JNECネイリスト技能検定を徹底解説!1級・2級・3級の概要や合格のポイントを知ろう
ネイルに関する資格を取りたいなら、「JNECネイリスト技能検定」がおすすめです。
そこで、ネイリスト技能検定とはどんな資格なのかという概要を知り、各級の試験内容や難易度などを理解しましょう。合格のポイントもチェックして、一発合格を目指してみてください。
JNECネイリスト技能検定とは
JNECネイリスト技能検定は、公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が、ネイルの正しい技術と知識の向上を目的として主催している検定。
内閣総理大臣が認定する「公益財団法人」が実施していることもあり、国内のネイリスト資格のなかでもメジャーなものです。実施27年目と歴史が長く、約100万人の受験者実績を持ちます。
引用元
JNECネイリスト技能検定
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター):ネイリスト技能検定試験とは
資格には1級から3級がある
技能検定試験は1〜3級まであり、求められるスキルと難易度に違いがあります。
<求められるスキル>
1級:トップレベルのネイリストとして必要とされる総合的な技術および知識
2級:サロンワークで通用するネイルケア、リペア、チップ&ラップ、アートに関する技術および知識
3級:ネイルケア、ネイルアートに関する基本的な技術および知識
難易度は1級が最も高く、2級、3級の順に低くなります。1番難易度の低い3級は、基礎的知識や技術を問われ、2級は3級よりもレベルの高い内容です。
3級は、義務教育を修了していれば誰でも受験できます。上位級を目指したい場合、飛び級はできないため順番に取得する必要があり、2級は3級取得者、1級は2級取得者のみ受験可能です。
なお、2023年秋期(10月)より、全ての級で共通して規定が変更されており、ポリッシュオフがなくなりました。伴って時間も変更されているため、注意が必要です。
ネイリスト技能検定の資格を取得するメリット
さまざまなネイル資格のなかでもネイリスト技能検定は有名な資格であり、取得するメリットも多いです。3つのメリットを見ていきましょう。
1.知識・技術があることの証明になる
資格は、お客様に施術をするに十分な技術があることの証明になります。
初めてのお客様にとって、担当するネイリストに知識や技術があるかは知るよしもありません。資格を持っていることで、知識や技術があることの証明となるため、集客につながりやすくなるでしょう。
2.就活で有利になりえる
就職活動においても、ネイリスト技能検定の資格は有利に働く可能性があります。資格を持っていると自信にもつながり、選考の際に自己アピールができるでしょう。
3.給料面で優遇される可能性がある
多くのサロンでは、未経験者や無資格の人の場合、はじめは有期雇用契約で採用される場合があります。ネイリスト技能検定の資格を持っていると、正社員になれる確率が高くなり、資格手当があるサロンなどでは給料が高くなる可能性もあるでしょう。
【2025年】直近の試験日程
2025年のJNECネイリスト技能検定の直近での試験日は、下記のように公表されています。
1級:4月12日(土)
2級:1月18日(土)・4月13日(日)
3級:1月19日(日)・4月20日(日)
引用元
JNECネイリスト技能検定
ネイリスト技能検定1級
1級は、ネイリスト技能検定のなかで最もレベルの高いものです。世界にも通用するトップレベルのネイリストに必要な知識や技術を備えているかが試されます。試験時間は、事前審査10分、実技試験150分、筆記試験40分です。
引用元
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター):ネイリスト技能検定試験とは
JNEC:受験案内
JNEC:ネイリスト技能検定試験1級 実技採点基準
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受験資格と受験料
ネイリスト技能検定1級の受験資格は、ネイリスト技能検定2級を取得している人が対象です。ふたつの級を同時に受験はできず、3級から順にひとつずつクリアしていく必要があります。
受験料は税込1万2,500円で、受験手続きはWEBでの申し込みのみです。
合格基準と合格率
試験は、筆記と実技です。筆記試験は100点満点中80点以上で合格、実技試験は50点満点中38点以上、さらに失格対象でないことを条件に合格できます。
