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介護・看護・リハビリ 2025-06-05

すべての人に、不調で諦めることのない明るい未来を提供したい。整体サロンを開業【介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画  理学療法士/整体師 太田雄大さん】#2

業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載「介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画」。

今回は理学療法士の太田雄大さんにお話しを伺います。理学療法士歴17年目、累計2万件以上の施術実績を持つ太田さんは現在、整形外科クリニックでの勤務に加えて、東京都三鷹市で自律神経症状に特化した自費治療の整体サロン「Wellness Salon Hinata」を開いています。

前編では太田さんが理学療法士を目指したきっかけや、印象的だった患者さんとのエピソードなどを伺いました。

後編では理学療法士として働いていた太田さんが、整体サロンを開業することになったきっかけや、整体サロンの特徴について伺います。根本にあったのは「すべての人に、不調で諦めることのない明るい未来を提供したい」という思い。理学療法士としての仕事の線引きを超え、お客様の不調に真正面から向き合うことを決めたそうです。

お話しを伺ったのは…
理学療法士/整体師
太田雄大さん

高校生時代に部活でケガをしたことをきっかけに、理学療法士の道へ。病院、リハビリ病院、整形外科クリニック、訪問看護ステーションで17年に渡り経験を積み、施術実績は累計2万件以上。

現在は整形外科クリニックで勤務するほか、東京都三鷹市で自律神経症状に特化した自費治療の整体サロン「Wellness Salon Hinata」を開業。不眠や頭痛など慢性的な不調に対して多角的なアプローチを行い、顧客からの支持を集めている。

Instagram:@wellness_salon_hinata

患者様の健康を追求できる場所として。整体サロンを開業

太田さんが開業した整体サロン「Wellness Salon Hinata」。サロン名の「Hinata」には大人だけでなく、子どもの未来までも明るく照らしたいという思いが込められている

――理学療法士としてのジレンマを解消するために、整体サロンも開業されたとのことですが、具体的にはどんなジレンマだったのでしょうか。

患者様の健康のために本当に必要なアドバイスができないというジレンマです。理学療法士は基本的にドクターからの指示を受けて、骨や筋肉など体の外側に近い部分へのアプローチをすること、そして運動の指導をすることが主な仕事になります。ただ、さまざまな知識を身につけるにつれて、体の健康を維持するには食事の内容や食事を吸収する腸の動きなど、体の内側のケアも欠かせないのだと気づいたんです

そういった領域へのアドバイスや指導もできれば、不調を未然に防ぐことも可能になるはずだと。しかしクリニックでは理学療法士が食事の指導をすることは越権行為にあたりますので、本当はお伝えしたいことが伝えられない状態でした。

――なるほど。それならば自分で開業しようと思われたのですね。

はい。また、さまざまな学びを深めるうちに自律神経へのアプローチが、体の不調を改善することができるということも知って。自律神経専門の整体サロンという形で開業をし、不眠や頭痛など慢性的な不調を抱えている方に自費治療の施術を提供することにしました。

いろいろなきっかけや要因が重なりあったのですが、根底には、すべての人が不調によって人生を諦めることなく、明るい未来を送ってもらいたいという思いです。僕の高校生時代に、アメフト部でケガをしたというお話しを前編でしましたが、そのケガによって引退前の最後の試合をベストコンディションで望めなかった過去がありまして。僕自身が本当に悔しい思いをしたので、そういう思いをする人をひとりでも少なくしたいと思ったんです。

――そういうことだったのですね。整体サロンを開業するにあたって、迷いはありませんでしたか。

ありました。僕には妻と4人の子どもがいるので、収入面が不安定になってしまうのではないかという不安はとくに大きかったですね。理学療法士として雇われていた方が、収入面での安定が望めることはもちろん分かっていました。

ただ一方で、自分の夢を叶えるためには必要な決断かもしれないとも思ったんです。患者様、お客様の健康を考えると、もっとできることがあると感じながらも行動しないのは嫌でしたし、前編でもお話ししたようにいつか子どもの健康に携わるボランティアをしたいと考えていたので、自分で開業をしたほうが家族との時間も、将来的にやってみたい活動も両方を大切にできるのではないかと。

理解をして、背中を押してくれた家族には感謝しかないです。

学び続け、心のケアを欠かさないこと。よりよいサービスを提供し続ける

整体サロンに初めて来るお客様には施術時間以外に30分時間を取り、話しをしっかり聞くという太田さん

――太田さんが仕事をするうえで心がけてきたことを教えてください。

理学療法士だけの仕事をやってきたときからずっと変わりませんが、患者様、お客様によりよいサービスを提供したい気持ちは常にあります。医療というのは日進月歩で進化していくものなので、現状に満足せずに学び続けることは大切にしています

――ほかにも大切にしていることはありますか。

患者様の体の不調を改善していくには、心のケアも欠かせない要素だと考えているため、お客様の話しをきちんと聞くようにしているんです。とくに初回の施術では通常の施術時間以外に30分間カウンセリングの時間をとるようにしており、そういったことが精神面だけでなく、身体症状にも影響を与えると思っています。

お客様もきちんと話しを聞いてもらえると思うと、安心して体を任せられる気持ちになり、神経のリラックスモードにスイッチが入ります。そうすると痛みを落ち着かせることもできますし、整体師として信頼してもらえればセルフケアを継続して行ってくれる方も多く、体の変化も出やすくなるんです。

慢性的な不調を抱える人に、ひとりでも多く出会いたい

太田さんはこれからもお客様を第一に、施術を行っていきたいと考えているそう

――最後に今後の目標を教えてください。

整体サロンの方はまだ開業したばかりですので、もっとたくさんの方にこのサロンの存在を知ってもらい、不調で悩まない人生を送る一助となることが今の目標です。慢性的な不眠や頭痛に悩まれているにもかかわらず、どこを頼っていいかも分からないという人も多いと思いますので、ひとりでもそういった方に出会っていきたいと思っています。

理学療法士から数えると17年ほどこの仕事に携わってきましたが、仕事にストレスを感じたりしたことはほとんどありません。患者様、お客様の不調の原因を解明し、喜んでいただけることがとてもうれしく、この仕事は自分の天職だと感じます。これからも学び続け、患者様やお客様を第一に考えながら、施術を行っていきたいと思います。


理学療法士としての安定を天秤にかけることになっても、お客様の健康を第一に考える選択をした太田さん。その思いにはぶれがなく、真摯な姿勢にお客様の信頼も厚いのだと感じました。これからも太田さんは多くの人の人生に変化を起こしていくのではないでしょうか。

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