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特集・コラム 2022-07-23

就労継続支援B型とは?利用者をサポートするために知っておきたい特徴や事業所について解説

就労継続支援B型の利用者にはどのような人たちがいて、事業所のスタッフは利用者をどうサポートしているのでしょうか?就労継続支援B型の利用者を支えていくことは、彼らの生活に関わっていくことでもあります。基礎の知識を身につけて、就労継続支援B型をサポートする上で役立てていきましょう。

ここでは、就労継続支援B型とはなにか、A型・B型と就労移行支援の違い、就労継続支援B型事業所について紹介します。

就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型とは、障害福祉サービスのことです。

難病を抱えている方や障害のある方が対象となります。一般企業に就職することが難しい場合に、軽作業などの就労訓練を通して、働くチャンスを提供していきます。障害者総合支援法で定められた福祉制度のひとつです。

就労継続支援B型は、障害や体調に合わせて、自分のペースで働けることが特徴です。就労移行支援事業所に通い、作業をすることで就労の経験を重ねていきます。雇用契約を結ばないため、作業や作ったものに対して支払われる給料は、賃金ではなく「工賃」として支払われます。

就労継続支援B型の利用の条件

難病を抱えている、または身体障害・知的障害・精神障害・発達障害がある方が対象となります。以下のどれかの条件に当てはまれば、利用が可能です。

・就労経験があり、年齢・体力の面で一般企業に雇用されることが難しくなった
・50歳以上
・障害基礎年金1級を受給している
・就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面にかかわる課題等が把握されている

自治体により条件が異なることがあります。詳しく知りたい場合は、市区町村の障害福祉窓口に問い合わせが必要です。

障害者手帳がなくても利用はできる

障害者手帳を持っていた方が、障害の状態や度合いをすぐに確認できるので、スムーズに就労継続支援B型のサービスを受けられます。

障害者手帳がない場合は、「障害福祉サービス受給者証」が必要になります。「障害福祉サービス受給者証」の発行には、病気や障害の状態が分かる主治医の診断書などを提出します。

申請して発行されるまで一ヶ月ほど時間がかかることがありますが、障害者手帳がない場合でも、就労継続支援B型が利用できます。

就労継続支援B型利用者の工賃や作業内容は?

就労継続支援B型の利用者は月にいくら工賃をもらい、どんな作業をしているのでしょうか。

利用者の工賃はどれぐらい?

厚生労働省の資料では、2020年度の平均工賃を時給にすると、222円になります。

就労継続支援B型は雇用契約を結ばないため、自治体が定めている最低賃金より低いケースがあります。2020年度の最低賃金(全国加重平均額)は、時給902円になっており、就労継続支援B型の工賃とは680円の差が出ています。

現在、各都道府県が工賃向上計画に取り組んでおり、実際に工賃が上がった事業所もあります。また、厚生労働省も委託事業という形で、事業所向けに工賃アップを促すガイドブックを作成するなど、力を入れています。

工賃の支払い方法は、事業所によって変わります。作業で作った製品に対しての出来高払い、事業所に通うことで定額が支払われる場合などがあります。

利用者はどんな作業をする?

就労継続支援B型事業所の作業は、事業所によって内容が変わります。
例を挙げると次のようになります。

・自動車部品の組み立て
・名刺・ポスター・パンフレットの印刷・加工
・ミシンでの作業や手工芸作り
・パソコンで簡単なデータ入力
・梱包作業
・製品へのシール貼り
・清掃作業
・カフェでの調理・ホール

作業を通じて、仕事で必要なビジネススキルを習得していきます。

就労継続支援A型・B型と就労移行支援の違いは

就労系の障害福祉サービスには、就労継続支援B型以外にも就労継続支援A型、就労移行支援があります。ここでは、3つのサービスの違いを比較して紹介します。

就労移行支援は、働くために必要なスキルを習得し、就職活動、就職後のサポートも受けられるサービスとなっています。事業所によりますが、基本的に賃金は発生しません。

就労継続支援A型は、一般の職場環境に近い形で働くことができます。雇用契約を結ぶことが就労継続支援B型との大きな違いになっており、最低賃金以上の給料が支払われています。