筆記試験のみ合格した場合は、次回の試験で1級を再受験する場合のみ筆記試験が免除されます。
また、2023年秋期までの合格率は39.22%です。レベルの高い級とあって、やや低めであることがうかがえます。
試験内容
ネイリスト技能検定1級の実技の試験内容は下記のようなものです。減点や失格となるチェックポイントが多くあるため、気を付けるポイントもあわせておさえておきましょう。
事前審査
実技試験開始前に、事前審査の時間が10分間あります。事前審査では、用具のセッティングや消毒管理をチェックされるため、チェックポイントをしっかり把握しておきましょう。
実技試験
150分の試験時間内で、ネイルイクステンションとネイルアートを施します。施術では手指の指定があり、手指を間違うだけでも失格となるので注意が必要です。
〈実技試験の内容〉
ネイルイクステンションでは、右手5本にスカルプチュアネイル、左手中指と人差し指にチップ&オーバーレイ、左手薬指にはミックスメディアアートを施します。
すべてのイクステンションで、ナチュラルスタイルに統一しなければなりません。3Dアートは、イクステンションと同じ長さに統一しますが、事前に仕込んでおくことが認められています。
〈チェックポイント〉
実技のチェックポイントは、5点満点の減点方式で評価されます。チェックポイントの項目は次のとおりです。
・スタイリングの仕上がり
・ハイポイントの位置
・フリーエッジの長さと厚みの均一性
・強度と耐久性
・Cカーブ20~30%
・キューティクルラインのスムーズさ
・表面の仕上がりや光沢・気泡の状態
・チップの装着状態
・イクステンションの仕上がり
・ミックスメディアアートの仕上がり
筆記試験
筆記試験は、ネイリスト技能検定試験の公式問題集から出題されます。解答時間は40分間です。択一問題に対し、マークシートで解答します。
出題範囲は次のとおりです。
・ネイルの歴史
・衛生と消毒
・化粧品学(材料、内容成分、効果等)
・爪の構造(皮膚科学)
・爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)
・ネイルケアの手順
・イクステンションの手順
・その他実践的施術全般
・プロフェッショナリズム
テキストが指定されているため、何度も繰り返し勉強することで知識の定着を図ることができます。
難易度
ネイリスト技能検定1級は、過去の合格率を見ても、難易度が高い検定試験です。理由として下記のような点が考えられます。
時間内に施術を完了させることが難しい
まず、150分以内に実技試験を終わらせることが難しいということが挙げられます。
実技は、チップ&オーバーレイや3Dアートなどの複雑な工程を踏む試験です。他の級よりも制限時間が長いものの、この複雑な工程を150分以内にすべておこなうこと自体がハードです。
仕上がりに求められる基準が高い
実技は工程が多い上に、時間内に終わらせるために工程を飛ばしたり、手を抜いたりすることが許されません。チェックポイントが細かく決められており、求められる基準が高いことも、試験に立ちはだかる大きな壁となっています。
工程を飛ばしたり、均一で美しい仕上がりになっていなければ減点対象となるため、時間内に仕上げることはもちろん、美しさを追求した練習が必要です。
ネイリスト技能検定2級
ネイリスト技能検定2級は、より実践的な知識や技術を習得したい人におすすめの試験です。試験時間は、事前審査10分、実技試験前半30分、実技試験後半55分、筆記試験35分です。
引用元
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター):ネイリスト技能検定試験とは
JNEC:受験案内
JNEC:ネイリスト技能検定試験2級 実技採点基準
JNEC:ネイリスト技能検定試験 試験要項
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受験資格と受験料
2級を受ける場合には、3級の試験に合格している必要があります。いきなり2級から受験するということはできないので注意してください。
ネイリスト技能検定2級の受講料は、税込で9,800円です。3級、2級、1級とレベルが上がっていくにつれて、受験料も高くなります。
合格基準と合格率
筆記試験は100点満点中80点以上で合格、実技試験は50点満点のうち38点以上で合格です。また、減点法を採用しており、12点以上減点となった時点で失格となってしまうため、規定違反や減点の対象となる項目は必ず確認しておきましょう。
