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特集・コラム 2025-03-27

福祉とはどういうもの? 社会を支える福祉の仕事を6つのジャンルで紹介

「福祉」という言葉はよく耳にしますが、具体的にはどういうものなのか、どんな種類の仕事があるのかなど、わからないことが多いのではないでしょうか。実は、福祉の仕事は多岐にわたるもので、職種も豊富です。

そこで、今回は福祉の概要を説明したうえで、福祉業界のジャンルや職業の種類について解説します。福祉の仕事に興味があるならぜひ知っておきたい内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

福祉とはどういうもの?

福祉には、「幸い」という意味があります。人間の生活にとって、幸福を感じることは大切な要素です。

福祉という言葉を、人々の暮らしに当てはめてみましょう。すると、福祉は社会性を帯び、「公的な援助やサービスにより、幸福な生活環境を作り出していく」という意味合いになります。この「援助やサービス」が、福祉の仕事に繋がっていくのです。

福祉の仕事は、高齢者や子どもなど幅広い人々と接します。多くのジャンルがあり、仕事の内容も違いますが、共通していることもあります。「自立した幸せな生活を送れるように、人々を手助けする」という考え方は、福祉の仕事の根底に流れている共通の精神と言えるでしょう。

福祉の仕事とは? 6つのジャンルを紹介

福祉の仕事は、高齢者・障害者・児童・その他(低所得者、母子家庭など)が対象です。そのため、ジャンルが多岐にわたり、仕事によって求められる資格も違います。ここでは、福祉に関する主な仕事の種類を6つのジャンルに分けて紹介します。

引用元
厚生労働省:福祉・介護

1. 介護の仕事

介護が必要な高齢者や障害者を、手助けする仕事です。住み慣れた地域や住まいで、安心した生活を送ることができるようにサポートしていきます。

主な職種は、

・介護福祉士
・施設介護員(ケアワーカー)
・訪問介護員(ホームヘルパー)

などです。

働く場所は、高齢者福祉施設・障害者福祉施設などの社会福祉施設や、老人保健施設などの病院や医療施設です。訪問介護員(ホームヘルパー)の場合は、利用者の自宅へ訪問し、介護や家事の支援を行います。

この職種は、主に食事・入浴・排泄など、生活に欠かせない部分をサポートしていくことが主な仕事です。施設利用者の気力を引き出していくために、レクリエーションを行うなど、前向きに暮らせるように手助けしていきます。

介護福祉士は、介護福祉職で唯一の国家資格になります。

生活面をサポートするだけではなく、利用者のニーズを見極めて、心身の状態を把握していきます。利用者の生き方に向き合っていくことが求められる仕事です。多職種の人々と連携することもあり、コミュニケーション力が必要とされます。

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引用元
日本介護福祉士会:介護福祉士会について ABOUT US
job tag:施設介護員 – 職業詳細

2. 保育の仕事

子どもと関わっていく仕事です。子どもに生活習慣を身につけさせる役割があり、健やかな成長をサポートしていきます。

主な職種は、

・保育士
・児童指導員
・学童保育指導員

などです。

なかでもニーズが高まっているのが、保育士です。乳児保育、長時間保育、夜間保育など、サービスが充実してきており、同時に保育士も必要とされています。

保育士は、一般的に保育所で仕事をするイメージですが、乳児院・児童養護施設・障害児施設などでも活躍しています。保育士として働くには、保育士資格が必要です。

児童指導員の働く場所は、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設などです。

保護者のいない子どもや虐待されている子どもなど、家庭環境において保護が必要な子どもたちを支援していきます。必要であれば、保護者や児童相談所などと面談を行い、対応を検討していくケースもあります。

学童保育指導員は、学校で空いている教室・児童館・公民館などで働きます。

保護者が仕事などで家にいない放課後や休日などに、子どもたちへ遊びや生活の場を提供し、子どもの自主性や社会性を高める役割があります。また、保護者とのやり取りも発生するため、コミュニケーション力も必要です。

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引用元
job tag:保育士 – 職業詳細
job tag:児童指導員 – 職業詳細
job tag:学童保育指導員 – 職業詳細

3. 相談援助の仕事

専門的に相談援助の仕事を行います。ソーシャルワーカーやケースワーカーなどと呼ばれています。関係機関との調整も役割のひとつです。

主な職種は、

・社会福祉士
・社会福祉主事
・生活相談員
・介護支援専門員

などです。

社会福祉士は、社会福祉業務の国家資格になっており、専門性が高いことが特徴です。

福祉施設・医療機関・刑事施設など幅広い場所で活躍しています。日常生活に難しさを感じる人への相談、助言、指導が主な仕事です。働く場所によっては、母子家庭やDVを受けている人々への相談援助を行うこともあります。

社会福祉主事は、都道府県などの福祉事務所に必ず配置する義務があります。そのため、主に行政機関で働いていることが特徴です。福祉事務所を訪れる人の相談に乗り、生活保護の申請を受け付けるなどの業務を行います。

