若い女性に多い「片頭痛」とサヨナラ。上手に予防する方法とは?
こめかみがズキンズキンと痛み、仕事どころではないという時はありませんか? 時には吐き気がしたり、立つことさえつらくなったり…そんな不快な症状が一定時間続くなら「片頭痛」かもしれません。一般的によく耳にするこの症状も、放っておくと危険が伴うことも。まずはあなたの「片頭痛」が、どんな状態にあるのかを正しく知ることが大切です。
悩み多き「片頭痛」をきちんと知ること
まず、日常的によく聞く「片頭痛」が何かということについてお話しをしていきましょう。片頭痛とは、頭の片側に生じる、拍動性の頭痛のことです。簡単に言えば、脈拍にあわせるようにズキンズキンと一定のリズムで脈打つような痛みのこと。ひどくなると頭全体に広がって、拍動性の痛みから持続性の痛みになることもあります。
片頭痛は不定期に発症する傾向で、常に頭痛がするというわけではありません。一般的には月に数回、週に数回といった頻度で症状が出るとされますが、かなり個人差もあるようです。ズキンズキンといった痛みが数時間とか、長い時には何日にも渡るケースも。頭痛の程度はさまざまですが、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあります。
人によっては肩や首が重くなるという症状が起こる場合もあります。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、光や音に過敏が起こる場合もあります。現在、頭痛に悩む日本人は約3000万人もいるといわれていますが、そのうちの約800万人の人たちはこの片頭痛に悩んでいるのだとか。また、特に20~40代の若い女性によく見られるそうです。
片頭痛の予兆期・前兆期・頭痛期・頭痛消退期・回復期
片頭痛は予兆期・前兆期・頭痛期・頭痛消退期・回復期、という特別な時間経過を示すことが多くあります。ここでは、片頭痛に対応するために重要な初期の段階について説明しましょう。
予兆期では片頭痛の発作が起こる前に、さまざまな体調の変化が起こることがあります。あくびや過睡眠、疲労感や集中困難、頚部のコリ、思考回路が緩慢になるなど。片頭痛が起こる数時間前からあらわれたり、2日前あたりから起こることもあります。
前兆期とは、頭痛の起こる直前、または発作中にあらわれるものです。通常 5~20 分にわたって徐々に進展し、かつ持続時間が60分未満の発作を繰り返します。前兆として、視覚症状・感覚症状・言語症状など。「閃輝暗点」(目が見えている部分の真ん中あたりがチカチカしたり、稲妻のような光が現れて目が見えにくくなる症状)も、片頭痛の前兆のひとつ。このような前兆が終了して、本格的頭痛発作に襲われることになるのです。
急な片頭痛には昼寝が一番?
片頭痛は頭の中で血管が拡張し、脈拍の動きが刺激として伝わることで炎症が起きるため、暖めたりマッサージをして刺激を与えるのは逆効果です。痛みが襲ってきた場合は、まず患部を冷やして血流を抑え、安静にしてください。また、光や音が刺激になることもあるので、暗くて静かな場所で横になるのが望ましいです。仕事中の場合でも、できるだけ動かないことが肝心。本当は、1~2時間程度、仮眠をとるくらいが理想的です(寝過ぎは生活リズムが狂うので逆効果です)。
また、カフェインは脳の血管を収縮する作用があるので、コーヒーや緑茶、紅茶、ウーロン茶などを飲むのも有効。ただし飲み過ぎは禁物。カフェインを過剰摂取すると逆に頭痛を起こしてしまうこともあるので注意してください。
「幸せホルモン」は片頭痛に悪い!?
片頭痛には、セロトニンという血管を収縮させる物質が関係しているとか。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定や心の安らぎなどにも関わる物質ですが、そのために起こる血管収縮の反動で急な血管拡張を促し、片頭痛が起こることもあるのです。またストレスを溜め込むと、それを乗り切ろうとしてセロトニンが分泌されることも。結果、今までセロトニン効果で収縮していた血管が突然拡張してしまうことになり、片頭痛を引き起こしてしまうこともあります。
ストレスをアルコールで解消しようとすることは決して悪いことではないのですが、アルコールには血管を拡張させる作用があるのです。日頃のストレスは、十分な睡眠や適度な運動、正しい食生活など、日常生活の改善で解消していくほうがベター。
さらに片頭痛は、周囲の環境やライフスタイル、女性ホルモンなどの影響で痛みを誘発します。同じような痛みが繰り返し起きるなら、何を食べ、何をしたときに痛みが起きているのか普段から観察することが大切。上手に予防していきましょう。
文/sapuri