【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.17】目白鍼灸院 河岸桜子さんが鍼灸師を目指したきっかけ
ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
今回は、「目白鍼灸院」で若手鍼灸師として活躍している河岸桜子さんにインタビュー。中学生のころの、ある体験から鍼灸師をめざしたという河岸さん。そこから夢を叶えるまでの道のりを教えていただきました。
教えてくれたのは…
「目白鍼灸院」鍼灸師 河岸桜子さん
鍼灸あん摩マッサージ指圧師。北海道にある東方鍼灸院で約3年の鍼灸臨床研修後、2019年より目白鍼灸院にて勤務。「刺さない鍼」をメインとした高い施術技術と明るい人柄で人気を集めている。
鍼灸との出会いは、母の顔面麻痺がきっかけでした
―まず、河岸さんが鍼灸師を目指したきっかけを教えてください。
私が中学生のころ、母が顔面麻痺になったんです。病院にも入院したんですが治らず、そのまま退院することになりました。それで、いろいろ調べたなかで、鍼灸がいいよという話を聞いたので、北海道にある東方鍼灸院に通い始めたんです。それを、私も見学させていただいていたんですよね。
その後、母の症状が完全に改善したんです。病院で治せなかったものにアプローチできる方法があるんだという驚きと、病院とはまた違うケアが鍼灸ならできるんだということに魅力を感じて。それから鍼灸師を目指すようになりました。
―それから一直線だったんですね。その後の道のりは?
はい。専門学校で3年ほど勉強し、国家試験を受けて鍼灸師になりました。卒業後は、東方鍼灸院で約3年間、長期研修生として勤務させていただきました。そちらでは、吉川正子先生が生み出した刺さない鍼「陰陽太極鍼」という、とても優しい鍼灸術を学ばせていただきました。
目白鍼灸院の院長、柳本真弓先生も、東方鍼灸院で陰陽太極鍼を学ばれていて、姉弟子にあたります。そのご縁もあり、2019年からこちらで勤務させていただくことになりました。他の先生方も、東方鍼灸院で学ばれた方々ばかりなので、とても心強いです。
最初はわからないことだらけ! 勉強して初めて理解できた鍼のこと
―お仕事として鍼灸師になってみて、感じたギャップはありましたか?
初めて出会った鍼灸の先生も、学ばせていただいた先生も同じ方でしたので、大きなギャップはありませんでした。
とは言え、本当に最初は「何をしてるんだろう?」って感じでしたからね。ツボとかも知りませんでしたし、「なんで顔の症状なのに、そんなところ触ってるんだろう?」って。それが、鍼灸師になって初めて、「あぁ、だからあんなことしてたのか!」ってわかるようになりました。それがすごく楽しいですね。
―確かに、鍼灸やツボは勉強しないと全然わからないですよね。
そうなんですよ! でもすごくおもしろいですよね。ツボって3,000年以上の歴史があって、新しいツボとかも出てきたりはするけど、基本的にはほとんど変わってないんですよね。昔の人ってすごいなって。全身に360個以上あるので、覚えるのは大変ですけど(笑)。
―鍼灸師になってよかったと感じることは?
患者様の症状がよくなっていくのは、やっぱりうれしいですね。直接お礼を言っていただけることも多いので、自分がケアに携われて、お礼を言ってもらえるっていうのは、すごく幸せだと感じます。
―では、現在はどのような働き方をされているか教えてください。
一日に平均4名くらい施術させていただいています。30~50代の女性の患者様がメインで、肩こり、腰痛に悩まれている方がとても多いです。
帰宅後は、その日の患者様の施術でわからなかったことがあれば、自宅にある本などで調べるようにしています。次の来院までのあいだに、どういう対策が取れるか、きちんと考えておくことが大切だと思っています。
終始にこやかにお話しをされ、その笑顔や明るい人柄がとても魅力的な河岸さん。院長の柳本先生からも、「河岸先生は施術中も患者様との笑い声がたえない」とお聞きして、とても楽しくお仕事をされているんだなと感じました。次回は、河岸さんが鍼灸師として働くうえで感じたこと、これから鍼灸師を目指す人たちへのアドバイスをお届けします。
▽#2はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.17】目白鍼灸院 河岸桜子さんが感じた鍼灸師の魅力とは>>
取材・文/山本二季
撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)