【子育て応援メソッド】「死ぬまで美容」のNANAさん 現在・過去・未来 ヘア&メイクアップアーティスト NANAさん #2
ヘア&メイクアップアーティストで7才の女の子のママでもあるNANAさんにインタビュー。NANAさんがヘアメイクになるきっかけや、お子さんとの時間を確保するための現在の仕事との向き合い方、そして今後の夢を教えていただきました。
NANAさんがヘアメイクを志した理由は、自分のコンプレックスを克服したいという意外なものでした。将来は、ご自分と同じコンプレックスを持っている人に向けた化粧品を作りたいという夢をお持ちです。
お話をお伺いしたのは…
ヘア&メイクアップアーティスト
NANAさん
大学卒業後、一般企業で営業職を経験。美容の仕事への夢を捨てきれず美容業界へ。ヘアメイク事務所に6年間所属した後、フリーランスのヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在はビューティ・ファッション誌、広告、モデルやタレント等幅広く活躍。7才の女の子のママ。
HP:Hair&Make up Artist NANA
頬のあざを隠したくてメイクのことばかり考えていた
――ヘアメイクになるきっかけを教えてください。
実はわたし、20才くらいのときに突然頬にあざができて、それを隠すためにメイクのことばかり考えていたんです。大学時代は、コンプレックスをメイクでカバーする、かづきれいこさんのセミナーにも通いました。
ある日、化粧品カウンターでコンシーラーを試したら、予想よりもカバーできていなかったので「もっとカバー力の強いものありますか」とBAさんに聞いたんですね。そしたら、「これ以上だと特殊メイクになってしまう」と言われて…。「わたしのあざを隠すためには特殊メイクが必要なの?」とすごいショックだったことを覚えています。いまなら60%くらい隠せていれば、あとは他のパーツにポイントをおくことでそちらに目線をそらすこともできると分かりますが、当時はまったく知識がなくて「100%隠さなきゃ」と思っていたんですよね。
就活で化粧品会社を希望していましたが、当時は就職氷河期。まず四大卒だと美容部員になるには年齢的に不利と言われました。総合職の求人もありましたが、それも狭き門。いまでこそ小規模でもがんばっているOEMのメーカーさんがたくさんあることを知っていますが、その頃は無知だったので大手の化粧品メーカーばかり受けて玉砕しました。
でも、落ちるとますます美容の仕事がしたくなって(笑)。
2年間、一般企業で働いてためたお金で学校へ行きました。卒業後にヘアメイク事務所でアシスタントを3年、ヘアメイクNANAとして3年、トータル6年間活動し、その後フリーランスになりました。わたしの場合、自分の顔にコンプレックスがあったので、自分がキレイになるための方法を知りたいというマイナス地点からのスタートだったんです。
子どもとの時間を確保したいからSNSはブログのみ
――SNSはブログを中心にされているのですか?
そうですね。以前はフェイスブックなどいろいろやっていたのですが、いいこと書かなきゃと思うとだんだん重荷になって疲れてきてしまって…。SNSをしていると、スマホを見る時間が圧倒的に増えますよね。娘がまだ小さいうちはなるべく子どもと向き合う時間を大事にしたいので、いまはブログにしぼっています。使ってみてよかった化粧品のことや撮影の様子などを投稿しています。
――クライアントは出産前から続いている方が多いのですか?
雑誌の仕事など産前から続いているものもありますが、産後はタレントさんや広告の仕事をいただくことが多くなりました。就活でことごとく落とされた大手化粧品メーカーさんといま一緒に仕事ができていることは、うれしい巡り合わせですね(笑)。
コンプレックスを持つ人向けに化粧品が作りたい
――ママになると肌や髪質の変化があると思いますが、ご愛用アイテムを教えてください。
ママになってから思ったことは、もちろんメイクも大事なのですが、髪の毛ってすごい大事だなということです。出産直後、髪があまりにもパサつくことにびっくりしました。髪がパサついていると生活感が出てしまうんですよね。大量に抜けるし、その後生えてくる髪がピンピン立ってしまって。以前は髪をパッと結んで仕事のじゃまにならなければいいやと思っていましたが、髪で人に与える印象が大きく変わるなと実感。コロナ禍でマスク生活が続いているので、髪の毛の重要性がますます高まりますよね。
ヴェレダのヘアミルクを愛用していますが、何がよいかというとやっぱり「ツヤ」なんです。朝のスタイリングのときに手のひらになじませて髪全体に伸ばすと、ショートヘアもウェットに仕上がり、自然なツヤが出ます。ヘアアイロンの熱から髪を守ってくれるので仕事でもよく使います。その上にヴェレダのヘアワックスを毛先だけつまむようになじませると、重たくならずにオススメです。8/19発売の新商品ですが、香りもよいし、すでに使い切ってしまうくらい愛用しています。
――NANAさんの自分の時間ってどんなときですか?
1年くらい前からジョギングを始めました。コロナ禍で学校が休校になり、わたしも仕事が全部キャンセルになって娘とずっと家にいるようになると、子どもだけがどんどん成長していくのを感じたんですね。字がきれいに書けるようになったり、勉強もどんどん進んで。わたしもなにか苦手なことを克服しようと思ってジョギングを始めました。夏は5時に起きて、仕事がない日は子どもが登校する時間に一緒に出て走ることもあります。初めは200メートルくらいしか走れなかったのですが、続けていくうちに5km、8kmと距離が伸びていきました。いま10km目指して走っているのですがスランプ気味で…。でも、走った後はスッキリして、一日動きやすくなりますよ。
――ヘアメイクさんとして今後の目標を教えてください。
死ぬまで美容に関わる仕事はしていきたいと思っています。現場も楽しいからずっと出ていたいのですが、コンプレックスを持つ人向けになにかできないかなという思いがあって、化粧品のプロデュースができたらいいなと考えています。でも、医療分野に関わるような本当に悩んでいる方と、中途半端な気持ちで向き合うことはできないですよね。20代のころ、わたしがBAさんのちょっとした言葉に傷ついたように、自分では良かれと思っての言動も人を傷つける可能性もありますから。その覚悟をもてたときに動き出せればいいなと思っています。
それから、人に教える仕事にも興味があります。モデルさんやタレントさんは元々ベースが整っていますが、雑誌の変身企画で一般の方にメイクをするとすごく喜ばれるんですよね。一般の人が前向きに生きていくために背中を押してあげられるような仕事ができたらいいですね。
「死ぬまで美容」のNANAさん現在・過去・未来
一生美容の仕事をしたいと語ってくれたNANAさん。NANAさんの仕事との向き合い方を、現在・過去・未来で整理すると以下の3つになります。
1. ヘアメイクになった理由はコンプレックスを克服するため
2. いまは子どもの成長に合わせて仕事をする
3. 夢はコンプレックスを持つ人向けの化粧品プロデュース
ヘアメイクになろうと思ったときの志を忘れず、現在は子どもの成長ペースに合わせて仕事を調整中。そして、将来の夢に向かって美容を一から勉強しなおしているNANAさん。ブレない芯を持っている人は、美容の仕事を長く続ける上で強いと感じました。
取材・文/永瀬紀子