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ヘルスケア 2022-03-18

「ピラティスは心にも作用する」と気づき、趣味からインストラクターへ!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.53 ピラティスインストラクター Kayoさん #1】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回お話を伺うのは、「zen place pilates」でインストラクターとして活躍するKayoさん。航空会社をはじめ数社で営業事務として働いていたというKayoさんは、趣味の一環として始めたピラティスに魅了されインストラクターになりました。

前編となる今回は、そんなKayoさんのこれまでの道のりと、現在の働き方についてお聞きします。

お話を伺ったのは…
ピラティス インストラクター Kayoさん

「zen place pilates 代官山」「zen place pilates 渋谷」エデュケーター。航空会社やメーカーで営業事務を経験後、2015年に株式会社ZEN PLACEに入社。レッスン経験を積みながら、マットピラティス、マシンピラティス、産前産後のピラティス指導資格を取得。明るくニュートラルなレッスン指導が人気。現在リーダー職として活躍中。

ピラティスには心を穏やかにする作用がある

ピラティスインストラクター歴7年目。
OL時代に趣味でピラティスを習っただけで
運動経験や知識はゼロからスタートしたそう。

——まずはKayoさんがピラティスを始めたきっかけを教えてください。

ピラティスとの出会いは、駅前で体験レッスンの看板を見つけたことでした。当時はピラティスのことは全く知らず、友人と一緒に何となくレッスンに行ってみた感じで。

その体験レッスンで、何か感じるものがあったわけではないんです(笑)。ただレッスンを終えて、友人は「私には合わないかも」という感想だったのに比べて、私はけっこう心地よさを感じていたんですよね。だから、「あ、私には合うものなのかな」と思って、ちょっと続けてみようと思ったんです。

——そこから、お仕事にしようと思ったきっかけは?

当時ある会社で営業事務の仕事をしていたんですが、チームを組んでいた営業の方がかなり感情の起伏の激しい人で…。その人の機嫌を伺いながら仕事をしていたからか、ある日突然、起き上がれなくなってしまったんです。それで、自分がいつの間にかすごくストレスを溜めていたことに気づきました。

だけどピラティスをしている間は、ストレスから解放されていました。ただただ自分を見つめる、瞑想のような時間があることで、自分が少し楽になれるんだと気づいたんです。ピラティスって、ダイエットとか体を動かすっていうだけじゃなく、心にも作用があるんだなと感じました。

そこから少しずつ自分の心が楽になり始めたら、人に振り回されていたら自分が壊れちゃうって、ある意味開き直ることができるようになりました。すると、相手も少しずつ変わっていって。自分が変わると、相手との関係も変わっていくんだな。それを助けてくれたのはピラティスだったな。そう感じたことで、ピラティスをもう少し深く学びたいと思うようになりました。それでzen placeに入社したんです。

ただ、インストラクターになりたいから入社したわけじゃなかったんですよね。今インストラクターになっているのは、ピラティスを学んでいく過程のひとつだったというか。ピラティスをより深めるためには人に伝えることも学びになると思ったので、自然とインストラクターの道に入った感じです。

「人の幸せ」とは、穏やかな心でいられること

入社後1年半かけてインストラクター資格を取得したKayoさん

——zen placeを選んだのは何故ですか?

初めて体験レッスンを受けたのが、zen placeの前身となるBASIピラティスのスタジオだったんです。またzen placeの理念が、私が感じたピラティスと一致していたことも大きいですね。

高校時代の先生に「世界に出ろ」と言われていたり、修学旅行でUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)本部に研修に行ったり、学生時代から「人の幸せ」について考える環境がずっと近くにあったんです。いろいろ経験して、自分の心や体が穏やかであることが幸せにつながるんだと気づき、そこにピラティスというものが作用していくんじゃないかなと思うようになりました。そういった自分の考えと、zen placeのウェルビーイングな考えが合致したんですよね。

——入社後すぐはどんな感じで働かれていたんですか?

アルバイトとして入社し、3カ月後から社員になりました。最初はもちろん教えられないので、事務的な業務をしながら弊社の養成コースに通い、まずは半年後にマットのインストラクター資格を取得し、その1年後にマシンの資格を取得しました。

資格取得までの1年半は、すごく忙しかったですね。日々の事務業務に加え、社員チェックを受けたうえでのレッスン提供、それとは別に資格取得のための授業やティーチング練習、個人的な実践、インストラクターのレッスン見学など、自分の時間も使いながら取り組みました。

数日で取れる資格ではなく、日々経験を積み重ねてやっと取れる厳しい資格な分、すごく重要な日々だったと感じています。当時は目の前のことに必死だったので、今思えばですけど(笑)。

人前に立つインストラクターという仕事は緊張の連続

リーダーとして活躍するKayoさんは
プライベートレッスンもグループレッスンも人気

——では現在の働き方についてお聞きします。

現在はプライベートレッスンとグループレッスンを担当しています。シフト制なので、1週間のなかで短時間の出勤の日もあれば、長い日もありという感じで、バランスを取りながら働いています。

1レッスンは55分。以前は多い日だと1日10レッスン担当することもありました。今はスタジオを異動したばかりで、レッスンの合間にクライアントさんとコミュニケーションをとる時間が作りたいので、多くても6・7レッスンにしています。

——インストラクターになる前と後で感じたギャップはありましたか?

あまりインストラクターという仕事をイメージせずにスタートしてしまったので(笑)、ギャップはあまり感じていません。でも人前に立つ経験も少なく、そもそも目立つことが苦手なのに、なんでこの仕事についたんだろうと思ったことはありました。今でも毎回レッスンの前は緊張するんです。

とくにグループレッスンは大勢の前に1人で立って見本を見せますし、今はオンラインが充実したことで同時に40・50人に見られながら行うんですよね。初めてのお客さんがいると、ちょっといい話をしなきゃと思ったりして、気張ってしまうときもあります。

——緊張してしまう時はどうするんですか?

仲のいいクライアントさんの顔が見えると、少しリラックスできるんですよね。それに初めてのレッスンなんて、お客さんのほうがきっと緊張しているだろうから、そう思うとお互い様だなって(笑)。

お互いに少しでも緊張を和らげるためにも、レッスン前後のコミュニケーションを大事にしたいなと思うんです。


Kayoさんはピラティスが持つ心への作用に気づき、よりピラティスを深める中でインストラクターになりました。最初はインストラクターになるつもりはなかったものの、現在7年目と経験を積まれてします。そんなKayoさんがお仕事を続ける中で感じている、ピラティスインストラクターの仕事の魅力や大変さについて、次回お聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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Information

zen place pilates 代官山スタジオ
住所:東京都渋谷区代官山町15-9 代官山センタービル4F
TEL: 03-6452-5986(代官山スタジオ直通)
※プライベートレッスン専用スタジオ。グループレッスン希望の場合は、03-4405-1245まで。

Information

zen place pilates
TEL:03-4405-1245

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