母親になって初めて学んだ「人に頼る」ということ ファンケル ビューティーアドバイザー 石川鮎美さん#1

仕事も育児も楽しみながら、ハツラツとこなしているワーキングママをご紹介するこの企画。今回は無添加にこだわる化粧品ブランド、ファンケルのビューティーアドバイザー 石川鮎美さんに前編と後編にわたってお話を伺いました。

前編では、責任感の強さから何でも1人で抱え込んでしまう性格だった石川さんが、パートナーとの言い合いをきっかけに「人に頼る」ことを学んだいきさつなどをご紹介します。

お話を伺ったのは…

ファンケル ビューティーアドバイザー
石川鮎美さん

2015年4月、()ファンケルに販売職正社員として入社。小田急新宿店に配属後、順調にキャリアを重ね、北千住マルイ店では店長に就任。2019年6月より産休と育休を取得し、2021年5月よりルミネ北千住店にエリア限定正社員として復職する。

結婚の決め手は、ささいなことことでも「ありがとう」と言えること

—–入社したときは「販売職正社員」ですが、今は「エリア限定正社員」。この違いは何ですか?

販売職正社員は全国に異動の可能性があります。エリア限定正社員は転居を伴わない異動があるという違いです。結婚して子どもが生まれたことを機に、上司や人事とも相談をして販売職正社員からエリア限定正社員になりました。

—–パートナーは警察官だとか。警察官の異動はないのですか?

夫も異動があるとすれば東京都内なので、離ればなれになることはありません。

—–結婚の決め手は何ですか?

一緒に過ごして居心地がいいことはもちろんですが、私が決めていた夫の条件を満たしている事も大きかったですね(笑)家事を進んで手伝ってくれること、気づかいができること、感謝ができること。この3つは譲れない条件でした。夫はほんのちょっとしたことでも「ありがとう」と言ってくれる人で、子どもができた今でも変わりません。

—–パートナーは家事を進んで手伝ってくれるのですか?

夫は結婚するまで寮生活だったので、家事全般はすべてこなせます。特にアイロンがけが上手なんですよ。逆に私はアイロンがけがすごく苦手なので、夫が自分の制服にアイロンをかけているとき、「私の分も~!」とお願いすると快く引き受けてくれます。

スタッフと家族のサポートを受けて無事に女の子を出産

友人の紹介で知り合い、2年間の交際を経て25歳のときに結婚。

—–結婚から2年目にお子さんを授かります。産休に入るまで体調はいかがでしたか?

つわりがひどくて、仕事と家事を両立するのが大変でした。何も食べられなくて、会社を10日も休んだほど。その間はベッドとトイレを往復していました(笑)本当に何もできない状態だったので、掃除も洗濯も夫がすべてやってくれてとても助かりました。

—–そんなに大変な状態で仕事はどうしましたか?

吐きたい気持ちを紛らわせながら接客したり、バックヤードに籠もって休みながら事務仕事をしたり。産休に入るまで店長だったのですが、職場のスタッフにはたくさんサポートしてもらいました。その当時、スタッフの1人に子どものいるママさんスタッフがいて「お腹に赤ちゃんがいると大変なんだから、みんなでサポートしてあげましょう」と気遣ってくれたんです。これは本当に嬉しかったですね。

—–出産した後はご自宅に戻られたのですか?

退院してから1か月ほど実家で過ごしました。3時間おきに授乳していたので、睡眠時間の確保が大変。授乳、食べる、寝る、授乳、食べる、寝るの繰り返しだったので、まとまった睡眠が取れませんでした。ずっと疲れていたせいか、子どもが生まれてから1年間の記憶がほとんどありません(笑)

—–それはキツい! 産休中はずっと…ですか?

1年ほど経って離乳食が始まりましたが、これまた大変! 野菜を煮たり蒸したり、下準備に時間がかかって、家事はほとんどできませんでした。

まだ赤ちゃんですから少しずつしか食べられませんし、大人の食事とは分けて調理しなければなりません。1日中、台所にいたような気がします(笑)

夫との言い合いをきっかけに「人に頼る」ことを学ぶ

パートナーと休日が合えば親子3人でお出かけすることが多いとか。

—–たいへんな毎日が続くと、ストレスが溜まりませんでしたか?

あるとき、私は育児で疲れ果て、夫は仕事で疲れて帰ってきたときに「どうして私だけこんな忙しい思いをしなくてはいけないの!?」とあたってしまったことがあります。私が部屋に籠もっている間、夫と子どもはリビングにいて、そのまま放っておかれました(笑)。きっとお互いに冷静になった方がいい…と判断したのでしょう。

私たち夫婦は結婚する前に、「何かあったら、お互いに伝え合おう。翌朝には持ち越さずに、その場で解決しよう」と決めていました。何時間か経ってから、まずお互いに謝って、2人で思うところを話し合った結果、夫が「できることは協力する」と言ってくれました。

このときまで、私から夫に言い出さないくせに「どうして何も手伝ってくれないの?」と、1人で怒りをため込んでいたんですね。「見れば分かるでしょう?」って。言わなければ何も伝わりませんよね。この言い合いを境に、夫は「あっ、コレ俺がやるよ」と、積極的に家事や育児を手伝ってくれるようになりました(笑)。もうひとつ夫が変わったのは、私を観察するようになったことです。私が「忙しそうだな」、「機嫌が悪そうだな」と感じると、お手伝い度がさらに上がるようになりました(笑)。

—–パートナーがすごく変わりましたね。

私自身も変わりました。何でも1人で抱え込むことが当たり前だと思っていましたが、夫に家事や育児をふることを覚えました(笑)。[/underline]夫に家事をふるようになって「思っていることは、言葉にしないと伝わらない」ことがよく分かりました[/underline]。

—–お二人で言い合いをした経験が仕事にも役立ったとか?

店長をしていたとき、部下に仕事をふらずに自分1人で抱え込んでいたんです。「言わなくても分かるでしょう?」と思いながら仕事をしていたので、ものすごくピリピリしていたようです(笑)。部下からは「何か言いたいことがあれば言ってください」と言われましたし、上司からは「もっと部下に仕事を任せればいいのに」とアドバイスされました。でも、部下にどこまで任せればいいのか分からなくて。任せすぎると「店長は仕事をしない」と誤解されそうだし。その当時はいろいろ悩んだものの、結局1人で抱え込んだまま産休に突入しました(笑)。

職場復帰してから、自分が手一杯なときは誰かにお願いすることが、自然とできるようになりました。もちろん、人にお願いするだけではありません。スタッフの中で困っている人がいれば、進んで仕事を引き受けています。結婚した当初は、夫に「ピリピリしてるね」とよく言われていましたが、最近は言われなくなりました(笑)。以前より丸くなって、自然体で過ごせているのだと思います。

石川さんが仕事と育児を両立させるポイント

1.1人ではこなせない家事や育児は夫にふる

2.思っていることは言葉にしてきちんと伝える

3.同僚に助けを求めると同時に、相手が困っていることは積極的に引き受ける

後編では、ストレスで折れない心のバランスの保ち方やご自身の時間のつくりかたなどをご紹介します。

Salon Data

ファンケル横浜関内店

住所:神奈川県横浜市中区山下町89-1ファンケルビル1F
TEL:045-651-1201

 

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