ヘルスケア&介護業界の応援メディア
ヘルスケア 2021-01-03

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.17】目白鍼灸院 河岸桜子さん流 鍼灸師の手技&技術

ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。

これまで「目白鍼灸院」で鍼灸師として活躍する河岸桜子さんに、鍼灸師を目指したきっかけや、お仕事の魅力について伺ってきました。今回は、河岸さんが施術を行うときに気をつけていること、施術の流れや手技についてご紹介します。

鍼灸は少しのズレでまったく反応が変わります

―施術を行うとき、河岸さんが気をつけていることは何ですか?

ツボを押すときも、反応を見ながら優しく触っていくというのは、もちろん気をつけています。あと、ツボって少しずれると、反応が全然違うんですよ。だから、どこに鍼を刺すかの見極めは、とても慎重に行っています。何回も刺しなおされるのはイヤじゃないですか。まだ4年目なので、パッと触ってパッと刺すっていうのは難しくて、けっこう探ることも多いんですが、最終的に刺すときには一発でできるように心がけています。

―河岸さんは、「刺さない鍼」をメインに施術されているそうですね。

はい。刺さない鍼というのは、東方鍼灸院の吉川先生が生み出した「陰陽太極鍼」というものです。人の体にあるツボとツボをつなぐ経絡のなかには、気や血などが流れています。その流れがスムーズだと健康な状態、どこかで滞っていると症状が出てくるという考えが、鍼灸の基本。通常では、経絡の流れをスムーズにするために、反応のあるツボに鍼を刺しますが、「陰陽太極鍼」では漢方の種や鍼を「貼る」んです。

―貼るだけなんですか?

そうなんです。使用する鍼は、通常の刺すものと同じです。種は、漢方の「王不留行」というもので、それ自体に気や血流を促進させる働きがあります。耳つぼなどによく使われるものですね。これらを反応のあるツボに貼るだけで、経絡の流れを整えることができるんです。

凝りが深かったり、筋肉がすごく硬くなっている場合は、さらに鍼を刺すこともあります。でも、反応のいい方だと、鍼を刺さずに終わることもあるんですよ。

とても優しい鍼灸術なので、鍼灸初心者という方にはおすすめです。刺す鍼に慣れてらっしゃると物足りないかもしれませんが…(笑)。もちろん刺すこともできますので!

―では、施術の基本的な流れを教えてください。

問診・触診

まずは問診で、悩んでいる症状、症状が出ている期間、思い当たる原因などを伺います。その後、仰向けに寝ていただき、脈を確認。脈の太さ、血管の浮き具合、脈の速さなどから、体質や状態を診ます。
舌の表と裏をチェック。舌の色やかたち、出し方、舌苔の状態から、主に内臓の状態を把握します。次に、おなかを触って硬さをチェック。ツボに触れながら、滞りがあるかを診ていきます。
ふくらはぎの硬さとむくみ、首の硬さと凝りの状態をチェック。ここも、ツボに触れながら、滞りがあるかを診ます。

施術

まずは仰向けから施術開始。足の表と裏、ふくらはぎ、手、腕のツボに施術をしていきます。
経絡に触れながら、お客様にくすぐったいところがあるか確認します。本当に不思議なんですが、滞りのあるツボに触れたときは、他のところと反応が違うんです。その反応が出たツボに、種を貼っていきます。
鍼を貼る場合は、症状に合わせて、針先を経絡の流れる方向に向けるか、逆に向けるかを決めます。流れを促進したい場合は、経絡の流れに合わせて針先を向け、流れをゆるめたい場合は、針先を経絡の流れと逆に向けます。
再度、おなか、首、ふくらはぎを触り、硬さや滞りの変化をチェック。患者様と一緒に確認しながら、変化を共有していきます。体の表側の施術で20分程度です。
続いて、うつ伏せになっていただき、足裏、ひざ裏、太ももなど、体の裏側をチェックしていきます。
背中にも触れていきます。硬さをチェックしながら、種と鍼を貼ります。貼ったら、再度硬さをチェックする、というのを繰り返す感じです。体の裏側の施術も20分程度。これで全体をゆるめ終わりました。
お体の状態によって、凝りが深いところにあったり、筋肉が硬くて貼るだけでは奥までゆるまなかったりするので、その場合は鍼を刺していきます。また、冷えがある場合は、お灸で温めます。

クロージング

最後に、今日のお体の状態と、どんな施術をしたかお話します。使ったツボによっては、帰宅後にだるさが出たりすることも。刺激量が多かったかなと思うときは、「だるくなるかもしれないので、ゆっくり休んください」など、おうちに帰ってからの不安がないようにお伝えしています。

患者様と一緒に確認しながら、滞りのあるツボの位置を見極めていく河岸さん。とても真剣かつ集中した表情で、「一度の施術で最大限の効果を感じていただきたい」という、河岸さんの想いが感じられました。

▽#1はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.17】目白鍼灸院 河岸桜子さんが鍼灸師を目指したきっかけ>>

取材・文/山本二季
撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)

教えてくれたのは…

「目白鍼灸院」鍼灸師 河岸桜子さん

鍼灸あん摩マッサージ指圧師。北海道にある東方鍼灸院で約3年の鍼灸臨床研修後、2019年より目白鍼灸院にて勤務。「刺さない鍼」をメインとした高い施術技術と明るい人柄で人気を集めている。

Store Data

目白鍼灸院

住所:東京都豊島区目白3-5-6 目白ITビル2F
TEL:03-5996-8302

この記事が気に入ったら
いいね!してね

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事