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介護・看護・リハビリ 2020-07-15

足りないスキルをどうやってカバーする? 介護福祉士の日常あるある#6【Q&A編】

テキパキと仕事をこなせない自分にコンプレックスを抱いていたと話すベテラン元介護福祉士の國廣幸亜さん。前向きな気持ちに持っていくために、介助スキルを磨くことと、自分が得意なことを周りの職員の方に伝えていく取り組みを行ったとのことです。今回は、そんな國廣さんが取り組んできたことを伺いました。抱えているコンプレックスの対処方法のヒントにしてみてはいかがでしょうか。

Q.どんな業務が苦手だった?

A.私はテキパキと仕事をこなすことが苦手で、特に短時間のうちに複数の利用者の方を移乗介助する必要がある施設で働いたときは、その苦手な面が際立ちましたね。限られた時間の中で多くの利用者さんを介助しないといけないという焦りから、普段ならミスをしない移乗介助が上手くできなくなることがあり、利用者さんやそのご家族を不安にさせることも。これだといけないと思い、素早くミスなく移乗介助が行えるようにしていきました。

Q.実際にどんな取り組みをした?

A.先輩や理学療法士さんに素早く介助をするコツを聞いたり、トランスの講習会に行ったりして勉強しました。そして、学んだ技術を現場でたくさん実践して習得することで、以前よりも素早く移乗介助が出来るようになったんです。ただ、それでもテキパキと仕事をこなすことへの苦手意識があったので、私の好き、得意なことが活きる業務を探し、率先して受けおうことも行っていきました。

Q.國廣さんの好き、得意な業務は?

A.デジタル機器を操作することが好きだったので、パソコンを使った資料作りやデータ入力の作業を率先して受けおいました。それから、レクリエーションに使う塗り絵やカレンダーの下書きなどを描くという業務も引き受けていました。結果、ほかの職員さんが私はパソコンの操作や絵を描くことが得意だと評価してくださり、以前よりもその業務をお願いしていただくようになりましたね。加えて、ほかの職員さんとパソコン操作について話し合う機会が増え、よりお互いを知るきっかけにもなりました。

それから、利用者さんの言動にとても興味がありよく覚えていたので、それを申し送りノートにイラストを加えるなどをして記録していったところ、「あの情報のおかげで利用者の方に喜んでいただけたよ」と他の職員さんの業務をアシスト出来たこともありました。ほかには、経験が浅かった分、わからないことを素直に聞けたことです。恥ずかしくて聞けないと思わず、どんどん質問していくことで、自分では思いもつかない介助方法を教えていただき勉強になることもありました。

Q.國廣さんの好き、得意なスキルを特に活かせる施設は?

A.どの施設でも活かせる機会はありましたが、特に利用者さんと一対一で向き合う時間が長い訪問介護やデイサービスが合っているのかなと今を振り返れば思いますね。デイサービスでは送迎時にご家族とお話をすることが出来たり、利用者さんの背景や情報を得る機会が多かったり、それを基に接し方を考えるのが自分には合っているのではと感じました。

Q.コンプレックスを抱いている介護福祉士の方に向けて前向きになれるメッセージをください

A.頭だけで考えずに出来ないことを具体的に書き出し、それに対する改善策、相談できる人を確保することです。自分に自信がないと本来のパフォーマンスが発揮できず、辛くなる気持ちは凄くわかります。私も委縮して今まで出来ていたことが出来なくなり、苦労した経験が何度かありました。

具体的には、介護現場で働く前から凄く不安なときがあり、電話で合格の採用通知をいただいた際に、辞退させてくださいと言ってしまったことがありました。ですが、採用担当の方が「あなたなら大丈夫と思って採用しました」という言葉を受け取ったことをきっかけに、前向きな気持ちに持っていくことができました。

経験したからこそわかりますが、漠然としたコンプレックスは不安をどんどん増幅させ、出来ることがさらに減ってしまうこともあるんです。なので、コンプレックスがあったら、自分が出来ないことと出来ることを紙に書き出す。そして今の自分が出来ることをコツコツと続けて、自信に変えていくことが重要。自信がついたときに、出来ないことを出来ることにするために、磨いていただければと思います。

國廣さん流・苦手なスキルへの向き合い方3箇条

1.苦手なスキルを補うテクニックを人から学び、多くの経験を積んで習得する

2.自分が得意な業務を率先して引き受ける

3.得意なことを磨いて苦手意識を払い、苦手なスキルを得意に変える努力をする

取材・原文/井上桂佑(レ・キャトル)
イラスト/國廣幸亜

教えてくれたのはこの人!

國廣幸亜さん

訪問介護や介護老人保健施設、デイサービスなど多くの介護現場を渡り歩いたベテランの介護福祉士として活躍し、現在は自身の豊富な介護経験を題材にした漫画などを手がける人気の漫画家として活躍中。
所有資格:介護福祉士。

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