【子育て応援メソッド】シングルマザー支援プログラムを活用してビューティー アドバイザーに ヘレナ ルビンスタイン 長友紀子さん #2
美容業界で働くワーママ・ワーパパたち。子育てには目に見えない細かなケアもあり、時間に追われている人も多いと思います。そんな多忙なママ・パパに、仕事と育児をどうやって両立しているかをインタビューする「子育て応援メソッド」。
第3回は、ヘレナ ルビンスタイン ビューティー アドバイザーの長友紀子さん。日本ロレアルが開講するシングルマザー支援プログラム「未来への扉」を受講し、現在は同グループであるヘレナ ルビンスタインのビューティーアドバイザーとしてご活躍されています。前編では、ビューティーアドバイザーになるまでの経緯を、この後編では、実際にビューティー アドバイザーとしてご活躍されてからのことをお伺いします。
ヒールの立ち仕事にも3ヶ月で慣れて
―いよいよビューティー アドバイザーとしてのスタートを切ります。
「勤務地が自宅から近く、メンバーにも恵まれていろいろとサポートしていただいたので、慣れない時期を乗り切ることができました。ヒールの立ち仕事が初めてだったので、最初は足が痛かったです。でも、『3ヶ月くらいで慣れるよ』という先輩の言葉通り、本当にそれくらいで慣れてきました」
――1日のタイムスケジュールを教えてください。
「最初は、遅番・早番それぞれの出勤時間に合わせて起きていたのですが、今は息子のお弁当づくりがあるので、遅番・早番に関係なく、毎日同じ時間にパッと起きるようになりました。遅番のときは、洗濯を朝にまわすなど、家事の順番を入れ替えて時間をやりくりしています」
――プログラム受講前より収入はアップしましたか?
「はい、もちろんです。受講前、1年間パート勤務していたときは、お休みすると給与はありませんし、賞与もありませんでした。現在は、福利厚生もとても手厚いですし、自分の名義の保険証を持てたときは、本当に感動しました」
息子は高校生になり、家の手伝いも
――働き始めて、お子さんとの関係に変化はありましたか?
「息子が思春期のときにシングルになったこともあり、父親がいる状態での母親との関係と、いなくなってからとの違いに、息子はとまどいも大きかったと思います。わたしが父親の分までがんばらなきゃという気持ちから、それまでは優しいお母さんという存在だったのに、急にきついことを言うこともありましたから。息子からしたら、『どっちなんだよ?』という反発心もあったのだと思います。
でもいまでは、料理やお風呂掃除などの家事を手伝ってくれるようになりました。ごはんを炊いておいてくれたり、シチューやカレーの具材を用意しておくと、作っておいてくれたりするようになりました」
――感心ですね。男の子は、言葉では言わないかもしれませんが、行動で感謝の気持ちを伝えているのでしょうね。シングルマザーならではのご苦労はありますか?
「息子が病気のとき、家にひとりおいて仕事に出ることには覚悟がいりました。進路決定など大きな決断もわたしひとりでしなければならず、責任を全部自分で負わなければいけないことも大変でした。
それから、家事が前のようにできないことにもストレスがたまります。できないと思うと本当にイライラするので、最近では、仕事の日は、気になる場所だけササッと掃除するなど割り切るようにしたら、ちょっと気持ちが楽になりました。ほこりじゃ死なない、と思うようにしています。
前に、経済評論家の方が『女性は子育て期間は仕事や家事にかけられるエネルギー量が違うから、全部合計して100になるように分けてやるといい』とおっしゃっていたのを心の支えにしています。仕事も、ひとりならもっとできるのにとか、もっと若ければとかいろんな思いはありますが、現在の100の中でできることをやって、長く続けていけば、仕事ももっとスキルアップできるようになると信じています」
――「未来への扉」を受講する前と後で、ご自身にどんな変化がありましたか?
「前向きになれて、自分で働いて生活できるようになったことは本当に大きな変化だと感じています。受講していなかったら、視野ももっと狭いままだったと思います。情報を取りにいく姿勢ができたおかげで、目を向ければいろいろとサポートしてくれる人たちや団体があることも知りました」
見た目年齢に見合うベテランのビューティー アドバイザーに
――今後の目標をお聞かせください。
「早く一人前のビューティーアドバイザーになることです。見た目年齢はベテランなので(笑)、早くそこに中身を追いつけたいなと思います。お客様も、たぶんすごくベテランだと思っていらっしゃるのに、わたしの動きがぎこちなかったり、説明がしどろもどろになったりすることがあるので、早くマネージャーに『よし!』と言われたいです。
マダム ヘレナ ルビンスタイン(ヘレナ ルビンスタインの創立者)の言葉に、『世の中に美しくない人はいない。いるとすれば怠けている女だけ』という言葉があります。これまでは自分磨きを怠ってきたけれど、がんばったら美しくなれるのかもという気持ちで、いま自分を使って肌を良い状態にする挑戦をしているところです。43才と遅めのスタートでしたが、2年前よりいまのほうが確実に肌の状態はいい。お客様にも、ちゃんとケアしたら結果がついてくると言えることが自分の強みだと思っています」
――母としての目標は?
「息子たちの年代は18才成人なので、あと2年間で、例えば一人暮らしでも生きていけるような力をつけてほしいと思っています。服を脱ぎっぱなしにしたり、ゴミをゴミ箱に入れなかったりしたときは、『これダメだよ』と注意しています。思春期を過ぎたら、一緒に旅行にも行きたいですね。そして、親としての最終目標は、息子が一人前になってくれることです」
シングルで仕事と子育てを両立するための心得
「前に進めず打ちひしがれているシングルマザーの方が多いかもしれませんが、年齢も経験も関係なく、ゼロからチャレンジできることを『未来への扉』が教えてくれました」と長友さん。プログラムの受講を経て、ビューティーアドバイザーとして働く過程で、以下の3つの気づきがありました。
1.仕事も子育ても、視野を広げて情報を取りにいく
2.全部足して100になればいい
3.何才からでもチャレンジできる
「未来への扉」の受講をきっかけに前を向くことができ、ビューティー アドバイザーとしてご活躍の長友さん。長友さんの前向きさが伝わり、息子さんも高校生活を楽しんでいるそうです。一歩踏み出す勇気が持てずに悩んでいる方々に、この記事がエールとして届くことを願います。
▽前編はこちら▽
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撮影/古谷利幸(F-REXon)
取材・文/永瀬紀子
Company Data
ヘレナ ルビンスタイン公式サイト
URL:https://www.helenarubinstein.jp/
日本ロレアル「未来への扉」
URL:http://news.nihon-loreal.jp/csr/miraihenotobira/