所の手続きなどのサポートをおこなう他、施設や地域のコミュニティとの連携をとり、利用者のサポート体制の調整をすることもあります。ソーシャルワーカーと呼ばれることもあり、施設の顔として活躍しています。

現在介護職に就いている方の中には、介護の仕事におけるキャリアアップとして生活相談員を目指す方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな生活相談員には無資格でもなれるのかどうかや、必要な実務経験にはどのようなものがあるのかなどについて、詳しく解説していきます。

生活相談員には無資格でもOKなの?

生活相談員になるための条件とは、どのようなものがあるのでしょうか。自治体ごとに要件は異なりますが、実務経験などの条件によっては、無資格でも採用されることがあります。ここでは、無資格でも生活相談員になれるかどうかについて、詳しく解説します。

生活相談員が無資格でもなれる条件とは?

生活相談員になるために必要な条件は、自治体によって異なりますが、実務経験のみを条件としている自治体では無資格でもなれることがあります。もちろん、すべての自治体に当てはまるわけではなく、実務経験が認められない場合もあるので注意が必要です。

実際に札幌市では、介護福祉士や介護支援専門員などの資格が条件となっていて、実務経験の有無は関係ありません。介護保険サービスに関する施設では、介護保険サービスの質の安定のために、生活相談員としての資格要件を満たす人員を配置することが求められているのです。

生活相談員の資格要件とは?|社会福祉士や精神保健福祉士など

生活相談員の資格要件は、一般的には以下のようなものがあげられます。

・社会福祉士
・精神保健福祉士
・社会福祉主事任用資格

このうち、「社会福祉士」と「精神保健福祉士」は国家資格となっていて、「社会福祉主事任用資格」も厚生労働省によって取得方法が以下のように定められています。

・大学などで社会福祉に関する科目を3つ以上修めて卒業した者
・指定された1年の通信教育科
・指定養成機関を修了(22科目1,500時間)
・都道府県等講習会(19科目279時間)
・社会福祉士、精神保健福祉士等

なお、生活相談員の資格要件が自治体によって違うのは、厚生労働省の指定が不明瞭なためです。厚生労働省の指定では、「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有する者」となっています。

このうち、「社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者」にあてはまるのが、以下のようになっています。

・大学や専門学校で厚生労働大臣が定めた社会福祉に関する科目を修了して卒業した者
・厚生労働大臣の指定する養成機関や講習会を修了した者
・社会福祉士
・現在は実施されていませんが、厚生労働大臣指定資格合格者
・同等以上の者として厚生労働省令で定める者

最後の「同等以上の者として厚生労働省令で定める者」の「厚生労働省令」では、「精神保健福祉士」や、「定められた社会福祉に関する科目を修了した大学院の入学者」が規定されています。

厚生労働省による生活相談員の資格要件に、「これと同等以上の能力を有する者」があるのですが、やはり具体的な要件が明示されていません。そこで、自治体によって解釈がさまざまなものとなり、生活相談員の資格要件が、自治体によって異なる理由となっています。

無資格の場合は「これと同等以上の能力を有する者」に当たる

無資格でも生活相談員になれる要件とは、上述した「これと同等以上の能力を有する者」が当てはまるようです。厚生労働省の明示がないので、これが自治体によって異なる解釈を生み、社会福祉主事任用資格、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、介護支援専門員といった資格とともに、介護業務の実務経験なども「これと同等以上の能力を有する者」として資格要件となり、無資格でも生活相談員になれる自治体があります。

生活相談員になるために求められる実務経験とは?

自治体によっては、生活相談員になるための資格要件に、実務経験をあげています。実務経験が認められている自治体はいくつかあります。ここでは、その一例をご紹介します。

青森県|社会福祉施設等で2年以上介護又は相談業務に従事した者

青森県では、生活相談員の資格要件のうち、「同等以上の能力を有する者」について以下のように定めています。
・介護支援専門員
・介護福祉士
・社会福祉施設などで2年以上介護又は相談業務に従事した者

このうち実務経験として認められているのは、最後の「社会福祉施設などで2年以上介護又は相談業務に従事した者」です。

ここでいう社会福祉施設の基準は、「社会福祉法に定める社会福祉事業をおこなう施設」「介護保険施設」「療養病床や老人性認知症疾患療養病棟のある医療施設」「指定居宅サービス事業所や指定地域密着型サービス事業所」となっています。

“東京都|老人福祉施設の施設長経験者など

東京都では、生活相談員の資格要件のうち、「同等以上の能力を有する者」の具体例を、以下のように明示しています。

・介護支援専門員
・特別養護老人ホームにおいて介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上の実務経験を有する者
・老人福祉施設の施設長経験者
・1年以上の実務経験と介護福祉士の資格を有するもの

実務経験として認められているのは、介護計画の作成についての経験がある「特別養護老人ホームにおいて介護の提供に係る計画の作成に関し、1年以上の実務経験を有する者」と、介護計画の作成や処遇などに専門的な知識や経験がある「老人福祉施設の施設長経験者」です。

和歌山県|介護業務の実務経験が1年以上ある者

和歌山県では、「基準が曖昧でしたので」と前置きして、「同等以上の能力を有する者」の取り扱いを定めています。

・社会福祉主事任用資格
・介護福祉士
・介護支援専門員
・介護業務の実務経験が1年以上ある者

実務経験として認められているのは、「介護業務の実務経験が1年以上ある者」で、生活相談員の経歴書を申請書に添付して提出することになっています。

福岡県|社会福祉施設等で3年以上勤務し又は勤務したことのある者

福岡県では、生活相談員の資格要件のうち、「同等以上の能力を有する者」を以下のいずれかに該当する者として明示しています。

・介護福祉士
・介護支援専門員
・社会福祉施設等で3年以上勤務し又は勤務したことのある者

実務経験として認められているのは、「社会福祉施設等での3年以上の勤務」です。ここでの「社会福祉施設等」は、「病院、診療所、指定特定施設、介護老人保健施設、指定居宅介護支援事業及び指定介 護予防支援事業」と、「社会福祉法第2条に定められる社会福祉事業」のことを指します。

なお、「社会福祉法第2条に定められる社会福祉事業」とはおもに以下のような施設があげられています。

・生活保護法に規定する救護施設など
・児童福祉法に規定する乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設など
・老人福祉法に規定する養護老人ホーム、特別養護老人ホームなど
・障害者自立支援法に規定する障害者支援施設など
・売春防止法に規定する婦人保護施設など

指定されている施設には、ほかにも多数あるので、気になる方は福岡県のホームページをご覧ください。

生活相談員は無資格でもできる仕事! まずは自治体の資格要件をチェックしよう

生活相談員は、利用者の方の介護計画や、施設との調整や地域との連携など幅広い業務をこなし、介護施設や医療施設などで活躍する仕事です。自治体によっては実務経験だけでなれる場合もあれば、資格が必要なこともあります。生活相談員を希望する地域の自治体の資格要件をチェックして、条件を満たすようにしてください。

出典元

札幌市 生活相談員の資格要件について
https://www.city.sapporo.jp/kaigo/k200jigyo/shikaku.html

青森県 生活相談員の資格要件について
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/koreihoken/files/H23_4_1-seikatsusodanin-shikakuyoken.pdf

東京都 通所介護及び短期入所生活介護事業所における生活相談員の資格要件について
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/shitei/9_tankiseikatsu.files/28seikatsusoudan.pdf

和歌山県 生活相談員の資格要件について
http://www.city.wakayama.wakayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/998/soudanninn.pdf

福岡県 生活相談員の資格要件について
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/328022_53517249_misc.pdf

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