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ヘルスケア 2024-12-31

スタッフも利用者さんもみんなが家族。だからお世話が楽しい!【介護リレーインタビューvol.51/介護ヘルパー トゥーン レ シュエ イー ウーさん】#2

介護業界に携わる皆さまのインタビューを通して、業界の魅力や多様な働き方をご紹介する本連載。

お話しを伺ったのは…
介護老人福祉施設 ラペ二子玉川
介護ヘルパーのトゥーン レ シュエ イー ウーさん

母国ミャンマーで日本語と介護の基本を勉強し、2023年に来日。同年11月に社会福祉法人 緑樹会に技能実習生として入社。現在はラペ二子玉川で介護ヘルパーとして勤務している。

前編ではトゥーンさんがミャンマーを離れて来日を決めたいきさつや、来日するまでに学んだことなどご紹介しました。後編では、実際に施設で働き始めてとまどったこと、介護にあたっての心づもり、日本語がうまくなるために心がけていることなどについて伺いました。

とても心強かった「分からなければ何度でも聞いて」の言葉

イベントで盛り上がったラペ二子玉川のスタッフたちと(トゥーンさんは一列目中央)。国籍に関係なくフレンドリーな環境が心地いいそう。

――ミャンマーのKTC(Kaigo Training Center)で介護のことを勉強しましたが、実際に働くのとは違いましたか?

利用者さんの体調や病気のことを覚えなければいけませんし、言葉も分からないし、分からないことだらけでした。私はちゃんとここでやっていけるのか、不安で仕方がありませんでした。

――最初はどんなことを?

入社してすぐ施設のリーダーに「私たちがやることをしっかり見ていて」と言われました。先輩たちがやっていることを見ても「こんなに難しいこと、私にできるの!?」と思うことばかりで、自信がありませんでした。それを先輩に相談したら「最初は誰でも同じ気持ちだから大丈夫だよ」とか「慣れないうちは難しいけれど、やっていけばできるようになるよ」って言ってくれたので、ちょっと安心できました。私だけが不安に感じているんじゃないって分かったのがよかったんですね。「がんばろう!」という気持ちになれました。

――3か月かけてだんだん覚えていったんですね。

先輩たちのやり方は少しずつ違っていて、「トゥーンさんもいろいろ試してみて、いちばんやりやすい方法を見つければいい」とアドバイスしてくれました。
見ただけでは覚えられないこともあって、何回も質問してしまうことがあります。そんなときも、「分からないことは、絶対にそのままにしないで」って言われました。「何回でも教えるから、ちゃんと質問して」と言ってもらえたのが心強かったです。

――トゥーンさんは仕事をするとき、心がけていることはありますか?

利用者さんもスタッフも私の家族だと思っています。利用者さんの気持ちを大切にしていると、ちゃんと通じるものなんですね。利用者さんも私のことを頼ってくださる。それがとてもうれしいです。

――ほかに、仕事をしていて嬉しいことはありますか?

一生懸命に仕事をしていると先輩たちから「がんばっているね」とか「真面目にやっているね」とほめてもらえることです。きちんと仕事をしていることを見ていてくれているのが、とてもうれしいですね。あと、先輩から「トゥーンちゃんに任せるから、よろしくね」って、仕事を任されることです。認めてもらっているのが実感できて、もっとがんばろうという気持ちになります。

どんどん外出して分からないことは聞く。それが日本語上達の近道

ベイブリッジの見える公園にて。休日には友だちを誘って買い物や観光を満喫。

――お休みの日は何をしているんですか?

買い物をしたり、食事をしたり、観光したりしています。この前の休みの日は高田馬場でいろいろな食材を買いました。

――外国の方は日本の電車は行き先が複雑で分かりにくい、という人が多いですが、トゥーンさんは大丈夫ですか?

迷いそうなときは、電車で隣に座った人に聞きます(笑)。「〇〇駅に行きたいのですが、どこで乗り換えればいいですか?」って聞くと、スマホのアプリで調べてくれて、すごく分かりやすく教えてくれます。日本の人はみんな親切ですね。駅の出口がたくさんあって分からないときは、駅員さんに聞きます。地図を見ながら説明してくれるのですごく分かりやすいです。電車でどこにでも行きますが、困ったことはないですね。

――すごい行動力ですね。

私と同じミャンマーの言葉を話す人とずっと一緒にいても、日本語はうまくなりません。どんどん日本語を使ったほうがいいと思っています。

――トゥーンさんには目標がありますか?

日本語能力試験の2級を取ることと、介護の資格(実務者研修)を取るのが目標です。いずれは介護福祉士の資格を取って、ミャンマーにいる母と祖父母を日本に呼び寄せたいと思っています。まだ日本での生活が始まったばかりなので、もっとがんばらないといけません。

――トゥーンさんのように、介護の仕事に就きたい人にアドバイスをお願いします。

私のように技能実習生で外国から働きに来ている人がたくさんいます。介護の仕事は日本語を聞いたり話したりする機会が多いので、日本語を早く覚えるのに向いていると思います。私自身、この仕事のおかげで日本語のレベルが上がりました。日本語のレベルを上げたい人におすすめの仕事です。

トゥーンさん流! 介護ヘルパーの心得三か条

1.分からないことは、そのままにしないで納得できるまで質問すること。

2.不安に思ったことは、上司や先輩にきちんと伝えること。

3.利用者の気持ちを第一に考えて行動すること。

仕事や勉強を一生懸命にこなすだけでなく、楽しむことも満喫しているトゥーンさん。いつも笑顔を絶やさない彼女のことを、施設のスタッフはもちろん利用者さんまでも応援したくなるのがよく分かりました。

撮影/松原敬子

information

ラペ二子玉川
住所:東京都世田谷区瀬田4-5-5
電話:03-6805-6678

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