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ヘルスケア 2024-10-23

夢は技術を探求し続ける治療家であり続けること【もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事Vol.162】東北沢整骨院 奥田大介さん#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

前編に続いて、東北沢整骨院の院長、奥田大介さんにお話しを伺います。

前編ではサッカーのトレーナーを目指して鍼灸師、さらには柔道整復師の資格まで取得したこと、30歳までにご自身の整骨院の開業を目指したお話しをご紹介しました。
後編では東北沢にご自身の整骨院を開業したこと、開業にあたって奥田さんがこだわったこと、治療家として心がけていることなどを伺います。

お話しを伺ったのは…
東北沢整骨院
院長 奥田大介さん

鍼灸師の資格を取得して20年、柔道整復師となって13年のキャリアを持つ。資格を取得後、数カ所の整骨院に勤務。そのかたわら社会人サッカーチームのトレーナーとしても活動する。整形外科病院で研修した後、2010年ご自身の整骨院を開院する。

思いがけないバックアップを得て、30歳を目前にして開業!

開院するときは保険診療ができることを目指していたそう。料金もリーズナブル!

――柔道整復師の資格を取って、すぐに開業なさったんですよね? 初めてのことだと戸惑うことが多かったのでは?

その点、すごく運がよくて、いちばん最後に働いていたところのオーナーさんが、すごくよくしてくれたんです。「開業に必要なお金は出すから、後々買い取ってくれればいいから」とおっしゃってくださったんです。自分の父より上の方だったんですけど、すごく親身になって相談に乗ってくださいました。

――それはすごい! 見込まれていたというか、信用されていたんですね。

そうですね。開業に必要な申請書類だったり、会社の設立方法だったり、僕ひとりだったら挫折しそうなことも、一緒に「こうやってやるんだよ」って教わりながら手続きしました。もう手取り足取り教わることができたので、本当にラッキーでした。

――奥田さんは、いろいろなタイミングでいい出会いに恵まれていますよね。何か秘訣はあるんでしょうか?

確かに運がいいですね。人に恵まれていると思っています。
特に秘訣はありませんが、約束をしたら絶対に守るとか、自分がイヤだと思うことは人には絶対にしないとか。

――自分がイヤなことというと、例えばどんなことですか?

言葉づかいだったり、発言だったり。自分が言われて「イヤだな」と思うような言葉づかいや発言はしないようにしています。逆に言われて嬉しいことはどんどん言います。ありがとうとかごめんなさいは心がけています
どんなときでも謙虚で素直でいること、怒らないようにしています。

保険診療でも満足してもらえる整骨院を目指す!

最初に記入してもらうカルテ。痛みに真摯に向き合うあまり、利益より患者さんの満足度を優先してしまうとか。

――こちらは保険治療もできるんですね。

僕の経験上、保険治療の施術時間が短いところが多くて、患者さんも「もう終わっちゃったの?」って感じる方が多いと思います。
自分で整骨院を開くときは、保険治療でしっかりやって、時間を延長して自由診療の必要がないくらい満足してもらいたい!と思っていました。

――あまり利益が出なさそうですね(笑)。

患者さんの満足度が高ければ、また来院してくださるし、別の患者さんを連れてきてくれるんじゃないか、という考え方です。
そうは言っても、施術する側の身体はキツいですよね(笑)。患者さんがたくさんいらっしゃると、お断りしないといけませんし、スタッフの帰りも遅くなるので、どちらにも申し訳ないな~と思っています(笑)。

――保険治療だけで済んでしまうと、患者さんも驚くのでは?

初めて来院される方は、「今日は本当に辛いので、保険プラス長めにやってください」って、最初から自由診療ありきの方もいます。そのときは、「保険治療をやって、それで効果が出なければ考えましょう」と提案します。だいたいの方は、保険治療だけで満足なさいますね。

――奥田さんの身体がキツくなったとき、どうメンテナンスしているんですか?

スタッフにやってもらいます。僕の場合、特定の部位の具合が悪いということはなくて、長時間やっていると脚が痛くなって腰が重くなってくる。そんなときに、「悪いけど、ちょっとここやって」ってお願いしてます。

――そんなとき、腕のいいスタッフを指名するんですか?

いいえ、全員まんべんなく(笑)。「この人は最近、どんな風にやっているのかな?」って、チェックを兼ねてやってもらいます。やってもらいながら「そこはこうした方がいい」とか「これだったらこっちがいい」とかアドバイスもします。

――なるほど。ご自身が実験台になっているんですね(笑)。ところで、奥田さんが鍼灸院や整骨院をいくつか巡ったように、スタッフの方たちも転職を考えているようですか?

僕みたいに、ゆくゆくは自分で…って考えているスタッフが多いですよ。「ここでこれを学んだから、今度は違うところでこういう勉強をしたい」とか、「自分で開業したいです」って相談されることは多々あります。そう言われたら、僕もそうだったように引き留めまずに、応援します。

――奥田さんはご自身の整骨院を開業して夢を叶えました。今後はどんなことを考えていますか?

体力の続く限り、治療家でありたいと思っています。僕たちの仕事は定年がないので、幾つになってもできます
歳を取ると身体が硬くなるし、考え方も頭も硬くなりますよね。視野も狭くなっていくし。いろんな意味で凝り固まらない、常にオープンで柔軟な考え方のできる治療家でありたいですね。

奥田さん流! 治療家として長く続けるためのポイント

1.どんなに辛いことがあっても諦めずに向き合うこと。

2.自分がイヤだと思うことは、他者には絶対にやらないこと。

3.常にオープンで柔軟な考え方を心がけ、視野を狭くしないこと。

最初はトレーナーになることが目標だった奥田さん。実践の現場でさまざまな体験や経験を積んでいく中でご自身の整骨院を持つことを目標に定め、30歳を目前に夢を実現させました。ご自身は「人に恵まれた」とおっしゃっていましたが、すべては奥田さんの人間力のなせる技。技術力はもちろん人間力を身につけることの大切さを感じました。

information

東北沢整骨院
住所:東京都渋谷区上原3-31-14 マガザンイシイ・パート1
電話:03-5478-0899

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