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介護福祉士
介護・看護・リハビリ 2019-07-29

介護福祉士の資格は国家資格? 社会福祉士・精神保健福祉士とはどこが違うの?

これから介護職を目指す方や、すでに介護の現場で働いている方のなかには、「介護福祉士の資格を取りたい」と考えている方も多いと思います。しかし、どのように資格を取ればいいのかわからない、他の福祉系資格との違いがわからないと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、介護福祉士資格を取得するにはどのようなルートがあるのかを説明しながら、介護福祉士を含めた3つの福祉系資格(介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士)の業務内容の違いについて解説します。

介護福祉士の資格は国家資格?

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介護福祉士は、福祉系分野のなかで社会福祉士・精神保健福祉士と並ぶ国家資格です。おもに高齢者の身体介護、生活援助などの仕事に携わるための資格で、この資格を取得するには国家試験に合格しなければなりません。

国家試験を受験して合格すれば取得できる!

介護福祉士になるためには、まずは国家試験の受験資格を得る必要があります。国の指定する養成施設や福祉系高校を卒業するか、数年の実務経験を積むことで受験資格が得られ、その後国家試験に合格し、登録名簿に登録することで介護福祉士として認められるのです。

国家試験の受験資格ルートは4つ!

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介護福祉士の受験資格を取得するためのルートは「実務経験+実務者研修ルート」「新カリキュラムルート」「旧カリキュラムルート」「養成機関ルート」の4つがあります。それぞれどのようなルートなのかを詳しく見ていきましょう。

①実務経験3年以上+実務者研修ルート

介護等の実務経験と実務者研修を修了することで受験資格が取得できるルートです。これまでは実務経験を3年以上積めば受験資格を得られましたが、2007年度に行なわれた法改正により、2016年度からは実務経験に加え、養成施設等における「実務者研修」の修了が必須になりました。よって法改正後は、「実務経験3年以上」だけでは受験資格は得られません。

②福祉系高校ルート|新旧カリキュラム・特例高校

福祉系高校を修了することで受験資格が取得できるルートです。このルートは、2009年度以降入学者の「新カリキュラムルート」、2008年度以前入学者の「旧カリキュラムルート」、および「特例高校ルート」の3つのルートがあります。

新カリキュラム(2009年度以降入学者)

2009年度以降に福祉系高校に入学した人は、新カリキュラムルートになります。新カリキュラムルートで修了した人は、卒業と同時に受験資格を得られます。

特例高校など(2009年度以降入学者)

2009年度以降に特例高校(介護福祉士養成の基準を満たす高校および中高一貫校)に入学した人は、卒業後に実務経験(9ヵ月以上)を積むことで国家試験の受験資格を取得できます。なお、受験申込時には介護技術講習を受けるかどうかを決めることができ、受講した場合は実技試験が免除されます。受講しなかった場合は実技試験に合格しなければなりません。

旧カリキュラム(2008年度以前入学者)

2008年度以前に福祉系高校に入学した人は、旧カリキュラムコースになります。旧カリキュラムを履修して卒業した人は、そのまま国家試験の受験資格を得られます。ただし、新カリキュラムと違い、受験申込時に介護技術講習を受けるかどうかを選択する必要があります。受講した場合は実技試験が免除され、受講しなければ実技試験は必須です。

実務経験が必要になることもある!

3つの福祉系高校ルートのうち、特例高校ルートでは9ヵ月の実務経験が必要です。また、新カリキュラルートでは自動的に実技試験が免除されますが、特例高校ルートと旧カリキュラムルートでは、国家試験の申込時に介護技術講習を受けることで実技試験が免除となります。

③養成機関ルート|専門学科で学ぶ

介護福祉士養成施設で1~2年以上知識・技術を習得し、受験資格取得を目指すルートです。この場合、高等学校卒業後に介護福祉士養成施設で学ぶルートと、福祉系大学や社会福祉士養成施設などを卒業後に介護福祉士養成施設で学ぶルートがあります。いずれの場合も、実技試験は免除されます。

2016年度までは介護福祉士養成施設を卒業すれば介護福祉士の資格を取得できましたが、法改正により2022年度以降に施設を卒業した人は国家試験の受験が必要になります。

高校卒業から養成機関修了まで

普通科の高校を卒業した人は、養成機関を修了するためには2年以上通う必要があります。福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設などを卒業した人は、養成機関を修了するために1年以上通うことが必須です。

