【介護◯×クイズvol.2】病気の知識を中心に出題！ 介護福祉士の基本問題5
介護利用者の自立支援を目標においた介護の実践や、医師や看護師との連携がホームヘルパーや施設の介護職員に求められる現在、介護の専門知識・技術をもつ「介護福祉士」がますます重要視されるように。
介護福祉士は、おもにホームヘルパー（訪問介護員）や、特別養護老人ホーム、身体障害者施設等の社会福祉施設の介護職員として業務を行う。また、在宅介護の場合は、介護方法や生活動作に関する説明、介護に関するさまざまな相談にも対応する、介護業界に欠かせない重要なお仕事です。今回はそんな介護福祉士の知識を問う◯×クイズを実施。すでに介護福祉士として現場で活躍されている方の知識の復習としてはもちろん、これから介護福祉士を目指す方にも役立つクイズを出題します。
介護福祉士向け◯×クイズ5問
最初は、必ず知っておきたい「嚥下障害」の基礎知識！
【第１問】「嚥下障害（えんげしょうがい）」を起こすと、歩くときに胸が痛くなる。
正解は・・・
【解答】×
【解説】嚥下障害とは、ものを「飲み込む」動作に障害が起きること。症状はひとりひとりによってさまざまだが、食べるとむせる、形があるものを噛んで飲み込めない、食事に時間がかかる、食べると疲れる、食後に痰が出る、食事を摂ると声が変わる、食べ物が口からこぼれる、飲み込んでも食べ物が口の中に残る、食べ物がつかえるといったケースが見られることが一般的。歩行時に胸の痛み（胸痛）を訴える状態は嚥下障害ではなく、呼吸器系、循環器系の障害が疑われることが多い。
次は「パーキンソン病」についての問題！
【第２問】パーキンソン病の症状として、小刻み歩行が見られる。
正解は・・・
【解答】◯
【解説】パーキンソン病とは、運動をスムーズに行うのに重要な役割を担う脳の一部の機能が低下することで発症する病気。その症状は振戦、筋固縮（筋強剛）、動作緩慢（寡動）の3大症状のほか、仮面様顔貌、小刻み歩行、加速歩行、すくみ足、突進現象、よだれ、立ちくらみ、便秘、姿勢反射障害、脂ぎった顔などがある。
パーキンソン病の歩行障害では、動きはぎこちなく、硬くなりやすい。そのため、足が前に出にくいすくみ足や、足が上がりにくい（足を引きずるように歩く）すり足、小刻み歩行になるのが特徴である。
「認知症」の症状についても知っておこう！
【第３問】認知症で尿を漏らすことを、腹圧性尿失禁という。
正解は・・・
【解答】×
【解説】認知症で尿を漏らすことは、機能性尿失禁という。機能性尿失禁とは、認知症、視覚機能の低下や歩行困難など、肺機能以外の原因によって起こる尿失禁のこと。腹圧性尿失禁は尿道を締める力が弱いことが原因で起こる尿失禁のことで、咳やくしゃみなどで腹圧が上昇することによって生じる。
「甲状腺機能低下症」の症状、知っていますか？
【第４問】甲状腺機能低下症の症状として、むくみが見られる。
正解は・・・
【解答】◯
【解説】甲状腺機能低下症とは、体全体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが、何らかの原因によって不足している状態のこと。その症状は、無気力、疲労感、むくみ、悪寒、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などがある。なかでも、液体水腫（押しても跡のつかないむくみ）による症状として、液体水腫様顔望、巨大舌、声帯浮腫による嗄声、仮性筋肥大などが認められている。
最後は、知っていたらすごい！ 脳に関する問題
【第５問】脳を包む薄い膜で一番外側の「硬膜」の下に血腫ができる疾患を、慢性硬膜下血腫という。
正解は・・・
【解答】◯
【解説】慢性硬膜下血腫とは、軽微な頭部外傷などのあと、通常1～2ヶ月の期間で、脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血が貯まってくる病気。血腫が脳を圧迫すると、頭痛、物忘れ、認知症症状などの精神症状、失禁、半身に力が入らない、歩行障害などの症状が現れることが多い。基本的には正しい診断と、タイミングを逃すことなく血腫除去手術を行えば完治する予後のよい疾患。
文：小沼奈央（レ・キャトル）
参考：
介護福祉士国家試験受験対策研究会『介護福祉士国家対策 速習 一問一答2020』中央法規2020年
介護福祉士国家試験受験対策研究会『10点アップ！介護福祉士国家試験よく出る問題 総まとめ2020』中央法規2020年