生活相談員は、特別養護老人ホームやデイサービスなどで働いています。

施設の利用者が、可能な限り自立した日常生活を送れるように、相談援助を行います。また、利用者の主治医や介護支援専門員との連絡調整も役割のひとつになっています。

介護支援専門員は、要介護・要支援者の自立をサポートするための専門知識を持ち、利用者と、自治体やサービス提供事業者などを結ぶ存在として活動する職業です。「ケアマネジャー」とも呼ばれます。

所持資格や実務経験といった受験資格が必要で、試験を受けて合格しないと介護支援専門員にはなれません。数ある介護の仕事のなかでもレベルの高い資格です。

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引用元
日本社会福祉士会:社会福祉士とは
厚生労働省:社会福祉主事について
job tag:老人福祉施設生活相談員 – 職業詳細
東京都福祉保健財団:介護支援専門員(ケアマネジャー)について

4. 保健医療の仕事

医療機関で働くことがメインになりますが、福祉サービスのある施設で働く人も増えています。他の専門職と連携していくことが求められる仕事です。

主な職種は、

・精神保健福祉士
・理学療法士
・看護師
・保健師
・作業療法士
・言語聴覚士

などです。

精神保健福祉士は、国家資格です。精神科ソーシャルワーカーと呼ばれています。

精神科病院などで医療を受けている人や、精神に障害があり、社会復帰促進事業所を利用している人などをサポートする仕事です。社会復帰について相談を受け、助言や指導を行います。医療と地域生活の架け橋になることが求められます。

理学療法士は、リハビリテーションを行う職種で、国家資格になっています。

けがや病気が原因で、身体に障害がある人が対象です。日常生活を送れるように、動作能力の回復、障害の悪化を予防していきます。病院、クリニック、介護保険関連施設などで活躍しています。

看護師は、診察の補助や利用者の療養上の世話などを行っています。

医療施設で働く場合は、医師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士など、専門の職種とともに医療チームとして動いていきます。社会福祉施設で働く場合は、医療施設と比べて医師が関わる機会が少ないため、日常的な医療管理が多くなります。また、緊急時には判断を求められることがあります。

保健師は、主に市町村や保健所に所属し、乳幼児から高齢者まで老若男女の地域住民に向けて保険サービスを提供する仕事です。保健指導や家庭訪問、各種教室の開催などを行っています。

作業療法士(OT)は、障害をお持ちの人の心身の回復を目指してさまざまな動作の訓練や援助などを行う、国家資格の職業です。

言語聴覚士は、言語や嚥下(えんげ)に支障を抱える人に向けて訓練や指導を行う、国家資格の仕事です。病気ごとに訓練プログラムや必要な支援などが異なるので、高い専門知識が求められます。

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引用元
厚生労働省:神保健福祉士について
日本理学療法士協会:理学療法士とは
job tag:看護師 – 職業詳細
job tag:保健師 – 職業詳細
job tag:作業療法士(OT) – 職業詳細
job tag:言語聴覚士 – 職業詳細

5. 栄養・調理の仕事

福祉においては、栄養・調理の分野の仕事もあります。代表的な職業が、栄養士と調理師です。

栄養士は、福祉施設・病院・学校・企業など、人が集まるさまざまな場所で、栄養に関するアドバイスを行ったり、栄養のバランスを考えながら食事の提供や管理を行ったりします。所定の勉強をして試験に合格し、「栄養士」の資格を得なければなりません。

また、栄養士の仕事を究めると、特に高度な知識を有していると認められた人に与えられる、「管理栄養士」という国家資格も目指せます。

調理師は、食材や調理のプロとして働ける国家資格の仕事です。食品・栄養・衛生などの知識が求められ、福祉の分野でも活躍を狙えます。

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調理師免許は国家資格? 調理師免許の取り方を紹介|調理師免許の試験とは

引用元
job tag:栄養士 – 職業詳細
日本栄養士会:管理栄養士・栄養士とは
調理師関係|厚生労働省
東京都保健医療局:調理師の資格を取得するには

6. 管理・運営の仕事

福祉施設を維持していくには、運営や管理に携わる仕事も必要になります。

主な職種は、

・施設長
・事務職
・送迎ドライバー

などです。

施設長は、社会福祉施設の管理者です。

ほぼすべての社会福祉施設に、施設長を置くことが定められています。サービスの提供、スタッフや財務の管理、外部との折衝などを行います。経営目標を踏まえて、具体的な方針をプランニングしていく、施設運営の中心的な存在です。

事務職は、介護事務や医療事務が挙げられます。

社会福祉施設や病院には欠かせない業務で、経理や庶務などを行っています。介護事務なら介護報酬の知識、医療事務なら診療報酬の知識が必要です。また、受付窓口の業務もあるため、コミュニケーション力も求められます。

送迎ドライバーは、施設と利用者宅を車で行き来して、送り迎えをすることが主な仕事です。利用者が車を乗り降りする際にサポートを行います。送迎の時間帯だけ働くケース、手が空いた時間は介護の業務を行うケースもあります。

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施設長
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引用元
job tag:施設管理者(介護施設) – 職業詳細
job tag:介護事務 – 職業詳細
job tag:医療事務 – 職業詳細

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福祉とは幅広いジャンルで求められるもの

今回は、福祉の仕事の種類として、6つのジャンルとジャンルごとの職業を紹介しました。

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