社長もサロンスタッフも女性。この環境がいい意味で甘えられる! ダイヤモンドアイズ ルミネ横浜店 副店長 堤 美奈子さん #1
東京を中心に神奈川、埼玉に10店舗のサロンを展開している『ダイヤモンドアイズ』。ここではまつ毛パーマ、エクステンション、眉毛ワックスなど目もとに特化した施術を行っています。
その店舗のひとつ、ダイヤモンドアイズ ルミネ横浜店で副店長として勤務する堤さんは、家に帰れば4歳の男の子のママ。前編では、入社してからバリバリ働き、店長に抜擢されるほどのキャリアを築いたにもかかわらず、産休・育休を経て復職したときはゼロからスタートになった心の動きなどを伺いました。
お話を伺ったのは…
ダイヤモンドアイズ ルミネ横浜店
副店長 堤 美奈子さん
美容専門学校を卒業後、アイリストとしてまつ毛パーマやまつ毛のエクステンションなどの施術を行う。2000年にダイヤモンドアイズに入社し、2つの店舗で店長を経験。現在は副店長として再びキャリアを構築中。
「楽しそうに仕事をする女性が好き」という理想的な男性がパートナーに
——パートナーとは何歳のときに出会いましたか?
私が28歳、夫が30歳のとき、友人に紹介されました。すごく穏やかでおっとりしていて、いい意味で声を張らない人だな…という印象でした。
——結婚を決意した理由を教えてください。
「結婚して家庭を築く」ことは、落ち着ける環境で安心できる場所をつくること…と思っていたので、それなら彼がぴったりだと。彼ならお互いに尊重し合えると確信していました。
——パートナーの理想の女性像が、まさに堤さんだったとか?
彼いわく、一生懸命に仕事をしている女性が好きで、楽しそうに仕事をする人と結婚したい…と思っていたそうです。「なんだか変わった人だな」と思ってました(笑)。
——店長として仕事をこなしていたときに妊娠。どんなお気持ちでしたか?
子どもが大好きで赤ちゃんがほしかったので、「やったー!」という喜びの気持ちが大きかったですね。でも「ここで私のキャリアが止まってしまう」という想いもありました。子どもがほしかったので、「いつかはこの日がやってくる」と分かっていましたが、いざ現実になると悲しかったですね。
——パートナーの反応はいかがでしたか?
夫も子どもが大好きなので喜んでいましたが、「やったー!」のほかに、なんだか不安な想いもありそうでしたね(笑)。
体で覚えた技術を忘れないように育休中もツイザーを握って練習
——産前のお休みはいつから取ったんですか?
出産予定日の42日前からお休みを取りました。そのギリギリまでフルタイムで働いたんですが、夜になるとお腹が張って痛くなるんです。帰り道も、ところどころ座って休まないと歩けない日が続いて大変でした。
——それはキツい! 産休・育休中はいかがでしたか?
出産前は会社やご近所の先輩ママからいろいろ情報をもらって、赤ちゃんを迎える準備をしていました。実際に生まれたら、もう必死! 赤ちゃんを死なせないようにお世話するのが本当に大変でした(笑)。
息子は夜泣きがひどくて、ウトウトすると起こされてしまうんです。夫は会社員で日中は家にいませんから、朝から翌朝までほぼ1人で育てたようなものですね。
——お休みをしている間、仕事のことが頭をよぎりませんでしたか?
休んでいる間に業務のことを忘れてしまいそうで、すごく不安でした。私と同じように産休・育休をとって復職した先輩ママが「元の感覚が戻るまで半年かかった」と言っていたので、感覚を忘れないように、ツイザーを握るようにしていました。
でも、ツイザーを握って練習しようとすると、なぜか泣き始めるんです。子どもって敏感なんですね(笑)。
産休前と違う店舗で復職。まったく違う環境でゼロからスタート
——育休はどのくらい取ったんですか?
保育園にすぐ入れたので、丸1年のお休みをいただいて復職しました。
——復職はスムーズでしたか?
復職後は今までの業務を忘れていますし、仕事の内容も変わっていて、例えるなら竜宮城から戻った浦島太郎のようでした。しかも、以前とは違う渋谷マークシティ店への異動が決まって気心の知れたスタッフがいない、顧客もいない状態で「この世の終わり」かと思いました。
——しかも、ずっと店長だったのが、役職のないスタッフになったんですよね?
店舗が変われば、ずっと店長としてやってきた「私なりの店づくり」とは違って当然。頭では分かっていても、モヤモヤが溜まっていました。「こうした方が良いんじゃないかな」と思っても、なかなか口に出せない。言ってしまうと、「気を悪くしちゃったかな」と不安になることもありました。
——お子さんが小さいと、急に熱が出たりしますよね。
私がどんなに頑張ってもどうにもできないのが、子どものことなんですよね。急に熱を出すと早退したり、欠勤したり、迷惑をかけることが多くて。スタッフに迷惑をかけることが申し訳なくて、辛かったです。
でも、店長をはじめスタッフみんながイヤな顔をしないで、早退する私を笑顔で送り出してくれるのは、本当に助かりました。みんな私より若くて、結婚している人、子どもがいない人などそれぞれでしたが、「大変そうだな」と分かってくれているんですよね。
——復職直後はもちろん時短勤務ですよね?
私が環境に慣れるまで、週5日の出勤で16時半までの勤務にしてもらいました。ただ、保育園が自宅から近いのですが、渋谷店からはちょっと遠いのが難点で。保育園への送り迎えが便利になるように、自宅に近い店への異動を本部にお願いしました。
——それで、現在のルミネ横浜店に移ったんですね。
ワガママを聞いてもらいました(笑)。復帰後2年目にルミネ横浜店に移って保育園までの時間が短縮できた分、30分の時短勤務に変更してもらいました。
——また、新しい店に移ってゼロからのスタートになりましたね。
産休・育休を取って、店長という役職も給料もお客様からの指名もすべて失いました。失ったものを全て取り返す気持ちでいます!
ゼロからの復職にもくじけないポイント
1. 復職した先輩ママたちから情報を集めておく
2. 休職中にスキルが鈍らないために練習しておくこと
3. 復職後は完璧を目指さず、できることから少しずつ慣れていくこと
店長職を経験し、順調にキャリアを積み重ねていた堤さん。産休と育休をとれば、役職も今までの給料も手放さなくてはならない…と頭では納得していたものの、ものすごく悲しかったそうです。この悲しさがバネになって、復職後は「失ったものは全て取り返す!」という原動力になっています。
そのためには、先輩ママたちから復職後に感じる不安や焦りを聞いて、備えておくことが大事。さらに休職中にスキルが鈍らないようにトレーニングをしておきたいもの。練習することで、復職する際の自信にもつながります。また、復職すると「自分はもっとできたはず」と追い込んでしまいがち。育児との両立はコツがつかめるまで無理は禁物。焦らず、少しずつ「できること」を増やしていきましょう。
後半では、店長を目指して努力を重ねている堤さんが、母になったから分かるスタッフとの接し方や、仕事の取り組み方について伺います。
▽後編はこちら▽
子どもを持ったからこそ、仕事の全体像が見えるように成長! ダイヤモンドアイズ ルミネ横浜店 副店長 堤 美奈子さん #2>>