なお、2023年秋期までの合格率は43.04%でした。1級よりはやや高いことがわかります。
試験内容
2級の試験内容は以下のようなものです。
事前審査
実技試験の前には事前審査の時間が10分間設けられており、テーブルセッティングや消毒管理、モデル・モデルハンドの爪の状態についての審査がおこなわれます。事前審査で問題ないと判断されれば、実技試験に移ることが可能です。
実技試験 前半|ネイルケア(35分)
実技試験ではネイルケアやチップ&ラップ、カラーリング、ネイルアートの技術などが問われます。また、実技試験前におこなわれる事前審査で規定違反がわかった場合、試験を受けられないため、注意が必要です。
前半のネイルケアは、両手10本で30分間です。手指消毒からファイリング、ブラシダウン、キューティクルクリーンまでの施術を実施します。
定められている通りに手指消毒ができているかや、ファイリングでのエメリーボードの動かし方、キューティクルクリーンでの正確な技術も評価対象となります。
前半終了後は、1分間のインターバルで後半にそなえましょう。
実技試験 後半|チップ&ラップ・カラーリング・ネイルアート(55分)
実技試験の後半55分では、チップ&ラップ・カラーリング・ネイルアートを実施します。チップ&ラップでは、規定を遵守することが重要です。カラーリングは指定の色でネイルポリッシュを塗り、トップコートでつやを出します。
ネイルアートでは指定のテーマに沿って爪にフラットアートを施し、制限時間内にいかに美しく仕上げられるかが問われるようです。
〈チェックポイント〉
実技審査では、ネイルケアやチップ&ラップ・カラーリング・ネイルアートなどの技術の正確さが評価されます。
また、手指消毒からスタートしているか、私語やマナーを守っているか、モデルの爪の状態が適切か、指定通りの指に施術しているかなど、技術以外にネイリストとして必要な清潔操作や接客で重要なマナーなどといった点も評価されるのが特徴です。
筆記試験
筆記試験は35分間のマークシート形式で、公式問題集から出題されます。ネイルの歴史や爪の構造などの解剖学的な内容、爪に起こる病気やトラブルについての知識が問われる試験です。
次のような内容が出題されます。
・ネイルの歴史
・衛生と消毒/爪の構造(皮膚科学)
・爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)
・ネイルケアの手順
・リペアの種類およびチップ&ラップの手順
・その他実践的施術全般
・プロフェッショナリズム
そのほかにネイルケアやチップ&ラップの手順などを含む施術全般についての知識、リペアの種類なども範囲に含まれています。どれもプロのネイリストを目指すうえで、最低限知っておくべき内容です。
もし筆記試験だけ受かった場合は、次回受験時に筆記試験が免除されます。
難易度
2級の難易度も低くはなく、失格対象となる行為は約20項目あります。減点の対象となる項目が1つだったとしても、著しくひどい場合や、3項目以上減点に該当した場合も失格となりますので、注意してください。
特に気をつけたい失格ポイントを下記で見てみましょう。
時間を守らない
時間を守らない行為は失格の対象です。事前審査が始まるまでにモデルとともに着席していない場合は遅刻とみなされ、失格となります。
ほかにも、試験時間内に終わらずタイムオーバーとなった場合や、実技試験終了後に作品に手を触れることもカンニングとみなされ、失格です。
指示に従わない・カンニングととられる行為
受験生・モデルともに試験官の指示に従わない場合や、モデルがアドバイスや手助けをするカンニング行為は失格となります。
用具や用材を、試験官の許可を得ずに出し入れした場合も失格です。
指示通りでない場合
前半の試験に後半の試験の工程をした場合や、指定色以外を使用した、事前にカラーポリッシュをモデルの爪に塗布していないなど、指示通りでない場合も失格となります。
ほかにも、指定された指の爪でない場合や、指定した爪の本数よりも多い・少ないといった手指の間違いも失格の対象です。
ネイリスト技能検定3級
3級は、事前審査10分、実技試験65分、筆記試験30分です。ネイリスト技能検定のなかでは最も下位の級で、義務教育を終えていれば誰でも受けられるとはいえ、スムーズに合格するためにはしっかりと練習や対策をして臨む必要があります。
引用元
JNEC(公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター):ネイリスト技能検定試験とは
