【子育て応援メソッド】ママも一生懸命練習するから、あなたは宿題をがんばりなさい。ヘア&メイクアップアーティスト NANAさん #1

美容業界で働くワーママ・ワーパパに、仕事と育児の両立についてお伺いする「子育て応援メソッド」。今回は、ヘア&メイクアップアーティストのNANAさんに、仕事と育児に相乗効果を持たせるコツをお伺いしました。

NANAさんは7才になる女の子のママ。忙しく仕事をしながらきちんと育児もしたいがために、「あれやったの?」と先回りしたり、「早くして」が口癖になってしまっていたそうです。でも「子どもは元気に伸び伸びと」が理想なので、仕事の準備をする姿をあえて子どもに見せることで、言葉だけはなく、子どものやる気を自然に促すようにされています。

お話をお伺いしたのは…

ヘア&メイクアップアーティスト
NANAさん

大学卒業後、一般企業で営業職を経験。美容の仕事への夢を捨てきれず美容業界へ。ヘアメイク事務所に6年間所属した後、フリーランスのヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在はビューティ・ファッション誌、広告、モデルやタレント等幅広く活躍。7才の女の子のママ。
HP:Hair&Make up Artist NANA

復帰第一弾の撮影でおっぱいがカチカチに

――現在のお仕事内容を教えてください。

ビューティ、ファッション誌のほか、モデルやタレントさんのヘアメイクを担当させていただいています。土日どちらかは仕事が入ることが多いので、週平均4日くらい仕事をしています。

―――お子さんはおいくつですか?

小学2年生の女の子がひとりいて、いま7才です。

――産休・育休はどれくらいとりましたか?

出産予定日の1ヶ月前まで仕事をしていて、産後1ヶ月で復帰したので2ヶ月間です。はじめての育児で、赤ちゃんがなんで泣いているのか分からない。授乳とオムツ替えで一日が過ぎていき、万年睡眠不足。だんだんイライラが募り、「1週間に一回くらい外出させてよ」という気持ちがマックスになったときに、復帰第一弾のお仕事を受けました。雑誌のお仕事で拘束時間が長かったのですが、自分としては久々の仕事ですごくうれしかったんですね。でも、おっぱいがカチカチに張ってきてしまって、痛くて痛くて…。これは無理だと思い、その後はなるべく拘束時間が短いお仕事を受けるようにしました。

――そのときはすでに保育園に預けていたのですか?

いえ、保育園は2才から入園しました。こんな言い方をしたらお仕事をいただいた方に申し訳ないのですが、まずは息抜き感覚というか(笑)。母が近くに住んでいるので、仕事の日は母に預かってもらっていました。

――現在は、出産前と同じようなペースでお仕事されているのですか?

いえ全然です。出産前は、絶対ペースを落とさずに仕事していこうと思っていましたが、ココロ的にも物理的にも無理でした。もちろんお仕事もたくさんしたいのですが、子どものことも気になりますし。娘は3月生まれなので、4月生まれの子とは丸1年の差があるんですね。保育園に入ったばかりの頃はとくに、その成長差にびっくりしてしまって。これはマズいと思って、習い事を始めたりもしました。仕事のペースも子どもの成長に合わせていきたいと思っているので、出産前と比べたら、完全に仕事のペースは落としていますね

――いま7才ということは、コロナ禍での小学校入学だったのですね?

そうなんです。娘が小学生になること自体大丈夫かなとドキドキでした。小学校は保育園よりも下校時間が早くなるので、仕事のやりくりなど不安だらけでしたね。そこへコロナ禍での休校。でも、ラッキーなことに夫がテレワークできる職業なので、とても助かりました。夫がいなかったら、学童から帰ってくる時間に必ずわたしが帰っていないといけないので、受けられる仕事もかなり限られてしまっていたと思います。変な言い方ですが、小1の壁に夫が家にいてくれたのは本当に助かりました。いまは、夫とわたしの母と3人のスケジュールを調整して、娘の育児をしています

七五三の日本髪を結いたくて女の子を生みたいと思いました

――ママになってからヘアメイクさんでよかったなと思うことは?

ヘアスタイルのオーダーに完璧に応えられることです。一番は七五三のときに娘の日本髪を結えたことです。そのために「女の子を生む」と決めていたので(笑)。それを叶えられたことはとても嬉しかったですね

出産前からの夢だったという3才の七五三の日本髪を結うNANAさん

ママに結ってもらった日本髪で着付けに向かう娘さん。
こちらは7才

「早くして」を1日100回以上言っているかも(笑)

娘は「これなに?」とメイク道具に興味津々。
「ちょっとネイル貸して」と自分でグチャグチャに塗っています

――子育てで大変なことは?

わたしが完璧を求めてしまうので、けっこう口うるさくなってしまいます。例えば、娘の朝のスケジュールはこんなふうに細かく決めているんですね。

6:30 子ども起床・朝食
7:10 子ども身支度
7:20 宿題
7:50 登校

決められた時間にそれができていないと「早く、早く。時間ないよ」って。「早くして」を1日100回以上言っているかもしれません(笑)。そのたびに「また言っちゃった、もう言わない」と心に決めるのですが、すぐまた言ってしまって…。この前、娘が保育園の友だちに「時間がもったいない。効率悪くない?」って言っているのを目撃したときは、ぎょっとしました。

たぶん娘も「宿題やりなさい」と言われて、ママが隣で携帯をいじっていたら余計やる気が出ないと思うんですよ。だから、ママも勉強しているんだよという姿を娘に見せたくて、いま美容を一から勉強し直しているところです。仕事に行く前も、ヘアスタイリングの練習をするところをあえて娘に見せるようにしています。ママも一生懸命お仕事の練習をしているから、あなたは宿題をがんばりなさいって、態度で示せればいいなと思っています

――それは良いアイディアですね。

わたしが、いつも娘に「これやった?」「あれやった?」と先回りしてしまうことも多いんですね。そのせいか、娘は「男の子ってなんであんなにふざけるの?」とか「男子は授業中しゃべってばっかり」とか学校ではお姉さんっぽいみたいです。わたしもそうだったのですが、女の子の正義感というか、お世話係みたいで。自分の小さい頃を見ているようで、それも気になってしまうんですよね。だから、そんなときは「まあまあまあ。もうちょっと肩の荷を下ろしたほうがいいよ」なんて話したりします

――今後、どんなママを目指したいですか?

「子どもは元気に伸び伸びと」が理想なので、口うるさく言わないママになりたいです。あとは、先回りせずに「待てる親」になりたいですね。全くできてなくて本当に難しいのですが…。

NANAさんが仕事と育児に相乗効果を持たせるコツは

ヘアメイクの仕事とも育児とも真摯に向き合いたい。そんなNANAさんが仕事と育児に相乗効果を持たせるコツは以下の3つです。

1. 仕事の練習をしている姿を子どもに見せる

2. 仕事のペースは子どもの成長に合わせる

3. 仕事の幅を広げるために美容を一から勉強し直す

後編では、NANAさんがヘアメイクを目指すようになった意外な理由と、ママヘアメイクさん目線の愛用ヘアケア商品などをお伺いします。

取材・文/永瀬紀子

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