就労継続支援B型事業所で働こう

厚生労働省の資料によると、就労継続支援B型事業所は、2020年度の時点で全国13,441か所に設置されています。年々増加傾向にあり、今後も増えていく可能性があります。

就労継続支援B型事業所では、どのような仕事をするのでしょうか。また、働く上で役立つ資格も紹介します。

スタッフの主な仕事内容

ここでは、就労継続支援B型事業所のスタッフが行う主な仕事について、6つ紹介します。

1.利用者の作業をサポートする

利用者が、働くためのスキルを身につけるため、作業の訓練指導を行います。利用者たちの個性や得意なジャンルを見極めて、作業のメニューを確保していくことが求められます。一緒に作業をする場合もありますが、スタッフは主にサポートとして動きます。

2.施設外での就労を支援する

事業所の外に出て、地域の企業などで就労・実習を行います。利用者に技術だけではなく、ビジネスマナーも身につけてもらうことが目的です。

ハローワークや障がい者就労・生活支援センターなどと連携をして、利用者が働く場所の確保をします。就労先とは密に連絡をとることになるため、コミュニケーション力が求められます。

3.余暇の支援をする

利用者に楽しみながら、自立心、コミュニケーション力を身につけてもらうことが目的のサポート業務です。

具体的には、事業所の周辺に出かけて、散歩・映画鑑賞・ボウリングなどのレクリエーションを行います。事業所によっては、利用者の要望を聞いて、スタッフがそれに沿ったサポートをしているところもあります。

4.利用者や家族からの相談を受ける

利用者やその家族が感じている、困りごとや悩みについて相談を受けます。利用者の心身の状態や生活に必要なことを聞き取っていき、支援計画の作成に活かしていきます。相談援助が、利用者と家族に信頼してもらうことにも繋がっていくのです。

5.個別支援計画を作成する

個別支援計画とは、利用者の課題・目標・支援策を記した計画書です。

事業所が支援していく方向性について、利用者や家族と共有するための重要なものとなります。利用者の状態は変化していくため、個別支援計画の定期的な内容の見直しや修正が必要です。

6.利用者を送迎する

事業所によっては、利用者の送迎を行っています。

都心で交通アクセスがスムーズな場所であれば、送迎をしないこともあります。地方の事業所や重い障害を持った利用者がいる場合は、送迎が必要です。利用者の家まで送迎するケース、事業所の最寄り駅まで送迎するケースなどがあります。

持っておくと役立つ資格

ここでは、就労継続支援B型事業所で働くときに、持っておくと役立つ資格を紹介します。

・サービス管理責任者
・介護福祉士
・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
・普通自動車運転免許

資格が無くても、働ける事業所はたくさんあります。キャリアアップのため、働きながら資格の取得を目指す人もいます。

生活に欠かせない「就労」を見守る

就労継続支援B型事業所での仕事は、利用者一人ひとりの個性を把握していくことが求められます。難病を抱えた方、障害のある方のサポートは、コミュニケーションが難しいこともあります。
しかし、利用者が少しずつ課題を克服して、暮らしを前向きにとらえていくとき、信頼関係が築けたことを実感できます。

就労継続支援B型を利用している人々の「就労」を見守り、サポートしていくことは、彼らの生活に関わっていくことでもあります。非常にやりがいのある仕事と言えるのではないでしょうか。

引用元
障害者の就労支援について(厚生労働省HP)

障害者の就労支援対策の状況(厚生労働省HP)

平成14年度から令和2年度までの地域別最低賃金改定状況(厚生労働省HP)

就労継続支援事業所における工賃向上ガイドブック─良い支援、高い工賃の追求─

障害者の利用者負担(厚生労働省HP)

障害者福祉施設指導専門員(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))

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