JNEC:受験案内
JNEC:ネイリスト技能検定試験3級 実技採点基準
JNEC:ネイリスト技能検定試験 試験要項
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受験資格と受験料
ネイリスト技能検定3級は、義務教育を修了している人であれば誰でも受験することができます。受験費用は税込6,800円です。
受験時の注意点としては、下記の4つのポイントがありますので受験前に確認するようにしましょう。
①二つの級を同時に受験できない
②試験当日、実技試験のモデルが必要
③申し込みの取り消し、受験級・会場等の変更はできない
④受験料は返金なし(試験施行中止を除く)
合格基準と合格率
1・2級と同様に、筆記試験は100点満点中80点以上、実技試験は50点満点中38点以上で合格(減点法)です。また、2023年秋期までの合格率は84.98%と高い傾向が見られます。
試験内容
ネイリスト技能検定3級の試験内容を以下で押さえましょう。
事前審査
3級でも1・2級と同様の事前審査があります。テーブルセッティングおよび消毒管理と、モデル・モデルハンドの爪の状態が規定通りであるかなどがチェックされます。
実技試験
実技試験では、次の3つの技術が試験範囲です。
①ネイルケア(両手10本)
②カラーリング(両手10本)
③ネイルアート(右手中指)
ポイントは以下のような点です。
・手指消毒
・ファイリング
・ブラシダウン
・キューティクルクリーン
・ポリッシュカラーリング
・アート
・トップコート など
終わったらしっかり見直しもしてください。
実技試験では基本的な技術が審査されますが、65分という制限時間をオーバーしてしまうと失格対象となります。時間内に工程を終わらせる練習をしておきましょう。
筆記試験
内容は下記のようなものです。
・ネイルの歴史
・衛生と消毒
・爪の構造(皮膚科学)
・爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)
・ネイルケアの手順
筆記試験は30分間のマークシート方式です。ネイルの基本的な知識を十分身に着けてから臨みましょう。
ネイリスト技能検定合格のポイント
ネイリスト技能検定試験に合格するためには、前でも触れていますが、減点されないようにすることと失格にならないようにすることが重要です。
遅刻やタイムオーバーは失格、モデル・モデルハンド・道具などの規定を守るなど、常識的なことではありますが、些細なことで不合格になってはもったいないものです。くわしくは、公式サイトの試験要項や採点基準で確認してください。
引用元
JNEC:ネイリスト技能検定試験 試験要項
JNEC:ネイリスト技能検定試験1級 実技採点基準
JNEC:ネイリスト技能検定試験2級 実技採点基準
JNEC:ネイリスト技能検定試験3級 実技採点基準
ネイリスト技能検定の勉強方法
ネイリスト技能検定の勉強方法としては、ネイルスクール・通信講座・独学があります。スクールや通信では、資格取得のための効率的なコースが用意されていることも多いです。
なお、独学は上位級になると難しいかもしれません。自分に合った方法で勉強しましょう。
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資格取得後は就職先を探して応募しよう
検定に合格して資格を取ったら、次は就職したい志望先への応募です。一般的に、履歴書と面接で選考がおこなわれます。
履歴書はミスのないように正確に記入し、資格欄や志望動機でしっかりアピールすることが重要です。書き間違えた場合は修正ペンや訂正線を使わず、新しい紙に書き直してください。
面接は聞かれやすい質問への対策をし、身だしなみを整えて臨みましょう。受け答えはもちろん、髪型や服装などのほか、面接中の姿勢や表情などもチェックされます。
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ネイリスト技能検定に合格して人気ネイリストを目指そう
ネイリストは、資格がなければなれない職業ではありません。しかし、ネイリスト技能検定のような資格を持っていることが知識や技能の証明になるため、採用するサロンや担当するお客様から信頼を得やすくなります。就活だけでなく、開業する際にも自信を持てる資格取得を目指しましょう。
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