自宅で気軽にできるお灸の方法をレクチャー。患者さまに寄り添うケアで信頼をつかむ『EDO鍼灸治療院』
症状の根本的な原因を探る丁寧な検査で、患者さまから信頼を得ている『EDO鍼灸治療院』。後編では施術中に意識していることや鍼灸師の魅力について伺いました。
施術中に大切にしていることとは?
施術で大切なのは根本的な原因にアプローチすること
―切診、問診、聞診、望診の4つの診かたにより、お客さまの状態をチェックした後はどのように施術を進めていくのでしょうか?
患者さまのなかにはあまり強い刺激を望んでいない方もいるので、施術前にどのような治療を行うかをきちんと伝えてからスタートしています。とくに初めて鍼灸を受ける方には、丁寧に説明することが大切ですね。たとえ施術者側が提供したい治療があっても、患者さまにとって心地よいものでなければ納得していただけませからね。
―施術中に意識していることを教えてください。
常に患者さまの様子をチェックして、少しでも違和感があるような表情や仕草をされた時は、すぐに声を掛けるようにしています。また患者さまが主に症状を訴えている部分と、本当に施術をしなければいけない部位が異なることがあるので、アプローチを加える箇所を見極めることも大切です。たとえば腰に症状を訴えていても、お尻や太もものほうがコリが激しいことがありますし、首の場合は胸まわりに原因があることもあります。もっとも重い症状が出ている部位を重点的に施術することは、常に心掛けていることですね。
気軽にできる足ツボへのお灸をレクチャー
三陰交、蠡溝、勇泉の効果とは?
―患者さまの症状を軽減するために、施術以外で取り組んでいることはありますか?
自宅で気軽にできる足ツボへのお灸の方法をお伝えしています。一般的に広く知られているツボを中心にレクチャーしており、三陰交(さんいんこう)は代表的なツボのひとつです。足のくるぶしの最も高い場所から、指4本分ほど上の場所にあり、生理痛や冷え性など女性の悩みに効果的とされています。また蠡溝(れいこう)もおすすめの足つぼです。内くるぶしから指5本分ほど上の場所にあり、肝臓強化や月経不順にも効果があります。その他にも勇泉(ゆうせん)もよくお伝えしているツボです。土踏まずのやや上の中央、足の指を曲げてへこんだところにあり、脳の疲れを取る効果があると言われています。不眠の方にもおすすめですね。足ツボをレクチャーする際に気を付けていることは、左右差を確認していただくことです。右足のほうが強く反応するなど両側で違いがあることがほとんどなので、そちらだけにお灸をするように指導しています。
―個性的なメニューがあれば教えてください。
美容鍼灸も人気があるメニューです。ほうれい線、たるみ、クマの改善などがご要望として多く、とくに血流が大きく関わっているクマは鍼灸によって効果がでやすいと感じています。目の下は皮膚がうすく血流の不順が見えやすいため、それがクマとなって現れているんです。鍼灸は血液の巡りを良好に整えるので、効果があると言われています。ちなみに美容鍼灸を受けられるのは女性だけではなく、男性が小顔効果を求めていらっしゃることもありますね。
鍼灸師という職業の魅力とは?
ゴールがないからこそ技術を磨き続けられる鍼灸師という仕事
―鍼灸院のPRはどのように行っているのでしょうか?
鍼灸院の雰囲気や治療方法などを伝えるために、ホームページ上でブログを配信しています。ちなみにこれまで続けきたなかで気が付いたことは、こめかみの頭痛、首の前側のコリ、首のコリによる頭痛などピンポイントの症状に絞って書いたほうが、アクセス数が伸びるということです。実際にブログ経由でいらっしゃる方も多いので、これからも力を入れていきたいですね。
―最後に鍼灸師という職業の魅力を教えてください。
未知の部分が多い人体を相手にしており、ゴールがないからこそ技術を磨き続けられることが魅力です。当たり前ではありますが、患者さまの身体は1人ひとり違いますから同じ施術は一度もありません。本当に難しい仕事だと思う日々ですが、だからこそやりがいがあるんです。また今後ますます業界を盛り上げるためにも、若手が増えたらうれしいですね。そのためには鍼灸業界が団結して、自らが磨いてきた技術を積極的に次の世代に伝えていくことが大切だと思いますね。
美容鍼灸ではiPadを用いてビフォーアフターを確認できるという『EDO鍼灸治療院』。インタビュー中も実際に手で触れながらわかりやすくツボを解説してくださった西村先生の姿が印象的でした。高い技術力に触れたい方、鍼灸の魅力を実感したい方は、ぜひ訪れてみてください。