平成28年度までに卒業した場合

上述したように、2022年度以降に養成機関を卒業した人は、資格取得のために国家試験の受験が義務付けられます。2016年度までに養成機関を卒業した人は、受験することなくそのまま資格取得・登録が可能です。

2017年~2021年度卒業の場合

2017年4月1日から2022年3月31日までに養成機関を卒業する人は、例外措置として「卒業後5年間」は介護福祉士の資格を保持することができます。5年後も継続して資格を保持するためには、5年間(猶予期間)のあいだに国家試験に合格するか、もしくは卒業後5年続けて介護業務に従事することが必要です。

2022年度以降に卒業する場合

2022年度以降に養成機関を卒業した人は、国家試験の受験が必須となります。

④経済連携協定(EPA)ルート|外国人介護職員

政府は、EPAによって外国人介護職員の受け入れや支援事業を推進しています。外国人であっても、指定の受入機関で3年以上の実務経験を積めば、介護福祉士の受験資格を取得することができます。このルートでは受験申込時に介護技術講習または実務者研修を受講するかどうかを選択でき、受講すれば実技試験は免除されます。

通信講座でも資格は取得できるの?

介護福祉士資格を取得するには実技の習得も必要なので、通信教育のみでの資格取得は認められていません。ただし、資格取得に必要な「実務者研修」の受講科目の多くは通信講座でも受講できます。

実務者研修の科目のうち、「介護課程Ⅲ」と「医療的ケア(演習)」は通信講座では受講できないので通学が必須です。この2科目以外は通信で受講可能ということになります。

同じ国家資格だけど…社会福祉士や精神保健福祉士とはどこが違うの?

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福祉業界には3つの国家資格があります。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士の3つで「三福祉士」とも呼ばれるようです。ここでは、三福祉士それぞれの違いについて解説していきます。

社会福祉士はどんな仕事をするの?

社会福祉士は年齢、性別、また障害問わず、なんらかの問題で日常生活を送ることが困難になっている人に対して、支援やサポート、指導、助言を行なうことが仕事です。

介護福祉士とはココが違う

介護福祉士の仕事は、おもに身体的介護が必要とされる高齢者を対象としています。社会福祉士は高齢者、知的障害者、身体障害者、精神障害者、生活保護が必要な人(低所得者)など対象者が幅広く、この点が介護福祉士との大きな違いです。

サポート対象者の範囲が広い分、社会福祉士は福祉系の知識だけでなく、法律、心理学など幅広い知識が必要です。また、介護福祉士の勤務先は特別老後老人ホームなどの介護施設が中心ですが、社会福祉士は障害者施設、医療機関、福祉事務所、社会福祉協議会など、勤務先の幅も広くなります。

精神保健福祉士はどんな仕事をするの?

精神保健福祉士は、精神的な障害を持つ人々に対し、社会復帰や日常生活が正常に送れるよう指導やサポートを行なうのが仕事です。精神障害を患う本人だけでなく、その家族に対する相談、アドバイスも行ないます。

介護福祉士とはココが違う

介護福祉士はおもに高齢者を対象とした仕事であることに対し、精神保健福祉士は精神障害者に特化して仕事を行ないます。そのため、精神保健福祉士は精神障害における専門知識や、精神障害を患う人とコミュニケーションするための心理学の知識が必須です。

精神保健福祉士の勤務先は、精神病院、総合病院の精神科(心療内科)、福祉施設などになります。

介護福祉士は高齢化の進む社会を支える重要な仕事のひとつ

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介護福祉士資格の取得の仕方や、他の福祉系資格との違いについてご紹介しました。「三福祉士」と呼ばれる国家資格のなかでも、介護福祉士の必要性と役割は近年特に多くなっています。高齢化が進む日本において、介護福祉士の人手不足が顕著になってきており、ますます需要が高まっているからといえるでしょう。

団塊世代が75歳以上になる2025年は、介護人材が30万人近く不足すると予測されており、他の「福祉士」よりもさらに一段と多く求められる資格となるかもしれません。

出典元
・公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html
・社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会
「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」
https://www.mhlw.go.jp/
・厚生労働省「精神保健福祉士について」
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/nation/psw.html
・文部科学省「高等学校における福祉教育」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shinkou/1290800.htm

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