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ヘルスケア 2024-10-08

最初は辛さしかなかったお別れを、最期のときを任してもらえる感謝とやりがいに変えて「フレアス」神里子さん

日本の健康を支える治療業界の魅力を紹介する本企画。今回登場いただくのは2000年に山梨で創業し、訪問鍼灸マッサージのサービスを提供する「株式会社フレアス」です。現在は国内に直営店とフランチャイズをあわせて407拠点(2024年7月時点)を構え、2019年にはマッサージ業界で日本初となる東証グロース(旧:東証マザーズ)上場も果たしました。

後編は現場で働くスタッフのおひとりであり、技術支援課の係長としてスタッフの研修も担当する神里子(じん・さとこ)さんにお話しを伺います。前職で訪問の仕事を経験し、その魅力を感じたことから、訪問鍼灸マッサージの大手である「フレアス」への転職を決めたそうです。

長く訪問鍼灸マッサージの仕事に携わってきた神さんにその魅力を聞くと、ご利用者様に感謝され、その変化を間近で感じられることだといいます。また最初は辛さしかなかったご利用者様とのお別れも、あるご利用者様との出会いを通じて、最期のときを任せてもらえる感謝とやりがいに変化したことを教えてくれました。

お話を伺ったのは・・・
株式会社フレアス
直営教育支援部 技術支援課 係長/鍼灸マッサージ師
神里子さん

2つの治療院を経て、株式会社フレアスに入社。現在は入社15年目で、現場スタッフとしてご利用者様に施術を行うだけでなく、新入社員の研修なども担当。小学校1年生と年中のお子さんの子育て中でもある。

訪問鍼灸マッサージに特化した会社の、働きやすい環境に魅力を感じて

取材に応じてくれた神さん。前職で訪問鍼灸マッサージの仕事を経験し、魅力を感じたという

――「フレアス」に入社したきっかけは?

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の国家資格を取得したあと、東京の女性専用の治療院を経て、大阪にある鍼灸接骨院に転職しました。

そこで訪問の仕事に出合って魅力を感じたのですが、治療院での通常の業務の間に訪問をする形だったのでとても忙しくて、どちらも片手間になってしまっている感覚があったんです。そこで東京に戻ってくるタイミングで訪問鍼灸マッサージに特化した会社に転職しようと思いました。訪問鍼灸マッサージについて、制度も含めてしっかりと学びたいと思ったんです。

――「フレアス」のどんな点を魅力に感じたのでしょうか?

魅力の1つとしては、働きやすさの部分です。残業が少なく、決まった時間に帰れるし、お休みもちゃんと確保されている点を魅力に感じました。そのときはまだ結婚も出産もしていなかったのですが、いずれそういうこともあるだろうと思っていたので、転職活動をする際にとくに意識して見ていたポイントでした。

――入社後はどのように仕事が始まったのでしょうか?

まずは同じ時期に入社した同期とともに初任者研修を受けました。当時、横浜のランドマークに本社があったのですが、そこで月曜日から金曜日までの4泊5日で、研修が行われたんです。

泊まりがけだったのは、地方からくる人のためというのが大きかったと思いますが、研修のあとに練習する時間を設けていたり、親睦会もあったりしたため、研修会場と自宅を行ったり来たりすることなく、研修に集中できたのがありがたかったです。

――研修の内容はどういうものでしたか?

まずは基礎の知識と技術について学びました。そこに集まっていたのはみんなあん摩マッサージ指圧師・鍼灸師の国家資格取得者でしたし、私のように前職でも訪問鍼灸マッサージ業界の経験がある人もいましたが、復習的に内容をおさえ、さらにそれを深めていく形で研修は進められました。

また訪問鍼灸マッサージはご自宅に伺う仕事なので、マナーについて学ぶ研修内容も多かったです。ご自宅への入室方法やご挨拶の仕方、寝たきりのご利用者様とのコミュニケーションの取り方や、目が見えづらい方や耳が聞こえづらい方が驚かれないようにどう距離を縮めるかなど、細かく教えてもらいました。

――研修後は、すぐ現場に入るような形なのでしょうか?

まずは先輩社員に同行して行うOJT研修、次に先輩に同行してもらいながら新人が施術を行う期間があって、その後ひとり立ちする流れです。ひとり立ちするまでの期間は個人差や事業所にもよりますが、だいたい1ヶ月ほどになるかと思います。

事前情報に頼りきらず、細かく確認することで、信頼関係が生まれる

現場では細やかな確認を何より大切にしているという神さん

――現在の神さんのお仕事についても教えてください。現場のほかに研修などの直営教育支援部の業務も担当しているということですが、仕事の割合はどのくらいでしょうか?

