グループホームで必要とされている「介護福祉士」について
グループホームは認知症の高齢者の方たちが家庭に似た環境で共同生活を送るための施設です。多くの施設では10人前後の認知症の方々を受け入れており、近隣の方との共生を目指す地域密着型が基本です。高齢化社会が進むにつれ、その必要性や注目度も増しており、そのグループホームの入居者たちを支えている職業の一つが「介護福祉士」です。今回はその介護福祉士についてご説明します。
介護福祉士とはどんな資格なのか?
介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」という法律によって定められている国家資格です。専門知識と技術を使って病気や障害を抱える方たちの介護を行ったり、介護を行っている方への指導を行うことを目的としています。以前は介護の実務を担うスタッフとしての役割が大きかったのですが、近年では身の回りのお世話以外にも、介護を受ける方ができるだけ自立できるように、ご本人やそのご家族ともコミュニケーションを取っていくことが求められています。
グループホームでは、入居者の方のお世話だけでなく、彼らの日常生活に生きる喜びを与えられるようにリーダーシップをとること、また介護をめぐる技術や情報も日々新しくなっていますので、新しい知識や技術を学び、現場で活かす努力も必要です。またグループホームには看護師の資格を持っているスタッフさんも多く、他の資格を持ったスタッフの方と上手に協業していくことも重要です。
グループホームにおける介護福祉士の仕事内容は?
介護福祉士に求められる仕事内容はその施設により異なりますが、大まかに、起床や就寝時の補助、食事や服薬時の補助、グループホームへの参加支援、入居者やその家族への助言やアドバイスと分けることができます。
1 起床や就寝時の補助
入居者の方の起床時や就寝時などにおける着替え、排泄の手伝いがあります。グループホームでは、認知症が発症していても軽度の方も多く、その場合にはできるだけ入居者自身で身の回りのことを行うよう導きます。
2 食事や服薬時の補助
1日における食事や服薬の補助を行います。グループホームでは食事は入居者の方と一緒に作ることがありますので、食事の準備、それぞれの配膳、そして必要に応じて食事時の補助を行います。
3 グループホームへの参加支援
入居者の方が日常生活を楽しみ、また認知症の進行を遅らせるなどの目的でレクリエーションを行うことがあります。そういったレクリエーションなどの段取り、入居者の方皆さんが楽しめるような配慮を行います。
4 入居者やその家族への助言やアドバイス
入居者の方とそのご家族が介護を受ける、または介護を行うにあたって不安な点などを解消する目的があります。グループホームでの生活に安心していただけるような気配りが求められます。
介護福祉士の資格取得と待遇について
介護福祉士の資格を取るためには、福祉を専門にしている高校を卒業、国家試験に合格する、実務経験3年以上で国家試験に合格する、福祉系の大学などにて養成施設を卒業するのいずれかの方法があります。
それでは、グループホームにおける介護福祉士の気になる待遇はどうなっているのでしょうか。
一般的に介護福祉士は国家資格ということもあって正規雇用が多くなっています。またその場合には年収250万~400万円程度、月給にして15万~20万円ほどが多く、国家資格のため「資格手当」が加算されることもあります。また夜勤を選択する場合には「深夜手当」も加算されますので、給与は勤務状況によって幅があります。
ちなみに正規職員の場合は、月に4回ほどの夜勤がシフトに組み込まれることが多いようです。福祉系の高校や大学を卒業していない方の場合には、実務経験がそれなりにあることが前提となっていますが、介護福祉士は現場での実務担当がメインです。また将来的に管理者へのステップアップを目指す方は、「ケアマネジャー」といった介護プランの作成などを行う管理職種へ移行することも可能です。さらに十分経験を積んだ後で、独立することもできます。
現在、グループホームなどの福祉施設では職員の確保は急務になっています。介護福祉士の資格がなくともグループホームで介護を担当することは可能ですが、資格がある場合は、資格手当などの福利厚生の面で有利になることがあります。グループホームは国家資格である介護福祉士の資格を十分に生かせる職場です。興味がある方はぜひ資格取得にチャレンジしてみてください。