【介護レクリエーションvol.13】的を使って遊ぶ「レクリエーション」
現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」の企画。
今回は「的」を使って遊ぶレクリエーションをピックアップ。的に向かってコップやお手玉を投げることで手首や腕の運動になるだけでなく、参加者に点数を計算してもらうことで計算力も養われます。
紙コップで的当て
【対象者】紙コップを握る力や摘まむ力がある方
【レクの目的】手首・腕の運動、計算力、空間認識力の向上
【人数】1チーム2〜5人×2チーム
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】模造紙で作った的、ビニールテープ、紙コップ10〜20個、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】1セット5分程度
【レクリエーションの内容】的に向かって紙コップを投げ、点数を競うゲームです。方向が定まりにくい紙コップをうまく投げるためには、手首のスナップがカギとなります。
レクを始める前の準備
・スタッフは模造紙で上図のような的を事前に作っておきましょう。
・床に的を敷きます。そこから1m程離れた場所に紙コップを投げる位置を定め、参加者が座る椅子を配置します。
・参加者を2チームに分け、じゃんけんなどで先攻と後攻を決めておきます。さらに、チーム内の投げる順番もそれぞれ決めておきましょう。
遊び方
1.先攻チームの1番目の人は椅子に座り、的に向かって紙コップを3回投げます。スタッフは3回分の点数をホワイトボードに記録します。
2.先攻チームの2番目以降の人も1を繰り返し行います。
3.チーム全員が投げ終わったら、得点を足して総得点を記録します。スタッフは参加者が投げた紙コップを回収します。
4.後攻チームも先攻チーム同様に1〜3を行います。後攻チームの全員が投げ終えたら得点を計算し、総得点を記録します。結果的に得点の高いチームの勝ちとなります。
進め方のコツ
・参加者が投げた紙コップが的まで届かなかったときは、数には入れず、もう一回投げてもらうように促しましょう。
・数回投げても届かない場合は、的を近付ける配慮をし、成功体験を促しましょう。
注意点
・ゲームに夢中になると、参加者が椅子から立ち上がって前に出てしまう可能性も。スタッフは事前に椅子から立ち上がらないように伝え、ゲーム中も注意して見守るようにしましょう。
ポンポンお手玉ダーツ
【対象者】お手玉を握る力や摘まむ力がある方
【レクの目的】手首・腕の運動、計算力、空間認識力の向上
【人数】1チーム2〜4×2チーム
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】模造紙で作った的、お手玉10個ぐらい、記録用のホワイトボードなど
【制限時間】1セット10分程度
【レクリエーションの内容】お手玉を矢に見立てたダーツです。手首や腕の運動のほか、参加者自身に点数を計算してもらうことで計算力の向上も期待できます。
レクを始める前の準備
・スタッフは模造紙で上図のような的を事前に作っておきましょう。
・壁に的を貼ります。そこから1m程離れた場所にお手玉を投げる位置を定め、参加者が座る椅子を配置します。
・参加者を2チームに分け、じゃんけんなどで先攻と後攻を決めておきます。さらに、チーム内の投げる順番もそれぞれ決めておきましょう。
遊び方
1.先攻チームの1番目の人は位置につき、的に向かってお手玉を3回投げます。スタッフは全ての点数をホワイトボードに記録しておきましょう。お手玉を回収し、2番目に投げる参加者に渡します。
2.先攻チームの2番目以降の人も1を繰り返し行います。
3.チーム全員が投げ終わったら、得点を足して総得点を記録します。
4.後攻チームも先攻チーム同様に1〜3を行います。後攻チームも全員が投げ終えたら得点を計算し、総得点を記録します。結果的に点数の高いチームの勝ちとなります。
進め方のコツ
・参加者の投げたお手玉が高い点数のところに当たった場合、スタッフは「◯点が出ました!」と声かけを行い、場を盛り上げましょう。
・女性や力の弱い参加者が投げる場合は、少しだけ的に椅子を近づけるなどして投げる位置を考慮してあげましょう。
注意点
・ゲームに夢中になると、参加者が椅子から立ち上がって前に出てしまう可能性も。スタッフは事前に椅子から立ち上がらないように伝え、ゲーム中も注意して見守るようにしましょう。
「的」を使ってさまざまな遊び方ができるんですね! 参加者のペースに合わせながら是非現場に取り入れてみて下さい。
イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)
教えてくれたのは…
大野 孝徳さん
合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。