研修関係の業務が7、現場仕事が3くらいの割合になっています。研修関係の仕事をしているときは週に1、2回在宅勤務をさせてもらうこともあり、子どものお迎えの時間に合わせて仕事を終えています。

現場にいるときは、1日5件程度のご利用者様のところへ訪問していますが、ご逝去されるご利用者様がいたり、新規の方が入ったりして件数が変更になることもあります。基本の勤務時間は9時から18時ですが、8時から17時など自分の都合にあわせて調整することも可能です。

――初めてサービスを受けるご利用者様がいるときはどのような流れで、施術に入るのでしょうか?

事前にいただいた情報を見ながら、「このあたりに困っていそうだからこういう施術をする」ということを想像してはいますが、実際にご自宅に伺った際は、事前の情報に頼りきらず、ご利用者様のお名前、触ってはいけない場所や、やってはいけない動きがないかなどきちんと確認することを大切にしています

またご自身のご病気のことは話したくないという方もいるので、そのことについてお聞してもいいかという確認も事前にとるんです。一連の確認が済み、ご利用者様に安心してもらって初めて施術に入ることができます。こういった安心感がご利用者様との信頼関係にもつながっていくと思っています

――施術を行うことで、身体にどのような変化が起きるのですか?

変化がその場でぱっと起きるとも限らず、継続して受けていただくなかで少しずつ、という形ではあるのですが、普段ご利用者様がご自身では動かせていない筋肉や関節を代わりに動かすことで、身体の動きが徐々にスムーズになるんです。

また血流の改善につながり、顔色が良くなったり、内臓の働きが活発になったりもします。こういった変化が起きると、ご利用者様の表情もぱっと明るくなり、やりがいを感じる瞬間です。

ご利用者様からのお礼メールで心境に変化が。最期を任せてもらえるありがたさ

訪問鍼灸マッサージのやりがいについて話す神さん

――15年もこの仕事を続けていらっしゃるとのことですが、どういった点にやりがいを感じていますか?

まず利用者様のみなさんが、訪問したときに、私の顔を見ただけで「来てくれてありがとう」と言ってくださるんです。自分で自由に動けない方がほとんどなので、それだけ困っているということだと思いますが、こんな仕事はあまりないのではないかと思います。

またご利用者様の生活の質を上げることができたり、生活の変化を間近に見られたりすることもやりがいだと感じます。訪問鍼灸マッサージの仕事はご利用者様の状態や症状を改善したり、痛みをとったりするだけではなく、それが生活の変化につながります。さらにその変化を間近で感じられる仕事だと思うんです。

たとえば痛みが取れることで動いてみたい気持ちが少し出てきて、日常から運動量が増える方もいますし、筋力が増えるので歩くときの安定感も出て、今まで行けなかった場所にいけるかもしれないという希望につながっていくこともあります。

――そんな変化を間近で見られるとうれしいですね。

そうなんです。あとは、最初は辛かった部分になるのですが、ここ何年かでそのご利用者様の最期の時間に携われる仕事だということに、ありがたさとやりがいを感じるようになってきました

心境の変化につながったのは2、3年ほど前に担当させていただいた50代の女性との出会いです。余命宣告を受けている方で、最期は病院と決めていらっしゃったそうで、病院に入られたときにお礼のメールをいただきました。「多分もう家には戻れないと思う。短い期間だったけれど、来てもらえることが楽しみでした。ありがとう」と。それまでは突然のお別れというのが多かったのですが、ご挨拶を初めて受け取ってみて、最期に頼っていただいたことへの感謝がわいてきたんです。今でももちろんお別れは辛いのですが、少し別の角度から見られるようになってきました。

ケアマネさんからも、「最期の時間をご自宅で過ごされる方がいるのでフレアスさんに」とお声がけいただくこともあり、ご利用者様の最期の時間を任せられる会社として私たちを思い出してくださることを、とてもうれしく感じています

――最後に、この会社を目指す人へメッセージをお願いします。

「フレアス」はさまざまな機会やチャンスをつかめる会社だと思っています。私も一施術者として入社しましたが、2年目から研修関係の業務についても任されるようになりました。実は最初は、研修を担うことにそこまで乗り気ではなかったんです。

でもせっかくいただいた機会だから挑戦してみようと取り組み始めたところ、思いがけず世界や働き方が広がりました。子どもを育てながら働くようになったとき、現場だけでなく本部業務があることで自宅勤務が可能になったのが働きやすさにもつながったんです。施術者としてだけで働いていたら、こんなに長くは続けていなかったと思います。

思わぬ機会やチャンスを楽しめる方には、「フレアス」はおすすめの環境です。


最期の時間を預かることに、感謝も感じると話した神さん。その言葉と表情から、現場でのご利用者様との時間を本当に大切にしている様子が伺えました。急成長を遂げても、スタッフ1人ひとりがご利用者様としっかり向き合っていることが、「フレアス」の力なのだと感じました。

Information

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フレアス五反田本社
住所:東京都品川区西五反田二丁目27番3号(A-PLACE五反田3F)
電話:03-6632-9210

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